清風會介護老人保健施設おとなの学校岡山校では、ドッグセラピストとリハビリスタッフが協働し、「ドッグセラピーチーム アビィー」として、セラピードッグが介入したリハビリプログラムを展開している。
癒しだけでなく、セラピードッグを介入させた身体的なリハビリにより、利用者のモチベーション向上や身体機能の改善を同時に目指す、全国的にも珍しい取り組みを行っている。
セラピードッグが介入するリハビリプログラム
「ドッグセラピーチーム アビィー」は、2017年、清風會の介護老人保健施設おとなの学校岡山校で「ワンコネクト」として活動を開始。その後「ドッグセラピーチーム アビィー」と名称を改め、2023年からセラピードッグが介入するリハビリプログラムを本格的に提供している。現在、ドッグセラピスト3名とセラピードッグ4頭が、日々利用者に寄り添った支援を行っている。
第34回全国老人保健施設大会では、「ドッグセラピーチーム アビィー」のドッグセラピストが発表した「セラピードッグとの歩行練習の事例報告」が岡山県の登壇者として唯一奨励賞を受賞し、その革新性が高く評価された。
活動では、リハビリスタッフとドッグセラピストが緊密に連携し、利用者一人ひとりの身体的な状態に合わせたリハビリを実施。セラピードッグが介入することで、リハビリが単なるトレーニングではなく、利用者の心を癒しながら機能回復を目指す温かな時間へと変わる。
また、リハビリプログラムは、利用者の身体状況やセラピードッグとの相性を考慮し、さまざまな形で提供されている。
たとえばボール投げでは、ボールを投げてもらいセラピードッグが取りにいく。ボール投げを通じて、肩関節の柔軟性を向上させ、座位や立位姿勢のバランス能力の向上を目指す。
セラピードッグに「待て」「お座り」などの指示を出し、発声練習を行うプログラムも。立位で指示出しを行うことにより、姿勢維持のためのリハビリにもつながるという。
今後は、施設内プログラムに留まらず、地域イベントへの参加や出張ドッグセラピーの提供を予定しているとのこと。多くの人にこの取り組みを届けることで、リハビリの新しい形を広めていくことを目指している。
住み慣れた場所で暮らすための学校
清風會が運営する「おとなの学校岡山校」は、高齢者の生きがいづくりを目的としたユニークな介護プログラムを提供。学校の授業形式を取り入れた「学び」の場を提供することで、利用者の知的好奇心を刺激し、心と身体の健康維持を支援している。
ドッグセラピー・くもん学習療法・音楽療法・リハビリテーションなど多彩なプログラムで在宅復帰を支援する。
清風會介護老人保健施設おとなの学校岡山校の取り組みに注目だ。
■清風會介護老人保健施設おとなの学校岡山校
所在地:岡山県津山市日本原352(日本原病院併設)
HP:https://smc-seifukai.or.jp/school
清風會HP:https://smc-seifukai.or.jp
(ソルトピーチ)