【京都府舞鶴市】赤れんが博物館で企画展を開催中!ポーツマス市・サウスシー城のれんがなどを展示

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舞鶴市赤れんが博物館では、3月16日(日)まで、令和5・6年度に新たに収蔵した資料を展示する「令和6年度新収蔵品展」が開催されている。

赤れんが博物館について


赤れんが博物館は、明治36年に建設された旧舞鶴海軍の魚雷の倉庫を活用した、舞鶴のなかでも現存する最古級の鉄骨れんが建造物だ。

れんがの歴史や世界の建造物で使用された、さままざなれんがを展示。世界の著名なれんが建造物を紹介するほか、ホフマン式輪窯を再現したコーナーでれんがの製法を紹介している。

サウスシー城のれんがをはじめとした、れんがを展示

主な展示物を紹介していこう。


まずは、サウスシー城のれんが(イギリス・ポーツマス市)から。サウスシー城は、フランスの侵略から国を守るため、ヘンリー8世が1544年に建てた城で、ポーツマス港の入口に位置しており、現在は、19世紀の外観に復元され観光名所となっている。展示されるれんがは、サウスシー城イースタンスイベルマウント砲台の発掘中に採取されたもので、1800年代に製造された。れんがの一番広い面「平面」にあるへこみには、れんがを接着していた石灰モルタルが付着している。

2023年舞鶴市・ポーツマス市姉妹都市提携25周年記念事業に招待されたポーツマス市名誉市長トム・コールズ氏により、寄贈されたものだ。

サイズは、233mm×105mm×75mmで、重さ2.9kg。


続いて、住友重機械横須賀製造所(旧浦賀船渠)旧浦賀工場「1号ドック」れんが(神奈川県横須賀市)。

浦賀地区における造船の歴史は、1853(嘉永6)年のペリー黒船来航を経験した江戸幕府が、洋式軍艦の建造を命じたことに始まる。浦賀造船所では初の軍艦「鳳凰丸」が建造され、「咸臨丸」の点検も行われたが、1876(明治9)年に閉鎖された。

明治期になり、大型船が入るドックが不足し民間での造船が盛り上がる中で、1897(明治30)年に浦賀船渠が設立され、1899(明治32)年に1号ドックが完成。日本に現存するれんが造ドライドックとしては浦賀ドックが日本唯一となる。

展示されるれんがは、ドック敷地内施設で使用されていたもので、渠壁・渠底には根崎煉瓦合資会社(現・岡田煉瓦製造所)製造のれんがが使用されている。

サイズは、223mm×105mm×59mmで、重さ2.9kg。


最後は、京都市の旧九条山浄水場沈殿池(旧大日山貯水池)れんがで、サイズは220mm×105mm×59mm、重さ2.8kg。旧九条山浄水場(旧大日山貯水池)は、京都御所の防火を目的として建設された1912(明治45)年完成の御所水道の施設で、琵琶湖疏水を計画した田辺朔郎氏らにより設計された。疏水から取水した水を、大日山に設置した貯水池(大日山貯水池)に揚水し、京都御所で火災が発生した際に、高圧で送水する防火施設としての機能を有していた。

御所水道は京都市に譲渡され、水需要の増加に対応するため、大日山貯水池は沈殿池に改造され、1949(昭和24)年、九条山浄水場として運転を開始した。1986(昭和61)年、施設の老朽化などから九条山浄水場は休止、1988(昭和63)年からは「水処理技術の実験プラント」として利用されていたが、2004(平成16)年に廃止された。

沈殿池跡地には、沈殿池などの施設を活かした宿泊施設が建設予定だ。

「令和6年度新収蔵品展」の料金は、常設展示と共通で一般400円、学生150円。この機会に、舞鶴市立赤れんが博物館に足を運んでみては。

■令和6年度新収蔵品展
場所:舞鶴市立赤れんが博物館
住所:京都府舞鶴市字北吸1039番地の2
期間:2月15日(土)~3月16日(日)
時間:午前9時~午後5時(最終入場は午後4時30分)
詳細:https://akarenga-park.com/events/4143

(ソルトピーチ)

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