
青森県旧川内町(むつ市)
日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、青森県旧川内町(むつ市)を写真とともに紹介する。
Vol.411/青森県旧川内町(むつ市)
むつ市から陸奥湾沿いに西進すると、旧川内町と旧脇野沢村がある。最初に着いたのは旧川内町。とても広くて、内陸部の渓谷が織りなす自然も魅力だけれど、かなり距離もあるので、今回は陸奥湾沿いの市街地を歩いた。
今日、陸奥湾沿いの道はほんとうに気持ちがよかった。一面海なのに、海と空の境界線が曖昧で、吸い込まれそうなのだ。理由のひとつには、陸奥湾が内湾であり、凪いでいたことがあるように思う。そして、静かな海だからこそ、太平洋や日本海とは違って、堤防が低い箇所が多い。すなわち、道や建物と海が湖畔のように近いのだ。だからこそ、海がぎゅっと身近に映る。そして、快晴の深い夏空が陸奥湾の遠くまで広がっており、何度も景色に胸を打たれるのだった。

陸奥湾沿いの道を進む

海と空の境界線が曖昧で溶けるようだった

川内庁舎。大きな建物だ

集落へ。まちなみの雰囲気もいい

緑も綺麗だ

うつくしいまちだなあ

ここも、むつ市であるということ
旧市町村を巡る旅をしていなければ、このように美しいまちに出会えなかったのだとしみじみ思う。なぜなら、むつ市街地からは距離も離れており、むつ市には恐山といった観光地もあるから、遠い土地に住んでいる身にとっては、なかなかのご縁がないと、まちを知ることができないと感じるからだ。
日本にはそうした知られざる土地がいっぱいある。しかし、知られざる、という土地も、誰かにとっては必ず馴染み深い土地なのである。誰かにとっての居場所なのだから。すべてを知らなくても構わないから、誰かの知られざる日常がたくさんあることを忘れないことだ。陸奥湾沿いに広がる美しいまちを訪れることができて、つくづくありがたいと思うばかりだった。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
仁科勝介公式Twitter:https://twitter.com/katsuo247
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