【京都府京都市】ちがいと共に生きる。「修復の練習 To Mend, Again」開催!関連トークイベントも

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「オールマイノリティプロジェクト」主催の展覧会「修復の練習 To Mend, Again」が、京都にて5月17日(土)より開催される。

マイノリティが孤立しない社会を目指す

「オールマイノリティプロジェクト」は、発達障害者をはじめとするマイノリティが社会的孤立・孤独に陥らない、フェアな社会の実現を目指す研究開発プロジェクト。同団体の代表は、千葉大学 子どものこころの発達教育研究センター 教授・博士(医学)・臨床心理士・公認心理師の大島 郁葉(おおしま ふみよ)氏が務めている。

同プロジェクトによると、マイノリティの人たちは、そうでない人々(マジョリティ)からの孤立を避けるために、マジョリティの社会に馴染むための努力を行う。その結果、マイノリティの人たちには、マジョリティの人たちに比べ、さまざまな精神的な負担がかかっている。これは、そもそも社会通念や常識が、マジョリティの価値観の上に成り立っていることが要因のひとつといえるだろう。

「オールマイノリティプロジェクト」では、マイノリティの中でもまずは発達障害に着目し、発達障害の人の価値観をマジョリティ中心の社会に浸透させるための活動に取り組んでいる。

アートから他者とのつながりを想像する

今回、同プロジェクトの2025年度シンポジウム「修復の練習:当事者と非当事者の溝を埋める」と連動し、築92年の京町家建築「The Terminal KYOTO」にて、他者とのコミュニケーションや関係性の再構築に着目した展覧会を開催。

「修復の練習 To Mend, Again」では、「壊さない」ことよりもむしろ、「壊れたものを修復する」ことの大切さに心を寄せる現代美術家の作品を展示し、分かり合えなさを共に超えていくための視点を提供するという。

主な見どころは3つ

見どころは大きく分けて3つだ。

1つめは「発達障害研究と現代美術の越境的コラボレーション」。発達障害研究の専門家のグループである「オールマイノリティプロジェクト」が、現代美術を通じた交流の機会を構想したことから企画された今回の展示。医学・福祉・教育などの専門領域と、アートという別の言語が出会うことで、「わかり合えなさ」と共に生きる方法を新しい視点で問い直す。

2つめは「“ズレ”や“分断”に向き合うアート作品群」。今回参加する現代美術作家たちは、バラバラになったものをつなぎ合わせることに心を寄せる作品を展示するという。ズレや分かり合えなさを否定せず、むしろそれを出発点として関係を編みなおす姿勢は、現代社会において私たちが生きる上でのヒントとなるだろう。

3つめは「京町家での豊かな鑑賞体験」。築92年の京町家建築である「The Terminal KYOTO」は、生活と展示がゆるやかに重なりあう場所だ。美術館とは少し違う、自然の光が美しい空間の中で、作品はわたしたちの生活と地続きの問いを投げかけてくる。

キュレーターからのコメントも

播磨みどり(はりま・みどり)


2015年6月26日「お内裏様かお雛様」卵のプラスチックパック、いちご牛乳の容器、野菜チップの袋、青いビニール袋、ティーバッグ、ティーバッグの袋

同展の参加作家は、播磨みどり氏、

猪原秀陽(いのはら・ひではる)


漫画作品「発達障害」より、「オールマイノリティプロジェクト」公式HP、2023年

猪原秀陽氏、

佐々木萌水(ささき・もえみ)


「高瀬川水瓶」、漆、高瀬川の磁器片、銀、錫、麻布、砥の粉、和紙、木、フェルト、110×100×180mm、2024年 撮影:来田猛氏

佐々木萌水氏、

𡧃野湧(うの・ゆう)撮影:Masashi Kuromoto


「新潟にて-1」陶土、金属顔料、和紙、和糊、アクリル、パネル H460×W300×D22mm、2024年

宇野湧氏、

山本高之(やまもと・たかゆき)


『悪夢の続き』 シングルチャンネル 30分31秒、2020年

山本高之氏。キュレーターは、金澤韻氏が務める。

金澤 韻(かなざわ・こだま)

キュレーターの金澤韻氏は、「さまざまな特性を持って生まれ、いろいろな環境で育ち、それぞれの日常を生きるわたしたち。みんな、できること/できないことを抱えています。

自分が当たり前にできることを他の人に当てはめると、時に誰かを傷つけます。逆もしかりで、多くの人が当たり前にできることができないとき、あなたは時に傷つけられてきたでしょう。

『こうであるはず』という思い込みが問題です。でも、思い込みの外側をあらかじめ想像するのは難しい。わたしたちはどうしても傷つけ合うことになります。

とはいえ誰かをレスキューすることはできるかもしれません。いえ、もうやってきているかもしれません。うまくくっつかなくても努力だけはしてきたかもしれません。

この展覧会では、バラバラのものをつなぎ合わせることを題材にした現代美術作品を展示します。そうして、壊れない・壊さないことより、壊れたものを修復することを考えてみたいと思います」とコメントを寄せている。

トークイベントが開催

また、関連プログラムとして、トークイベント『ズレを合わせつつ 〜「修復の練習」を語る〜』を、5月18日(日)午後4~6時、Panasonic Design Kyoto 9Fホールにて開催。

登壇者は、浜松医科大学 特任教授の土屋賢治氏、国立リハビリテーションセンター 脳機能系障害研究部 発達障害研究室長の和田真氏、千葉大学 教授の大島郁葉氏に加え、同展参加アーティスト及びキュレーターとなる予定だ。参加費用は無料だが、事前にフォームから申し込みが必要となる。

他者との違いに目を向け、違いを見つめ直し、共に生きていく道筋を探す「修復の練習 To Mend, Again」。興味がある人は足を運んでみては。

■「修復の練習 To Mend, Again」概要
開催日時:5月17日(土)~6月1日(日)9:30-18:00/会期中無休
入場料:無料
会場:The Terminal Kyoto
住所:京都府京都市下京区新町通仏光寺下ル岩戸山町424番地
「修復の練習 To Mend, Again」特設ページ:https://all-minorities.com/news/335/

トークイベント『ズレを合わせつつ 〜「修復の練習」を語る〜』申込フォーム:https://forms.gle/VCLg6NdDMpRwmEWS6

(鈴木 京)

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