石川県鳳珠郡能登町のふくべ鍛冶は、能登半島地震で大切な物が傷つく光景を目の当たりにした経験から、「モノを長く使う心を育みたい」という想いで、「世の中の道具の困ったを良かったに変える」をコンセプトにした修理プラットフォーム「DAIJINI(大事に)」を7月9日(水)にローンチした。
大切な道具と専門の職人を繋ぐサービス
ふくべ鍛冶は、明治41年の創業以来、野鍛冶として農具や漁具の製作・修理や刃物の研磨・鍛造を生業とし、専門道具を扱う能登の一次産業を支えてきた。地域を支える道具に関わり、人の心を動かすことができるような鍛冶屋を目指している。
同社は「モノを長く使う心を育む」を合言葉に、新たに包丁研ぎ宅配サービス「ポチスパ」を開始。日々全国の家庭から届く包丁を研磨・修理していた中で、能登半島地震に遭った。震災を機に地元では、包丁以外にも地震で傷付いた漆器など「思い出の品を直したい」というニーズを目にすることが多くなった。そのため、「ポチスパ」の既存システムを使って他分野の道具も修理できるのでは?と考えたという。
大切なあらゆる道具と、それぞれの専門の職人を繋ぎ、「モノを長く使う心を育み未来に繋ぎたい」という思いで有志が集い、生まれたのが「DAIJINI」。美容鋏や包丁、輪島塗などの修理したい道具を、注文後に届く専用の箱に入れて送るだけで、手軽に職人によるメンテナンスを受けることができるサービスだ。
気軽に遅れて専門の職人に修理を依頼できる
「DAIJINI」は、注文後に届く箱に、修理対象の道具を入れてポストに入れるだけというシンプルな手順なので、幅広い年齢の人が利用することができる。
受け付けているのは、「美容鋏メンテナンス」「まな板削り」「輪島塗り修理・再生」「包丁研ぎ」の4種で、それぞれ専門の職人が修理を施し、返送される。

錆や欠け、歪みもすべて直してくれる
「包丁研ぎ」を手がける同社はは、受け継いだ技術で、刃物をスパッと切れ味良く仕上げ、信用と実績、そして感動を届けるとしている。納期の目安は約1週間(専用BOXをポストに投函してから約1週間で届く)、1本3,000円~。
「美容鋏メンテナンス」を手がけるユウコークラフトは、大阪にてハサミ職人として修業を積んだ後、大手ハサミメーカーを経て2012年に独立した。今まで累計で50,000丁以上のハサミを世に送り出してきた。
メンテナンスが必要なハサミは、新品とは違い劣化や研ぎによる減り・変形など、個体により様々な状態に変化しているもの。まずはその個体のポテンシャルを最大まで引き出し、求められる切れ味のイメージを再現することにこだわる。納期の目安は約1週間、1本5,000円~。
「まな板削り」を手がける杉本木工々房は、まな板削りから木工製品の制作など「木のスペシャリスト」として依頼を受けてきた。まな板削りでは、表面をわずか1~3mm削ることで、傷や汚れを落とし、購入時の木の美しさを何度も感じられるようなメンテナンスを心がけている。納期は約1週間、1枚6,000円~。
「輪島塗り修理・再生」を手がける田谷漆器店は、1818年に創業以来、輪島塗の伝統を守り続ける輪島塗工房。熟練の職人が、大切な器を末永く使用できるように、傷んだ漆器の修理や再生を丁寧に行ってくれる。納期の目安は約3カ月、1個12,000円~。
修理という文化を日常に取り戻す
「DAIJINI」は、「大切なモノを手放すのではなく、手をかけて未来へつなぐ」という価値観に共感するすべての人に向けて、修理という文化を再び日常に取り戻すことを目指している。
今後は、革製品や陶磁器、時計や家具など、さらに多様なジャンルの道具を扱えるよう対象分野を拡大していくとともに、全国各地の優れた職人との連携を深めることで、地域に根ざした技術の承継や新たな雇用の創出にも貢献していくとしている。
単なる「修理サービス」にとどまらず、「暮らしの文化資産を未来に繋ぐプラットフォーム」として、これからも進化を続けていくといいことだ。
「DAIJINI」の修理サービスを利用して、大切なものを末長く使ってみては。
DAIJINI 公式サイト:https://daijini.com
ふくべ鍛冶 HP:https://fukubekaji.jp
Instagram:https://www.instagram.com/fukubekaji
(山本えり)
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