
箔工芸作家・裕人礫翔氏と宇宙兄弟のコラボ屏風
京都府京都市にて、祇園祭の期間中に京町家が格子戸を開放して代々所蔵している屏風や調度品を飾って、通行人に公開する伝統行事「屏風飾」として、六角町の3軒が人気漫画『宇宙兄弟』とコラボレーションした屏風などの展示を、7月13日(日)〜24日(木)*に開催する(*一部日程が異なる)。
祇園祭の風物詩「屏風飾」
「屏風飾」とは、祇園祭の期間中に、山鉾町にて古くからの京町家が格子戸を開放し、代々所蔵している屏風や調度品を飾って、通行人に公開する伝統行事。商家の町衆によって受け継がれてきた文化であり、町の誇りを体現するもの。
「六角町」は、かつて松坂屋伊藤次郎左衛門邸や三井家が両替商として商いを営んだ場所であり、新町通を挟んで呉服商や白生地問屋が軒を連ねていた京都の中心地。祇園祭後祭中に建てられる北観音山を擁するこの町には、今もなお誇り高い町衆(旦那衆)が暮らしており、山鉾町として唯一無二の存在感を放っている。
世代と表現領域を越えて祇園祭の美と精神を次代へ
祇園祭の風物詩「屏風飾」は、近年では町家の取り壊しが進み、屏風飾そのものの継承が困難になっている現状がある。そこで、京都市中京区六角町にて、「京都生活工藝館 無名舎 吉田家」「藤井絞」、そして新たに加わる「文化サロン mononoma(モノノマ)」の三会場が連携し、屏風飾の伝統を未来へとつなぐべく、力を合わせて開催に取り組む。
これまで吉田家と藤井絞を中心に続けられてきた六角町の屏風飾。年々参加者の減少が懸念される中で、mononomaがこの文化の担い手として新たに加わることには、世代と表現領域を越えて祇園祭の美と精神を次代へ引き継ぐ意義が込められている
三つの“宇宙”が織りなす屏風飾
「京都生活工藝館 無名舎 吉田家」は、白生地問屋として築116年、国登録有形文化財・歴史的建造物・景観重要建造物。三代目当主・吉田孝次郎氏が守り続ける、典型的な表屋造りの大型京町家だ。元祇園祭山鉾連合会理事長でもある当主が、自邸にて代々の屏風や自身が世界中を旅して収集した絨毯や小袖などを“孝次郎好み”にしつらえ、格子戸を開放して公開し、毎年来訪者を魅了している。
展示日時は、7月20日(日)13:00〜21:00、21日(月・祝)・22日(火)9:00〜22:00、23日(水)9:00〜23:00に予定されている。予約不要で、軒先から自由に鑑賞することができる。
「藤井絞」は、1915年創業、京鹿の子絞や雪花絞りなど絞り染めを使った着物を製造。伝統技法を守りながらも現代的な染織表現を追求する老舗。江戸時代の屏風を中心に、伝統的工芸品である「京鹿の子絞」の染織品を格子戸越しに展示する。
箔工芸作家・裕人楽勝氏と『宇宙兄弟』のコラボ作品展示

箔工芸作家・裕人礫翔氏と宇宙兄弟のコラボ作品
「mononoma」では、「mononoma」は、バー・学びの場・季節の催しを通じて、新たな創造が芽吹く、“物と間”が調和する文化サロン。今回、箔工芸作家・裕人礫翔(ひろとらくしょう)氏が、人気漫画『宇宙兄弟』(小山宙哉氏原作)とコラボレーションし、伝統技術と物語の世界観を融合させた屏風作品などを展示する。
裕人氏は、吉田家当主の教え子で、伝統技術を継承し未来に繋ぐ独創的作品で国内外にて活躍。月を目指す兄弟の夢を描いた『宇宙兄弟』は、世代を超えて希望を届け続けている作品であり、箔のアートで宇宙を描く作品を制作し、伝統と未来をつなぐ“宇宙的な想像力”を発信する。
体験型企画「宇宙茶会」を同時開催
また、屏風飾と連動し、和蝋燭の静寂の中で宇宙をテーマにした一服を味わう「宇宙茶会」が、文化サロン mononomaにて開催される。
宇宙をイメージしたオリジナル和菓子が提供され、希望者は自ら薄茶を点てることができる。コラボ屏風前での記念撮影やウェルカムドリンク、暗闇の中での特別茶道体験を楽しむことができる。
7月15日(火)・16日(水)、22日(火)・23日(水)各日11:00〜16:00の毎時1回・各回45分に、各回8名(要予約)にて実施。参加料は3,300円(税込)、空席がある場合のみ当日参加可能。申込方法などの詳細は、文化サロン mononoma公式サイトにてチェックしてみて。
それぞれの表現が織りなす“三つの宇宙”を通して、祇園祭の精神を現代の感性で受け継がれていく、六角町の屏風飾を楽しんでみては。
■文化サロン mononoma
住所:京都府京都市中京区新町通六角下る六角町368-1
HP:https://mononoma.jp
(山本えり)
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