【青森県旧小泊村(中泊町)】小説「津軽」の像記念館も訪ねて。

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青森県旧小泊村(中泊町)

日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。

今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。

「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。

今回は、青森県旧小泊村(中泊町)を写真とともに紹介する。

Vol.406/青森県旧小泊村(中泊町)

五所川原市の旧市浦村から、日本海側を北上し、中泊町の旧小泊村へ向かった。ここには、太宰治にゆかりのある記念館がある。小説「津軽」の像記念館だ。まずは記念館へ向かう前に、市街地を通っていく。集落は車が横付けでたくさん並んでいて、道路脇そのものが駐車場の役割を果たしているのかもしれない。見事な快晴で港から見える海も美しく、小さな坂の起伏もあるまちだった。そんな小さな集落に、大きな看板で、小説「津軽」の像記念館の文字があった。屋外には太宰とタケの銅像が建っている。小説ではあるものの、太宰が幼少の頃に子守をしていたタケと再会する実話に基づいた場面が登場する。その再会の場所が、タケの暮らす小泊であったのだ。

旧小泊村へ

車が家の横に並列で停まっていた

坂もある

小説「津軽」の像記念館

太宰とタケの像だ

漁港もあった

龍飛崎へ向かう途中、深い霧に

館内は撮影禁止だが、撮影用のインスタグラムの枠付きパネルは置かれてあった。そのまま展示をじっくりと見る。小説「津軽」をまだ読んでいない不届き者であったけれど、太宰が描写する津軽の土地には染み入るものがあり、早速読みたくなったミーハーぶりであった。

記念館を出た後、龍飛崎を目指して険しい峠を登っていった。やがて、船の並ぶ漁港を通り抜け、非常に青々とした美しい日本海と緑の木々が広がる風景から、一気に霧の深い世界に一転した。この地域であれば普通のことなのだろうとも思うが、その変化の大きさには自然の厳しさを思うばかりである。

(仁科勝介)

写真家プロフィール

仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
仁科勝介公式Twitter:https://twitter.com/katsuo247
仁科勝介公式Instagram:https://www.instagram.com/katsuo247

  

  

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