おかえりが、日本国内の放置竹林を活用して和紙の封筒をつくるプロジェクト「BambooLetter」を発表。2月4日(火)~3月16日(日)の期間、For Goodにて、クラウドファンディングを実施中だ。
様々な問題を引き起こす放置竹林
日本国内にはさまざまな地域に多数の竹林が存在。その多くは管理環境に置かれずに生育しており、放置されて育った竹林は、隣接する森林に影響を及ぼしたり、土砂災害の原因となったりするなどの問題を引き起こすとされている。
近年では、日本全国に新たな伐採および管理の担い手が現れ、その問題の解消の取り組みを始めている。
おかえりは、2021年より竹のトイレットペーパーの事業を展開。創業当初より放置竹林の問題に対峙し、日本国内の竹を活用した日用品の開発を模索してきた。そして今回、デジタル化された社会の中でもいまだ活用されている封筒に着目し、放置竹林の活用の一助となることを目指して、日本国内の放置竹林を活用して和紙の封筒をつくるプロジェクト「BambooLetter」をスタートした。
放置竹林を使用して、封筒とポチ袋を制作
「BambooLetter」では、長野と山梨の放置竹林を使用し、岐阜の美濃和紙の和紙メーカーの協力のもと、2種類のプロダクト、封筒とポチ袋を制作。
封筒は長3(定型)のサイズで「竹柄」と「無地」の2種類、
ポチ袋は「竹結び」「竹柄」「竹パターン」の3種類をつくる。
商品開発の過程では、竹のトイレットペーパーを利用している生活者にアンケートを実施。その中で集まった声をプロダクトの設計に取り入れた。
通常は廃棄される損紙も活用
また、プロダクト制作には廃棄される放置竹林と、美濃和紙の工場で廃棄され、流通にのることのない損紙(そんし)を原材料として、抄かれた紙を使用し、アップサイクルを実現。抄紙(しょうし)でも損紙を出してしまうが、この損紙は、梱包材(封筒)やメモ紙に活用される。
さらに、クラウドファンディングのリターンの一部(先着)は、損紙の竹でつくった封筒で郵送し、極力資源を節約。ビニール袋に入れてセットで販売されることが多い封筒だが、今回はそのビニール袋を使わずに、竹の封筒あるいは段ボールにそのまま入れて届けるという。
プロジェクトに関するメッセージ
今回のプロジェクトに関して、地域の竹を活かして竹細工・竹仕事でライフワークをつくる鎌倉竹部・樋口純子さんは、「廃棄されてしまうもの、活かされなくなってしまったものに目を向けて、暮らしと繋ぐ取り組み、応援しています!竹は、今はわたしたちの暮らしにとって欠かせないものではなくなってしまいましたが、目を向けてみると今も身近にある存在です。繁殖力が強く本来は人との共存が必要で、『放置竹林』と呼ばれるものを作りだしてしまったのは、ある意味、わたしたち(人間)ではないかと思います。自然、暮らし、地域が気持ちよく繋がり、相互関係の上に成り立つ未来を考えるきっかけに『BambooLetter』が広がっていったらいいなと思います」とコメント。
丸重製紙協同組合・辻将之さんは、「竹は古来より書道向けに適した素材として紙に使われてきました。私共も、通常使う原料として竹パルプは慣れておりますが、海外産の輸入パルプになります。今回は国内の放置竹林を活用し、『環境』を目的としたプロジェクト。和紙の産地、美濃でも放置され荒れた竹林は至るところにあります。紙は基本的には資源を消費しエネルギーを必要としますが、このプロジェクトは紙を抄くほど環境を整え、資源を有効活用できると感じ前向きに協力させていただきました。紙の消費量は年々減っておりますが、目的が消費では無く、環境を整備する為であれば、紙の未来も変わるかもしれません。ぜひこのBambooLetterで、日本の紙の可能性を広げて欲しいですね」とメッセージを寄せている。
クラウドファンディングを通して、放置竹林を活用して和紙の封筒をつくるプロジェクトを応援してみては。
For Good:https://for-good.net
プロジェクト名:日本の放置竹林を活用して和紙封筒をつくろう BambooLetter
(佐藤ゆり)