【石川県七尾市】能登半島地震で被災した田鶴浜を伝統建具で再生へ。活動資金募るクラファンに挑戦

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地震から間もない田鶴浜の街並み

たつるはま未来会議は、能登半島地震で被災した田鶴浜駅の再生と古民家修復を通じ、地域文化と暮らしを未来へつなぐための活動資金を募るクラウドファンディングを、6月30日(月)よりREADYFORにて開始した。

田鶴浜駅の跨線橋の再生

現在の田鶴浜の街並み

能登半島地震の発災から1年半。伝統建具の産地として知られる石川県七尾市田鶴浜地区では、震度6強の揺れによって多くの木造家屋が倒壊し、まちの象徴でもあった美しい格子戸の町並みや木の香りに満ちた風景が一変した。

この状況を受け、地域住民と震災を機に集った復興支援メンバーらによって結成されたたつるはま未来会議は、震災によって街並みが失われたとしても、必ずこのまちを取り戻すという強い気持ちを胸に立ち上がった。


第一の取り組みは、のと鉄道・田鶴浜駅にある跨線橋の再生。


この場所は、学生が通学する際に日常的に利用されるだけでなく、まちの第一印象を形づくる「玄関口」でもある。


震災で解体された家屋から救い出された古い建具や、職人による長年の技術が詰まった建具・組子の試作品などを再構成し、跨線橋の内装に使用。


能登ヒバをはじめとした地域材と組子の伝統技術を用い、木材同士が接着剤を使わずに支え合いながら美しい模様を描く、「光と香りと記憶のトンネル」を創り出すという。

職人・地域住民・学生など多様なメンバーが連携して施工を担うことで、文化の継承だけでなく「震災後の希望の象徴」として、田鶴浜の再生を視覚化するプロジェクトとなっている。

文化的価値の高い古民家を再生


同時に進められているのが、明治時代に建てられた文化的価値の高い古民家の修復と、その活用によるコミュニティハウスの整備。この家屋も震災で甚大な損壊を受けたが、町の歴史を語る重要な拠点であるため、保存・利活用が強く望まれてきた。

利活用に際しての図面起こし・モデリング作成(立命館大学・宗本研究室作成)

再生後は、子どもたちが地域の大人や地域外の人々と出会いながら、震災復興や地域文化への関心を育める「学びの場」として活用されるほか、高齢者の居場所、移住者との交流の拠点、観光客向けの文化体験拠点としても展開予定。

建物の改修には、地元建具職人の技術が活かされ、建具文化の継承と暮らしの再生が同時に進むことがこのプロジェクトの特徴だ。

クラファン概要と今後の予定


クラウドファンディングの支援者には、震災で倒壊した鐘楼に使用されていたケヤキ材を活かしたシリアルナンバー入りの掛時計や、組子細工を自宅で体験できるコースター制作キットなど、田鶴浜らしさに触れられる返礼品を用意している。


また、地元の人々が行う「よばれ文化(来訪者を地域の行事に招き入れる風習)」を体験できる、七尾市の獅子舞や春の大祭への参加型返礼もラインナップ。地域の「にぎわい」や「ぬくもり」を、支援者と共有できる時間を用意している。

クラウドファンディングは9月28日(日)までの予定。たつるはま未来会議は、クラウドファンディング開催に際し、以下のようにコメントしている。

「田鶴浜のまちは人々の記憶を大切にしながら、震災からの一歩一歩を積み重ねています。本プロジェクトでは、クラウドファンディングを通じて全国の皆さまと共に再生をかたちにしていきたいと考えています。ぜひ一度、プロジェクトページをご覧ください。ご支援のほど、心よりお待ちしております。」

今後の予定

田鶴浜駅跨線橋の装飾工事は11〜12月中に完了し、年末にお披露目イベントの開催を予定している。コミュニティハウスについては2026年度中の着工を目指しており、住民参加型の運営体制を整備しながら、復興のその先を見据えたまちづくりの起点でありながら中心となることを想定している。

たつるはま未来会議の活動内容

たつるはま未来会議は、令和6年能登半島地震によって甚大な被害を受けた田鶴浜地区の復興と未来づくりを目的に結成された。地元の10~50代の住民や、震災を機に関わるようになった外部支援者・専門家などからなる。

現在は、のと鉄道・田鶴浜駅の跨線橋を伝統建具で再生するプロジェクトや、明治期の古民家を地域の学びと交流の拠点に再生する活動、地域文化の継承・記録の取り組みなどを展開している。

能登半島地震で失われた「木の香りでにぎわうまち」田鶴浜地区再生のためのクラウドファンディングを応援してみては。

READYFOR:https://readyfor.jp
プロジェクト名:【 のと復興・田鶴浜 】建具のチカラで町づくり!歴史と文化を継いで

(yukari)

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