エクセル・クリエイツが鹿児島大学 林敬人教授と連携して行っている、LINEでヒートショックの危険度を知らせる「入浴時警戒情報」の2024年度の配信期間が、2月末で終了した。2024年度の配信開始時点で189名だった登録者数は、今年2月末時点で536名に増加し、約3倍となった(※1)。
これはプレスリリースの配信等の広報活動の成果であるとともに、社会におけるヒートショックへの関心の高まりの表れであると考えている。2024年度の実施データは鹿児島大学に展開しており、効果の分析と今後の精度向上に役立てていく。
鹿児島地区が登録者の約半数を占める

※配信イメージ
「入浴時警戒情報」は、LINEに登録すると、居住地域におけるヒートショックの危険指数がLINEで配信される。配信地域は現在鹿児島県内のみ。入浴する際の対策ポイントも確認できるため、ヒートショックの危険性を下げる行動をとることができる。

※年代別割合

※年代別増加数
「入浴時警戒情報」の登録者の内訳を見てみると、男女比はおよそ50%ずつで、登録者の傾向に性別による差はみられなかった。
年代別では50歳代と60歳代が最も多く、次いで40歳代、70歳代となった。特に50歳代、60歳代、70歳代では登録者数の増加が顕著で、昨年度からそれぞれ約4倍に増加した。登録地域別では鹿児島地区が登録者の約半数を占め、国分地区、川内地区と続いている。
依然として少ない80歳代の登録者数

3段階の危険指数
登録者のうち、危険指数が最も低い「注意」の際に、「注意して入浴した」または「入浴を控えた」等、何らかの対策を行った人の割合は36%だった。危険指数が高い「警戒」や「危険」の際に「注意して入浴した」または「入浴を控えた」人の割合は50%と、危険指数が高い日には特に行動変容が見られた。
今年度の課題としていた70歳代以上の登録数を増やすという目標については、特に70歳代の登録者の増加がみられ、概ね達成したといえるだろう。ただ、最も入浴死者数が多い80歳代の登録者数は依然として少なく、この世代に向けてどのように周知を行っていくかが今後の課題だ。
九州や四国の件数が多いヒートショック
毎年冬になると、ヒートショックによる死亡事故が後を絶たない。人口動態統計によると、2023年の「不慮の溺水及び溺死」による死亡数8,982人のうち、8割近くの6,333人が浴槽内での溺死及び溺水を原因としており、その9割以上が65歳以上の高齢者だ。
ヒートショックの原因は、部屋と脱衣所、浴室や浴槽内の急な温度差による血圧の急激な変化と考えられている。北海道や東北などの寒い地域で起こりやすいと考えられがちだが、発生件数は九州や四国の人が圧倒的に多く、鹿児島では毎年200人前後が浴室で突然亡くなっており、その約8割がヒートショックによるものと見られている。
林教授は法医学分野の専門医として、鹿児島県における入浴死の検視事例の調査を行い、ヒートショックで亡くなる人が多い条件を研究し、その知見を生かして2023年に同プロジェクトを立ち上げた。情報を鹿児島大学のサイトで公開するだけでなく、エクセル・クリエイツがシステム開発を担当し、ヒートショックの危険指数をLINEで配信するサービスを鹿児島県内で展開している。今後、データの収集と活用により対象地域を広げ、日本全国への展開を目指している(※2)。
エクセル・クリエイツが鹿児島大学 林敬人教授と連携して行っている「入浴時警戒情報」を、この機会にチェックしてみては。
エクセル・クリエイツ:https://www.excel-creates.jp
※1 登録者数には個人情報が未登録の人数も含む。個人情報未登録者やブロックしている人を除いた2025年2月末時点での配信受信者数は約300名。
※2 別途各県における事例の調査が必要
(江崎貴子)
The post 【鹿児島県】LINEでヒートショックの危険度を知らせる「入浴時警戒情報」登録者数が約3倍に! first appeared on ストレートプレス:STRAIGHT PRESS - 流行情報&トレンドニュースサイト.