
Photo by Ryuhei Oishi
海洋プラスチックのアップサイクルに取り組むREMAREは、フィッシャーマン・ジャパンおよび住吉大社とともに、廃漁具をアップサイクルしてつくる絵馬「UMI-EMA(ウミエマ)」を共同企画した。
「UMI-EMA」は、7月21日(月)の「海の日」より、大阪府大阪市にある住吉大社にて販売中。売り上げの一部は海洋保全活動に寄付される。
海の課題に祈りを込めた絵馬
「UMI-EMA」は、海の課題に祈りを込めたアップサイクル絵馬だ。役目を終えた漁網などの廃漁具を原料とし、再生素材から生まれた絵馬となっている。
海や海の生き物たちが抱える課題を象徴する存在として制作されたもので、REMAREでは独自の技術でアップサイクルし、絵馬の素材を提供している。
絵馬は通常奉納されるが、近年では記念品や縁起物として手元に残す人も増えており、「UMI-EMA」も海とのつながりを日常に感じるきっかけとなることを目指している。
海洋環境が直面する5つの課題
絵馬のデザインには、海の生き物たちがそれぞれの“願い”とともに描かれ、手に取る人に気候変動・過剰漁獲・海洋ごみなど、海洋環境が直面する5つの課題について問いかけている。
「UMI-EMA」で発信する5つの海の課題は、「海洋プラスチックごみ(マイクロプラスチック含む)」「ゴーストギア(廃漁具)」「漁業と資源管理」「海水温の上昇」「磯焼け(海藻の減少)」だ。
海を漂うプラスチックごみは、ジンベエザメなどの海洋生物が誤って摂取してしまうなど、生態系に深刻な影響を与えている。
また、投棄・流出した漁具がウミガメなどの海洋生物を傷つける要因になっている。
クロマグロは過剰な乱獲により、2014年に絶滅危惧種に指定された。その後、資源管理や漁獲削減の努力により回復傾向にあるが、持続可能な漁業に向けた取り組みが引き続き求められている。
気候変動による海水温の上昇は、サケの生育や養殖に影響を与え、海の生態環境に大きな変化をもたらしている。
さらに、気候変動などの影響で海藻が減少し、魚のすみかや産卵場である「海の森」が失われ、海の生態系の多様性が脅かされている。
海洋保全につながる絵馬「UMI-EMA」のアイデアは、2024年に業務提携を結んだフィッシャーマン・ジャパンとREMAREが海の未来を考える企業連合「ブルーオーシャンイニシアチブ(BOI)」に参画し、10社を超える企業と一緒に一般の人々が海への意識を高めるきっかけや方法について議論を重ねるなかで誕生。社会全体を巻き込むムーブメントの創出を模索するなかで、絵馬という日本の文化に着目した。
このアイデアに、海の神様を祀る神社として、古くから航海や漁業に関わる人々の信仰を集める住吉大社が賛同したことで、「UMI-EMA」が実現することになった。
海のごみを再生可能な資源に
REMAREは2021年の創業以来、「海のゴミや海洋プラスチック問題、山に捨てられた漁業ゴミの実態を解決したい」という想いのもと、アップサイクル製品を開発・製造してきた。
廃棄プラスチック100%のアップサイクル技術を活かし、今回の「UMI-EMA」でも、廃漁具を再活用して絵馬を製作。従来の木材ではない、新たな形の絵馬が誕生した。
海に漂うプラスチックは、「ゴミ」や「環境汚染」の象徴として、負のイメージに捉えられることが少なくない。しかし、私たちの身の回りには多様なプラスチックが存在し、現代社会に不可欠な素材となっている。
REMAREは、こうした廃プラスチックを“再生可能な資源”と捉え、今回の絵馬や建材、インテリア製品として「燃やさず、埋め立てず、社会に貯蔵する。」という考えのもと、資源の新たな可能性を広げている。
住吉大社に立ち寄った際は、廃漁具から生まれたアップサイクル絵馬「UMI-EMA」を手に取ってみては。
UMI-EMA特設サイト:https://umi-ema.com
(さえきそうすけ)
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