
先日の参議院選挙にて、東京選挙区で初当選を果たした参政党の新人議員「さや」氏が話題ですね。
2025年7月23日、参政党は公式サイトを更新し、さや氏の本名を「塩入清香(しおいりさやか)」と急きょ公表しました。
この発表は、当選からわずか3日後のタイミングで行われました。
党の公式ホームページによると、「当選という結果を受け、当初皆さまにお約束させて頂いたとおり、国会議員としての公的責任を果たすうえで必要不可欠」との考えのもと発表に至ったといいます。
一体どういうことなのか。詳しく検証していきましょう。

出典元:日本経済新聞
1.さや紹介
ここで、改めてさや氏のご紹介です。

出典元:読売新聞
公式プロフィールによるとさや氏は、青山学院女子短期大学を卒業後、ジャズシンガーとして活動。
その傍ら、「シンガーソングキャスター」として保守メディアでのMC・キャスターにも従事してきた人物。
ちょうどその頃から、政治に関心を持つようになり、さまざまな論客と接点を持つようになったようです。
元航空幕僚長・田母神俊雄氏が2014年の東京都知事選挙に出馬した際、田母神ガールズの一員として活動。

ちなみに、この選挙ではのちに田母神陣営の違法な選挙資金問題が発覚。
その際さや氏は、田母神の人柄や主張に共感し自発的に選挙応援に加わったとして、自身は報酬を受け取っていないことを明言した、という過去も。
2.”みんなのお母さん”で支持を広げた選挙戦での躍進
今回の参議院選挙で、大躍進を遂げた参政党。
さや氏は、参政党公認で東京都選挙区(改選数7)から立候補し、東京選挙区で見事トップ当選を果たしました。

出典元:集英社オンライン
さや氏の主な訴えは以下の通り。
・食の安全、無添加食品の推進
・子どもたちの教育改革
・反グローバリズム
とりわけ話題になったのが、「私をみなさんのお母さんにしてください!」というフレーズとともに広まった”庶民派のお母さん“戦略。
これが功を奏し、特に女性や主婦層から強い支持を集めたのです。
3.参政党による、さや氏の本名発表の裏側
投開票された7/20のわずか3日後、7/23に参政党は公式サイトを更新。
「参政党参議院議員さやの本名につきましてのご報告」とし、「さやの本名は『塩入清香(しおいりさやか)』と申します」と公表しました。
公式サイトによると、選挙戦に於いて、シンガーおよびキャスターとして長年親しまれた『さや(saya)』という名前で出馬することで、多くの方々に覚えていただきやすいという戦略的な理由があった、と説明。

出典元:参政党ホームページ
また、本名公表を控えていたもうひとつの理由として、さや氏の家族の健康状態を考慮していたことも挙げています。
家族は重い心臓疾患を抱えており、選挙期間中に想定される取材や過度な関心が、心身の負担となることを強く懸念しておりました。
しかしながら、今回当選という結果を受け、当初皆さまにお約束させて頂いたとおり、国会議員としての公的責任を果たすうえで必要不可欠と考え、遅ればせながらこのように正式にご報告させていただく次第です。
とその経緯を説明しています。
4.見えてきたさや氏の結婚の背景や夫の素性
前述の”庶民派のお母さん“戦略がしかし、根底から覆ってしまうような事態が起こってしまいます。
7/23に参政党が公式サイトを更新したのと時を同じくして、図ったかのように文春砲が炸裂したのです。
報じられた結婚の事実とその理由
週刊文春が報じた内容は、大きく以下の3点でした。
■ さや氏は実は既婚者だった
■ 夫は、22歳も年上の著名なピアニスト、塩入俊哉氏
■ そして、その結婚は”不倫略奪婚“ではないかという疑惑
ではなぜ、選挙期間中に本名や結婚の事実を隠していたのか、という疑問が湧いてきますよね。
SNSでは「「塩入清香」という本名と夫・塩入俊哉の名前が結びつくことで、このスキャンダルがバレるのを恐れたからだ」という指摘が相次いでいます。

有権者を騙して当選したなら辞職すべき

批判はさや氏個人だけでなく、こんな人物を擁立した参政党そのものに向けられるべき
明かされた夫の正体と「略奪婚」の真相
ここで塩入俊哉氏の紹介をしましょう。
塩入俊哉氏は1960年6月22日生まれの65歳(2025年7月現在)。

出典元:塩入俊哉公式HP
故・西城秀樹氏や稲垣潤一氏といった日本を代表するアーティストの音楽監督を務め、羽生結弦選手や高橋大輔選手らのアイスショーでの演奏も担当するなど、その実績は華やか。
まさに「スター音楽家」の名にふさわしい経歴を誇る人物です。
塩入俊哉氏が自身のSNSで明かしている通り、さや氏との音楽的関係が2006年に始まったこと、そしておよそ20年にわたり継続してきたことが伺えます。
そもそも塩入俊哉氏に関して、さや氏はこれまで多くの“匂わせ”を投稿していました。
選挙前の6/23には、
音楽の師匠日本を代表するピアニストの 塩入俊哉さんから激励の言葉を賜りました 塩入さんから教わった、人の悲しみを癒すこと、人の心に寄り添うこと、自分に向かい合うこと、音楽家の魂を政治の世界にも反映できるよう、この夏を全力で駆け抜けてまいります!
と投稿。ピアノを弾く塩入氏をドレス姿のさや氏がうっとりと見つめるステージショットを公開しています。

出典元:NEWSポストセブン
2023年12月には、スカート丈の短いサンタ服で登場し、塩入氏のピアノ演奏とともに歌声を披露。
翌24年には「saya×塩入俊哉クリスマスコンサート」として、告知には同じくサンタコスの写真を公開しています。
ファンはこうした一連を「気心知れた師弟の関係」と受け止めていましたが、今回の報道を受けて「実は公開イチャイチャだったのか?」との認識に変わっているのです。
百歩譲って、明かさなかっただけで結婚していたことそれ自体は別に罪にはならないだろう、という認識にはなりますよね。
ただ最も問題なのが、さや氏が2008年時点で既に妻子ある塩入俊哉氏と知り合い、2020年に再婚していたという点なのです。
文春は、当時の妻は俊哉氏の女性関係を疑っていたことも報じています。
なんなら2006年当時、塩入氏には妻子がいたという指摘もあるよう。
これを受け、SNS上では様々な声が噴出。

えーーー 不倫略奪婚した女が東京都民のお母さんなの? 子供苦しめといて?? 倫理観バグりすぎやん

“家庭を守る”と言いながら他人の家庭を壊していたのか

参政党は伝統的な家族像を大切にする政党だと思っていたのに、当事者が不倫かい
などと、ドン引きする声で騒然となりました。
これを受け、さや氏は24日、自身のXのアカウントで
と反論する事態となりました。
5.今回の騒動や過去の発言から問われる、さや氏の政治家としての資質
今回の一連の騒ぎに於ける問題の本質は、単なる一個人の略奪婚や不倫問題ではない、という点です。
言行不一致の問題
さや氏の今回のスキャンダルは、参政党が掲げる理念そのものを根底から揺るがす、言行不一致である点にあるという問題です。
政治家であるさや氏が、言葉を使って政策を語るということは、有権者との責任ある契約に他なりません。
その言葉が虚構の基に成り立っているということになれば、有権者との信頼関係が根底から崩れてしまうことを意味しますよね。
公選法違反の可能性
さらに問題になりそうなのが、選挙活動において本名を意図的に伏せていたことが、有権者の判断を誤らせたとして、公職選挙法に抵触するのではないかという指摘です。
通称での出馬そのものは禁止されてはいませんが、結果的な構図として「塩入清香=塩入俊哉の妻」であることを伏せ、疑惑を回避する形で当選した点に問題がありそうです。
そもそも、参政党の憲法案「新日本憲法」は第13条5項で、議員だけでなく候補者の段階から「本名、帰化の有無、収支等の情報は公開される」と規定しています。
つまり、今回の”取材や過度な関心が家族の負担になると懸念したため”という弁解は通らないことになってしまいます。
実は、参政党のナンバー2と言われる鈴木敦氏も、7/23に妻ではない女性と銭湯施設の宿泊部屋で一晩を過ごした、という不倫疑惑の文春砲を食らっています…。

出典元:週刊文春
鈴木敦氏は自身のXにて、一連の報道を真っ向から否定しています。
しかし、タイミング悪くこうした報道が連発されたことも、党全体の倫理観が問われるという、より大きな問題に発展する事態となってしまいました。
過去の問題?発言
なお、さや氏は以前より、度々波紋を広げるような発言が取りざたされています。
日本テレビのYouTubeチャンネル「日テレNEWS」で公開された配信番組『投票誰にする会議~参院選2025東京選挙区~』に出演。
その際、日米安保条約を、日本が“用心棒”のアメリカに「みかじめ料」を払っている構造と捉えつつ、日本自身も独自の備えを持つべきだという主張を展開。
これについてSNSでは、

みかじめ料って…米国をヤクザ扱い?外交センスがなさすぎる

タブーにせず、議論するだけでも意味がある
など、賛否が分かれる形となっています。
また選挙期間中のインターネット番組で、安全保障政策を巡り「核武装が最も安上がりであり、最も安全を強化する策の一つだ」と発言。
立憲民主党の野田佳彦代表から「特に広島、長崎では絶対に受け入れられない発言ではないか」と批判され、参政党の神谷代表が参院選後のテレビ番組で「私はそういう発言はしませんね」と否定する事態に。
さらには、ロシアのプーチン政権がプロパガンダ(政治宣伝)に使っていると指摘されるロシアの国営通信社「スプートニク」に出演。
そこでインタビューを受けるなどし、参政党がロシアとつながっているという指摘やロシアの工作で急伸したという声が上がる、という波紋を呼びました。
これについても参政党の神谷代表は、選挙戦中のあのタイミングだったことと、正式なガイドラインに沿っていないことが問題、とたしなめる始末。
6.さや氏(塩入清香)まとめ
今回の一連の騒動で、さや氏自身のスキャンダル疑惑や過去の発言が、悪い意味でクローズアップされました。
しかしそれだけでなく、参政党そのものの体質や党全体のイメージにもその影響が及んでいます。

出典元:産経新聞
さや氏は今回の疑惑は真っ向から否定していますが、これを党としてどう処理するのか、またさや氏自身がどう説明責任を果たすのか。
先に述べた”みなさんのお母さん“というブランディングが揺らぐ事態にもなりかねません。
最近では、さや氏の後援会事務局の問い合わせフォームに
「さやを誘拐して包丁で刺し殺す」
「事務局を爆破する。銀行口座に送金しろ」
などの投稿が14件もあったとのこと。
本来大躍進だったはずの参政党が、この問題で凋落していってしまうのか。
さや氏自身も、今後の政治活動にどんな影響を及ぼされてしまうのか。
透明性と倫理性を持って、言動を改めていってほしいものです。