新田製パンは、群馬県立太田工業高校と共同で国内最大級の災害対応キッチンカーを製作。完成後は災害支援車両として運営予定している。
新田製パンが高校生と作った災害対応キッチンカー
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生徒たちの手により車体修理、塗装を終えたベース車両
新田製パンでは、災害が多発している昨今、今まで行ってきた被災地支援の経験を活かし今後懸念される首都直下地震などの大規模災害を想定した大型キッチンカーの製作を、2024年4月から群馬県立太田工業高校電子機械化3年生と共に開始。この度外装が完成し、内装のキッチン製作は後輩へバトンタッチされる。
災害時に温かい食事を提供したいとの想いから制作開始
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東日本大震災では宮城県亘理町にパンを義援物資として寄付
今回のプロジェクトは、新田製パンの統括部長・星野茂氏の起案によりスタート。災害が多発するなか、同社では東日本大震災で宮城県へ支援物資としてパンを1万食寄付し、その後の台風19号の水害では片づけボランティアで参加。能登地震では石川県にパン3千食を寄付してきた。
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能登地震では石川県七尾市に菓子パン等3千食を寄付
星野氏は、これまで新田製パンで行ってきた被災地支援の窓口として対応。
現地にも赴き、被災地支援を行う中で現地の人々に温かい食事を提供したいと考え、同プロジェクトを起案。新田製パンでも被災地の人々に温かい食事を提供し、少しでも心安らぐ時間の提供が出来ればとの考えから、2023年1月にキッチンカー制作プロジェクトを立ち上げた。
日本最大級!災害対応キッチンカーの概要
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大型発電機
車両のコンセプトは、今後起こりうる大災害を念頭に大規模避難所など数千人規模の避難所においても食事の提供が可能なこと、電力などのライフラインが寸断された場所でも活動できること、そして、活動員が数日間現地に滞在できること。キッチンカーではあるが支援物資も十分積載できることを目標に、大型中古中継車をベース車両とし製作スタートした。
新田製パンでは、地元の小中学校へ学校給食(パン・ごはん)を供給しており、今回のプロジェクトでは大量調理のノウハウを生かしていきたいと考えている。
大型キッチンカー(災害時食事支援車)の車種は、三菱ふそうスーパーグレート元大型中継車で、サイズは全長10m・全幅2.5m・高さ3.5m。
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パワーリフト取り付け完了
大型発電機50kVAと、パワーリフトを搭載しており、今後、大型のオーブンや立体炊飯器など大量調理に対応した調理器具の搭載や、調理エリアの他、支援物資積載エリアも完備予定だ。
多くの企業も携わり、広がる製作協力の輪
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錆で傷んだ部分を補修して古くなったステッカーを剥がしていく
プロジェクトリーダー・星野氏の母校である群馬県立太田工業高校で講演を行ったのを機に、太田工業高校がキッチンカーの制作を授業の一環としてサポートしたいとの意向をうけ、車両の傷んだ箇所の修理、塗装を実施。
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塗装準備でフロントパネルを取り外していく
未経験の生徒たちに群馬自動車大学校、京成自動車工業、関西ペイント、その他数十社(※)の企業より技術指導を受けながら進めた。
完成した車両の運用方法
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仕上げのラッピング作業
完成した車両の運用は、非営利活動法人である新田フードサポートが行い、今後フレキシブルな災害支援対応や、平時の際は防災啓発活動や子ども食堂、パン作り教室などの運営を担う予定だ。
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新田フードサポート ロゴ
新田製パンは、大きな車両ながら、小さな子供たちに寄り添う車両になれたらとの思いもこめ、今までの経験をもとに新田フードサポートを側面から支援して行きたいと考えている。
高校生と一緒に制作した日本最大級の災害対応キッチンカーの今後の活躍を応援しよう。
モバイルキッチンプロジェクト公式Instagram:https://www.instagram.com/mobile_kitchen01
新田製パン公式サイト:https://www.nitta-pan.co.jp
(※)協力した団体及び企業
群馬県立太田工業高等学校/群馬自動車大学校/京成自動車工業/関西ペイント/N-KIT/クラインズ/サンユーサービス/VIVID/和光工業/シャルムデザイン
(丸本チャ子)