関西圏で加速する坂ノ途中の挑戦。オーガニック野菜インショップ展開が10店舗を突破

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阪急オアシス 箕面船場店


環境負荷の小さな農業の普及をめざす坂ノ途中が、スーパーマーケットでの出店を加速させている。農薬や化学肥料を使わず育てられた野菜の販売を強みに、関西圏を中心とした展開を進め、デイリーカナートイズミヤ千本北大路店と千本中立売店のオープンをもって10店舗を突破した。

多くの野菜を新鮮なうちに届ける体制


坂ノ途中は、西日本を中心に全国約400軒の生産者と提携し、年間500種類以上の野菜を取り扱っている。生産者と直接取引をしているため、多くの野菜を新鮮なうちに届ける体制を築いている。

提携農家の約8割は新規就農者であり、若手農業者の活動を支える役割も担っている。

生産者と直結した新鮮な野菜

阪急オアシス 宝塚南口店

この強みを生かして、2019年に、商業施設内に独立した店舗として売り場を設置するインショップ事業をスタート。さらに、2022年からは、利用者の視覚に訴えるVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)の手法を取り入れたコーナーづくりを進めた。

その結果、同店での売上は2年で約8倍に拡大。陳列方法やポップの配置の工夫など、ここでの学びを活かして他のスーパーマーケットにも展開し、このたびデイリーカナート イズミヤ千本北大路店、千本中立売店でインショップ開設11店舗目を迎えることになった。

高まるオーガニック需要と取り組み

昨今、環境問題への関心から、環境に負荷をかけずに生産されたオーガニック製品を取り扱う風潮が高まっている。

農林水産省が策定した「みどりの食料システム戦略」(※1)に基づき、有機農業を地域ぐるみで推進するオーガニックビレッジに取り組む自治体も増加(※2)。2024年12月時点で131市町村が参画し、当初目標を前倒しで達成している。

こうした流れの中で同社は、日常生活の導線にインショップを設け、VMDをひと工夫することで、もともとオーガニック食品や有機農業への関心が薄かった層にも認知拡大や購入につなげている。幅広い消費者に坂ノ途中の野菜を届け、環境負荷の小さな農業の普及を目指して、さらなる加速を図っている。

インショップ事業リーダーの声


インショップ事業リーダーの中川元斗氏は「私は古着などニッチな商材を取り扱う仕事の経験があり、見せ方と売り方を工夫して、顧客目線での魅力的な売り場づくりに取り組んできました。そのため、インショップ事業の、商品ラインナップから売場デザインに至るまでお任せいただけ、お客さまとの接点を細部まで設計できる点に、大きな可能性を感じています。オーガニック野菜が「特別なもの」でなく、日常の選択肢のひとつになることを目指し、お客さまの食生活をイメージしながら、使用頻度の高い定番野菜からその季節にしか味わえない旬の野菜まで、幅広く取り揃えるようにしています。この取り組みが他地域、他流通へのモデルケースとなり、オーガニック野菜の流通拡大につながるよう、売場づくり、運営体制ともにさらに磨きをかけていきたいと考えています。」とコメントしている

法人事業の成長

坂ノ途中の法人事業部は全国の飲食店や小売店への卸売を行うほか、関西圏では関西フードマーケットと連携したインショップ事業も展開。2025年4月には法人向け注文システム「やさいノート」の新サイトをリリースした。

従来の営業スタイルのほかに新たなタッチポイントをつくることで新規顧客の獲得を進め、法人事業の売上は2021年〜2025年の4年間で3倍に成長している。

坂ノ途中の歩み

坂ノ途中は、環境負荷の小さい農業を実践する生産者の増加を目指し、農薬や化学肥料不使用で栽培された農産物の販売を行っている。「坂ノ途中の研究室」では、自治体や大学、企業と連携した調査や研究、就農希望者向けの研修などを実施。

京都市「これからの1000年を紡ぐ企業」、経済産業省「地域未来牽引企業」、J-Startup Impact選出など多くの受賞歴を持ち、「行政との連携実績のあるスタートアップ100選」にも掲載された。

オーガニック野菜を日常に根付かせる坂ノ途中の挑戦に、注目してみては。

坂ノ途中 公式サイト:https://www.on-the-slope.com/corporate

※1 2021年に農林水産省が、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現することを目的に策定。(https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/#Midorisennryaku)
※2 「オーガニックビレッジ宣言」に取り組む自治体は、令和6年12月時点で131市町村。農林水産省が掲げた令和7年までに100市町村の目標を前倒しで達成(農林水産省. (2024). 「令和6年度取組地区一覧」:
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/attach/pdf/organic_village-87.pdf)

(丸本チャ子)

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