【北海道旧三石町(新ひだか町)】昆布ソフトクリームと出会いと

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北海道旧三石町(新ひだか町)

日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。

今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。

「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。

今回は、北海道旧三石町(新ひだか町)を写真とともに紹介する。

Vol.439/北海道旧三石町(新ひだか町)

次にやって来たのは旧三石町。まずは中心部に行ってみようと、国道235号線をずっと進んでいた。その中心部の手前でふと、セイコーマートの向かいに「みついし昆布」の看板を見つける。店舗のようで、のぼりを見ると「昆布ソフトクリーム」とあった。わぁ、食べてみたい! 入ってみよう。

店内で昆布ソフトクリームを注文すると、スッと出てきたお母さんが、ソフトクリームをつくってくれた。その方の雰囲気に、品と温かさが滲み出ている。目には見えないが、優しさに包まれている。大袈裟ではなく、そう感じたのだ。思わず話し込む。

話の途中、お母さんが、「95歳になるの」と言って、ほんとうに驚いた。95歳になる方に、ソフトクリームをつくってもらったわけだ。なんてお若いのだろう。おばあさんの持つ人柄に、惚れるばかりだった。

「自分の心を大切にすること。良い心を持つことです」

それは、まさにお母さんの雰囲気に現れていた。言葉だけではなく、身にまとうオーラとして。

ちなみに、みついし昆布と日高昆布の違いも聞いてみた。ほとんど一緒なのだが、「みついし」はアイヌ語が語源で、先に生まれた言葉だそうだ。いただいた昆布ソフトクリームも、もうひとつ食べても良いぐらい美味しかった。ほんのり昆布香る塩気とソフトクリームの甘さが、互いにバランスを保ち合い……。

みついし昆布さんへ

お母さんに、ソフトクリームをつくっていただいた

市街地へ

三石も海が近い

海岸線

ふれあいサテライトみついし

その後、市街地へ訪れる。北海道らしく車道や歩道の幅が広く、その両側に住宅やお店などが並ぶ、ゆったりとした中心街だ。国道沿いの南側にはすぐ海が広がっている。自然の恵みもあり、おそらくぼくが知らない厳しさもあり、どちらも感じながら、ここで暮らす方々もきっとたくさんいらっしゃる。三石産の昆布を見つけたら、またそういったことを思い出すかもしれない。

(仁科勝介)

写真家プロフィール

仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
仁科勝介公式X:https://twitter.com/katsuo247
仁科勝介公式Instagram:https://www.instagram.com/katsuo247

  

  

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