東京都は、新しい時代を切り拓く人材を育成するため、小中学生にデジタル創作体験の機会を創出するプロジェクト「とうきょうこどもクリエイティブラボ(以下、くりらぼ)」を推進している。
今回は、「くりらぼ」の取り組みを中心に紹介していこう。
デジタル人材育成をサポートする「くりらぼ」
「くりらぼ」では、今後のデジタル社会を担っていく小中学生が、デジタルツールを使って、作りたいものを自ら考え、仲間と共に作り、遊びながら試行錯誤するデジタル創作体験を通じて創造性を育み、新しい時代を切り拓く人材の育成を目指している。
その中で東京都は、企業や団体、大学などが相互に連携して、子どもたちのデジタル創作体験の普及・拡大に取り組む「くりらぼネットワーク」を立ち上げた。
区市町村でデジタル創作体験の機会を創出
「くりらぼ」は、東京都内の区市町村において、デジタル創作体験の機会を創出している。
令和5年度に15区市町村で開始し、令和6年度は、26区市町村の協力のもと、より多くの子どもたちが参加できるように、児童館や図書館など身近な場所で実施している。
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区市町村でのデジタル創作体験作品例
各区市町村ごとに、オリジナルゲーム制作、ロボットの組み立てやプログラミング体験、アニメーション制作、YouTuber体験、楽曲の編集やオリジナル楽曲制作など、多彩なプログラムを展開中だ。
体験拠点「くりらぼベース」
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(※令和7年2月26日時点のレイアウト図)
「くりらぼ」は、2024年10月12日(土)、千代田区の「SuHi Tech Square(スシテックスクエア)」1F Spaceに、常設の体験拠点として、こどもデジタル創作体験基地「くりらぼベース」を開設。開場時間は、水曜日~金曜日が午後3時~午後7時、土日祝日が午前10時~午後7時で、最終入場は午後6時30分だ。
「くりらぼベース」は、事前申し込みなし&無料で体験できるため、放課後や週末にいつでも気軽にデジタル創作体験ができる。専門家のスタッフがいるので初心者でも安心だ。
施設内には、自由に使える8種類のデジタルツールで創作ができる「体験エリア」がある。「ゲーム制作」「イラスト制作」「映像制作」「音楽制作」「ロボット制作」「電子工作」「3Dモデル/3Dプリンタ体験」「レーザーカッター体験」に挑戦しよう。
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区市町村でのデジタル創作体験作品例
また、「くりらぼ」の取り組みを大人に理解してもらうための「展示エリア」も。ここでは、区市町村で展開する「くりらぼ」で子どもたちがつくった作品も紹介している。
まとめ
現代の子どもたちは、デジタルツールに触れる機会が多く、デジタル創作に興味を持つ子どもも少なくないだろう。そういった子どもたちへ、気軽にデジタル創作体験ができる場を提供する「くりらぼ」の取り組みに今後も注目したい。
デジタル創作体験に興味がある子どもたちは、「くりらぼ」の区市町村でのプログラムや、「くりらぼベース」に参加してみてはどうだろうか。
「とうきょうこどもクリエイティブラボ」URL:https://www.kids-digital.metro.tokyo.lg.jp
樋口千穂(ひぐちちほ)
東京都中央区在住のライター。月島散策が好きで、もんじゃだけではない「もんじゃストリート」の魅力の虜。