「船橋市総合教育センター」に隣接する「プラネタリウム館」は、子どもから大人までが楽しめるプログラムを有する施設だ。
2024年7月に館内を全面リニューアルして、より鮮明に星々が再現されるようになったというプラネタリウムと館内展示について、地元在住ライターの筆者が紹介しよう。
2024年に全面リニューアル
夜空に輝く、春のスピカ、夏の大三角形、柄杓の形をした北斗七星……先人の思いが込められた星座とそれに込められた物語は、今もなお人々を魅了してやまない。常に頭上にある星空は、見上げるだけでもどこか神秘を感じられるものでもある。
そんな星空を手軽に、確実に観察できるのがプラネタリウムだ。散歩がてらに足を延ばせる場所にないかな、と思ったときに「あったじゃん!」と思い出したのは、船橋市街地からバスで約10分、徒歩約10分のところにある「船橋市総合教育センター プラネタリウム館」。
昨年、全面リニューアルして一層鮮明な星空を楽しめるようになったとのことなので、さっそく訪れてみた。
観て・触って学ぶ展示コーナー
「プラネタリウム館」へのアクセスは幾通りかあるが、今回はアクセス性が高いJR船橋駅からバスを利用することにした。JR船橋駅北口を出て正面、ペデストリアンデッキを上って左手に見える「バスのりば」の看板を目印に下ればバスターミナルに到着する。
3番のりばで「北習志野駅」行きのバスに乗ったら約10分、「船橋警察署」で下車したのち徒歩で約10分で「プラネタリウム館」に到着だ。バス停からの道順は、ポイントごとの写真付きマップを公式サイトの「アクセス」にて確認することができる。
当日もこの道順を頼りに徒歩で向かったのだが、これがとても分かりやすく、地図が苦手な筆者にとっては大変ありがたかった。境内に桜が咲く神社など、久々に季節の風景をじっくり楽しむ機会にもなり充実した道中だった。
季節柄、「プラネタリウム館」敷地内の桜も咲いていた。
「プラネタリウム館」は、「船橋市総合教育センター」と隣接しているので、遠目にはこちらの建物を目印に向かう方が分かりやすいだろう。
入館してすぐの展示ホールでまず目に飛び込んでくるのは、壁一面の「銀河眺望ディスプレイ」。観測データに基づいた銀河の壮大な光景を再現しているディスプレイでは、星座の瞬きを観覧できる。
「銀河眺望ディスプレイ」左側にある「星空映像ディスプレイ」には、星雲や星団のほか宇宙にまつわる映像が流れている。まばゆいばかりの星雲・星団は、隣接する「船橋市総合教育センター」の8階「天文観測室」の望遠鏡「MEGASCOPE-400」で実際に観測できるものだそう。
宇宙や星のことをもっと知りたい、という知識欲を満たしてくれるのは、天文学の歴史を動画で紹介するコーナー「宇宙にまつわる発見と挑戦の歴史」。ディスプレイに表示されているもくじから好きなコンテンツを選んで、約3分の解説動画を視聴しながら学ぶことが可能だ。
太陽系惑星の軌道を学べるのは「動く太陽系模型」。各惑星のボタンを押すと、対象惑星が点灯しながら太陽を周回する。太陽・惑星間の距離や軌道が分かりやすく目視できる。
100万個以上もの星を投映する超小型プラネタリウム内蔵で、世界的に他に類を見ないという「光るプラネタリウム天球儀」も。天球儀に映し出される美しいオーロラや星座を楽しめる。
こちらは、36年間にわたって美しい星空を映し出してきた旧投映機の「GN-AT型」。「コスモくん」の愛称で親しまれ続けたが、備品調達困難などの理由から惜しまれつつも引退となった。展示ホールでは、「コスモくん」の実機を間近で見ることができる。
新投映システムで天の川もよりリアルに美しく再現
「コスモくん」に代わって、2024年7月から導入された新投映システムが「パンドラⅡEX・ハイブリッド」だ。その最大の特徴は、光学式プラネタリウム「パンドラⅡEX」と、全天周デジタル映像システム「バーチャリウムX」を融合した「ハイブリッド・プラネタリウム(※)」ということ。
※「ハイブリッド・プラネタリウム」は五藤光学研究所の商標登録

投映イメージ。画像提供 五藤光学研究所
「パンドラⅡEX」により、従来よりも投映できる星の数が格段に増えたことで、天の川も一層精細に再現されるようになった。さらに、光源がLEDになったことでよりリアルに近い星の色も楽しめる。

投映イメージ。画像提供 五藤光学研究所
「バーチャリウムX」は、4K解像度の高精細映像で千葉県各地を俯瞰しながら宇宙への視点移動が可能。さらには、138億光年までの深宇宙の姿まで再現できるようになった。
そんな「パンドラⅡEX・ハイブリッド」による投映プログラムは、子ども向けから一般向けまでをラインアップ。子ども向けプログラムでは、人気アニメのキャラクターが宇宙や星にまつわるストーリーを繰り広げる。投映プログラムは定期的に変更するので、スケジュールや内容などについては公式サイトで最新情報をチェックしてみて。
プラネタリウムで見る、船橋の今夜の星空

投映イメージ。画像提供 五藤光学研究所
「プラネタリウム館」で筆者が個人的にイチオシ!したいのは、前述の上映プログラム前に行われる生解説。代表的な1等星や星座の解説も興味深かったが、何より、船橋市の星空が投映されるのには感激した。しかも、その星空は何と「当日の星空」を予測して投映されるのだ。ちょっとした宇宙未来旅行気分を、身近な星空とともに味わえるまたとない機会なので、ぜひ体験してみてほしい。
惑星が見頃を迎える時期など、天体ショーをチェックしてから「プラネタリウム館」で船橋の星空観賞、という楽しみ方もできそうだ。
リニューアルにともない、座席もゆったりと幅広いものへと改修された。三番瀬海浜公園から望む海をイメージしたという、座席のブルーのグラデーションはどこか心を落ち着かせてくれるものだった。
実際の星空観測に興味があるなら、月1回開催の「星を見る会」に参加するのも良いだろう。対象者は幼児以上の船橋市民限定となるが、月や惑星を観望する絶好の機会だ。開催日には、8階「天文観測室」の望遠鏡での観望も楽しめる。
ボランティアスタッフが望遠鏡の使い方などのサポートをしてくれるので、初心者でも安心だ。
忙しい毎日を過ごしていると、夜空を見上げて星を眺めることを忘れがち。今、自分が見ているのは何百年、何千年前の光なんだろう。あの星座に古代の人はどんな思いを込めたのだろう。
そんな思いとともに「プラネタリウム館」で時間を過ごせば、日常の悩みや疲れをひととき忘れることができそうだ。
■船橋市総合教育センター プラネタリウム館
住所:千葉県船橋市東町834
営業時間:9:00~17:00
定休日: 月曜日・祝日
※ 一般投映は土日のみ
観覧料:一般500円/高校生250円/小中学生120円/幼児60円、船橋市在住の中学生以下は無料
詳細:https://www.city.funabashi.lg.jp/shisetsu/bunka/0002/0002/0001/p011085.html
(Kanako Aida)
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