埼玉県さいたま市で野菜の品種改良を行う「トキタ種苗」が開発し、国内で急激に栽培面積が伸びている白なす「とろ~り旨なす」の本格出荷が始まる。
栽培面積3倍以上に増加「とろ~り旨なす」
これまで約60年にわたり、国内で流通するナスは「千両二号(長卵型)」、「筑陽(長ナス)」の2品種が市場のシェアのほとんどを占めていたという。
地域ごとに伝統品種のナスはあるものの、スーパーで一般的に見かけるナスのほとんどが、この2品種。しかし近年、そのナス市場に異変が起きているという。
ナス市場に変化を起こしたのは「プレミアムなす」と呼ばれる品種。トキタ種苗の「とろ~り旨なす」は、白くて大きく、ふっくらした見た目。紫色のナスと比べると食味がまったく異なる。
加熱すると、とろっとした食感で白子のような舌触り。「とろ~り旨なす」は、この5年で栽培面積が3倍以上に増えているそう。
7月より本格出荷開始
「とろ~り旨なす」は、外皮が白い「白なす」であり、さらに「とろ~り食感」「ナス独特のクセが少ない」といった特徴をもつ。これらの理由から、「従来のナスより高価格で売りやすい」「ナスが苦手な人にも食べてもらえる」と、ナス生産者から注目集めている。大手外食産業もその味わいに注目しており、2024年は大手外食チェーンの一部地域で採用された。
今シーズンは、2024年より多くの「とろ~り旨なす」が全国で栽培されている。また、7月より群馬産の出荷が最盛期を迎えるため、スーパーや外食で「とろ~り旨なす」を見かける機会が増えるだろう。
新しい野菜などを多数開発
1917年創業のトキタ種苗は、本社を埼玉県さいたま市に、研究農場を埼玉県加須市に構える。野菜の品種改良と種苗の販売を手がける企業だ。
ミニトマトや一本ネギ、コマツナなど一般的な野菜をはじめ、 国産化を目指している「ラディッキオ(トレビス)」、サラダをはじめとする万能野菜「カリーノケール」やスティックカリフラワー「カリフローレ」などのイタリア野菜、宅配需要に応えたミニ野菜など、珍しい野菜や新しい野菜などを多数開発している。
60年間不動の人気2品種から、ナス多様性の時代へ!栽培面積拡大中の「プレミアムなす」として、7月より本格出荷が始まる「とろ~り旨なす」をチェックしてみては。
(江崎貴子)
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