故キム・セロンさんの遺作となったシネラマ(シネマ+ドラマ)「私たちは毎日毎日」が、早ければことしの下半期(秋)に映画としてまず公開される。
20日、「私たちは毎日毎日」を演出したキム・ミンジェ監督はイーデイリーに「当初の企画段階からシネラマの形で映画とドラマを一緒に公開しようと作った作品。フォーマットもそうだし、状況的にドラマを公開した後で映画を公開するよりも、まず映画でお見せした後ドラマを公開する方がいいのではないかと思い、まず映画を披露しようと思う。ドラマバージョンは編集をすべて終えたが、映画バージョンはまた別に編集を完成して、来る下半期、早ければ秋ごろに披露する方向で決めた」と明らかにした。
「私たちは毎日毎日」のドラマバージョンは60分物7話で企画された。この作品は、故人が2022年の道路交通法違反(飲酒運転事故後未処置)で芸能活動を中断する前に撮影した作品だ。事件によって放送が消滅してしまったが、ことし中に観客や視聴者に公開する準備を終えた。
この作品はカカオページウェブトゥーンを原作にしたもので、爽やかな学生時代、誰もが大切にしている初恋のトキメキと友情の瞬間を描いた成長記ドラマだ。
故キム・セロンさんはバスケットボールに真剣に取り組む少女ハン・ヨウル役を演じ、イ・チェミンと共演した。イ・チェミンは故キム・セロンさんの相手役で、ヨウルに片思いをする幼なじみオ・ホス役を演じた。
キム監督は「2021年の秋に撮影した。2022年にセロンさんのアフレコもほぼ終えた時点であの事件が起こった。もともとは2022年の下半期冬頃に公開しようと思っていて、どこで公開するかもある程度決まっていた。そうこうしているうちに事件が起こって、そのまま2年ほど待つしかなかった」と打ち明けた。
故人がこの世を去る数カ月前に別件で会ったという。「あのことが有ってセロンさんとはさまざまなことを耐えた。そんななか数カ月前にセロンさんと別件で会う機会があった。会った時、セロンさんがすごく泣いて、申し訳ないと言った。あの時、セロンさんの姿を見て、とても心配もしたし、元気出してね、とも言ったが、まさかこんなことが起こるとは思わなかった。あの時、セロンさんを大人としてもう少し支えてあげればよかったと申し訳ない気持ちと後悔がある」と話した。
映画公開の時期をことしの下半期に決めた理由も伝えた。キム監督は「この作品は、もう1人の主人公であるイ・チェミンも最近活躍しているので、以前から(公開を)チャレンジしてみるべきではないかと思っていた。そうしているうちにセロンさんが亡くなってしまった。悲報に接した時、ものすごくショックだった。ただ公開を先延ばしにしている意味がないように思った。実は今回のこうした悲しいことが有ったから作品の公開を決めたように思われたくはなかったが、今となっては結果的に偶然が必然になったのだと思う」と打ち明けた。
監督は「セロンさんの輝くような演技の才能、最も美しい姿を世の中の人に見せなければならないのではないか、人々が才能あふれる俳優キム・セロンの姿を忘れてしまうのはちょっと違うんじゃないかと思った。何より、今、大人として監督として、個人的にも、故人にあげられるプレゼントがこの方法しかないという考えだ」と強調した。
そして「どんな非難や後ろ指を指されようと、作品自体は愛おしい。子供たちが成長して愛と関わりを悟っていく話だ。この話こそ、セロンさんが俳優として持っていた長所を見せることができる方法だと確信している。公開されて作品を見れば、キム・セロンという人そのものが見えると思う。キム・セロンさんやイ・チェミンをはじめとする俳優たちが、この作品をどのように撮ったのか、そばでずっと見守ってきた人間として自信を持っている。美しくてかわいらしく、傷ひとつない透き通った姿を見ることができると思う。この作品が公開されたら、誰かが、彼女がそうした才能がある愛らしい人であり俳優であったことを思い出してくれるのではないか、そうあってほしいと思う」と付け加えた。
故キム・セロンさんは去る16日に突然この世を去った。享年25歳。故人は5月に公開される映画「ギターマン」(監督:イ・ソンジョン)も遺した。
■自殺を防止するために厚生労働省のホームページで紹介している主な悩み相談窓口
●こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556
●よりそいホットライン:0120-279-338、岩手県・宮城県・福島県から:0120-279-226
●いのちの電話:0570-783-556
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