【兵庫県】海洋ごみ問題について楽しく学べる施設が神戸に誕生！展示やワークショップなど展開

住み開きの家ケレケレ

香川県・小豆島町に拠点を置くクリーンオーシャンアンサンブルは、神戸市北区で地域コミュニティ事業を行う「住みびらきのお家ケレケレ」と協働し、海洋ごみ問題の環境教育を提供する新施設「NPO法人クリーンオーシャンアンサンブル神戸拠点(仮称)」を開設する。

同施設では、展示スペースや体験型ワークショップを通じて、海洋ごみ問題について楽しく学ぶことが可能。入場は無料だが、入場希望者は事前連絡が必要だ。

新施設開設の背景

プラスチックごみをはじめとする海洋ごみの問題は、世界的に深刻化しており、海の生態系や私たちの生活に大きな影響を及ぼしている。

日本近海でも漂着ごみやマイクロプラスチックによる環境汚染が懸念され、これらの問題への対応と市民一人ひとりの意識向上が急務となっている。

しかし、海洋ごみ問題は日常生活からは見えにくく、関心はあっても「どう学べばよいか分からない」「自分に何ができるのか分からない」と感じる人も少なくないだろう。

そこで、海洋環境保全に取り組むクリーンオーシャンアンサンブルは、地域に根ざした場で楽しみながら学べる機会を提供するため、神戸市でユニークなコミュニティ運営を行う「ケレケレ」とタッグを組み、新たな学びの拠点づくりに乗り出した。

同施設は、古民家を改装したあたたかみのあるコミュニティ空間「ケレケレ」の一角に開設される。

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展示コーナーでは、クリーンオーシャンアンサンブルのこれまでの活動や、海洋プラスチックが再生された製品を展示。来場者が海の環境問題を身近に感じられる内容となっている。

また、展示コーナーの隣には交流スペースを設け、スタッフや他の来訪者と自由に意見交換したり、海や環境について気軽に語り合える場を用意する。

同施設では見学するだけでなく、体験しながら学べる多彩なプログラムを実施予定だ。

週末を中心に開催する体験型ワークショップでは、海洋ごみを使った工作教室や科学実験、海の生き物や環境をテーマにしたゲーム・クイズなど、子どもから大人まで楽しめる企画を予定。

例えば、実際に海岸清掃で集めたプラスチック片を素材に変えるまでの工程体験、家庭でできるプラスチック削減アイデアを学ぶワークショップ、トークセッションなどを計画している。

プログラムは、環境の専門知識がなくても参加できる内容となっており、遊び感覚で取り組む中で自然と海洋環境について学べるよう工夫されている。誰もが参加可能で、特に子ども向けのプログラムを充実させることで、次世代に海を大切に思う気持ちを育んでいく。

同施設は、単なる展示施設にとどまらず、市民とともに海洋ごみ問題について考え行動するコミュニティハブとして機能していくことを目指す。

オープン後は定期的にテーマ別の勉強会やゲストスピーカーを招いたトークイベント、交流会なども企画し、海洋ごみ問題をきっかけに人々がつながるネットワーク作りを推進していく。

また、学校との連携イベントや出張授業なども視野に入れ、幅広い年代へ海洋環境保全の輪を広げていく予定だ。

そして、この神戸拠点での取り組みをモデルケースとして、今後他地域での拠点展開や地域コミュニティとの協働を広げ、日本各地で海洋環境教育の輪を広げていきたいと考えている。

将来的には、多くの市民が自発的に海岸清掃やプラスチック削減に取り組む文化の醸成や、企業・行政とも連携した地域ぐるみの海洋ごみ削減プロジェクトにつなげていくことを目標としている。

住みびらきの家ケレケレ城戸さん家族

神戸拠点リーダー：城戸和美氏

「住みびらきのお家ケレケレ」は、フィジー語で「分かち合い」を意味する「ケレケレ」の名のもと、2020年よりシェアハウス、シェアキッチンなど多彩な事業を通じて“住まいの一部を地域に開放する”取り組み(住みびらき)を実践している。

農業・食・教育・環境をテーマに、人と人、人と自然がゆるやかにつながる場づくりを目指しており、地域住民や子育て世帯に開かれた交流イベントも多数開催中だ。

今回の協働では、その温かな地域コミュニティ基盤を活かし、環境問題を身近に学べる新しい場の創出に貢献する。

海と人、人と人とがつながり合い、楽しみながら学び合える場となる新施設に注目したい。

■NPO法人クリーンオーシャンアンサンブル神戸拠点(仮称)
所在地：兵庫県神戸市北区山田町下谷上字西畑11

(Higuchi)