千葉県佐倉市に本社を構える常磐植物化学研究所が、社員と市民の健康づくりを応援する施設「佐倉ハーブ園」と「sakuraヘルシーテラス」。
心、食、身体のウェルビーイング体験ができる施設の詳細と取り組みについて、地元在住ライターの筆者が紹介しよう。
芳香に包まれる庭園
春から初夏にかけて、花の見頃に関する情報を目にすることが多い。日常生活の中でも季節の息吹を感じることがあるが、ゆっくりと心を落ち着けて観察する機会となると案外少ないもの。そうだ、夏真っ盛りの暑い季節になる前に、庭園に行こうと思い立った。できれば見た目の華やかさだけじゃなく、じっくりと心身に染みわたるような場所がいい。そう思っていた時に、地元にある「佐倉ハーブ園」を知った。
その名の通りハーブが楽しめるだけではなく、ランチも楽しめてペット可能エリアもあると聞いて、愛犬を連れて早速訪れてみた。
「佐倉ハーブ園」と「sakuraヘルシーテラス」へは、JR総武線「佐倉駅」からグリーンバスに乗車して「木野子神社」で降りるルートがあるが、今回は愛犬も一緒だったので自家用車で向かうことにした。
まずは、東関東自動車道・佐倉ICを目指す。そこからは道なりに進むと、「佐倉ハーブ園」までの距離と方向を示した看板が出てくるので分かりやすい。

「sakuraヘルシーテラス」の外観
看板に従って直進すると、10分程で右手にのぼり旗とグレーの建物が見えてくる。ここまで、京成本線・京成臼井駅からは約25分で到着することができた。公式サイトによると、JR総武線・佐倉駅からは約15分、京成本線・佐倉駅からは約30分。グリーンバス「木野子神社」からは、徒歩約1分とのこと。
いずれにしても駅からは少々遠い立地なので、自家用車で向かえる場合はそれが便利だろう。
敷地に入ると、香しい匂いに包まれる。誘われるように視線を向けた先に広がるのは、「佐倉ハーブ園」。
約10,000平方メートルの敷地には約1,000種類もの薬用植物・ハーブなどが植栽されている。一年を通してさまざまな植物や花を楽しめるが、春から初夏がもっとも見頃の時期なのだとか。

つつましやかに咲く淡いピンクのバラ「タカコ・トラディションズ・トーチ」
実際、ハーブ園内に入ると四方を埋め尽くさんばかりの緑と花々が楽しめた。筆者が訪れた6月はちょうどバラが見頃だった。多種多様なバラが咲いていたが、特に珍しいのは「タカコ・トラディションズ・トーチ」で、「佐倉ハーブ園」と「佐倉草ぶえの丘」でしか見ることができない希少な種類なのだ。
品種名にある「タカコ」というのは、同施設を運営する常磐植物化学研究所・会長の立﨑貴子氏にちなんだもの。インドから来日したバラの育種家に貴子氏が呈茶をした際、その点前に感激した育種家が独自のバラを贈ることを申し出たことから生まれた品種なのだそう。

鮮やかな色と甘い香りの「食香バラ」
香りを楽しむなら、「食香バラ」がおすすめ。強い香りと鮮やかな見た目が美しいことに加えて、薬用のみならず食用としても楽しめる。病害虫の被害がほとんどないことから、無農薬で育てることができるのも特徴だ。

空腹を刺激するようなカレーの匂いがする「カレープラント」
中でも、ユニークな香りで異彩を放っていたのは「カレープラント」。銀灰色の茎と葉を持ち、黄色い小さな花を咲かせる「カレープラント」最大の特徴は、その名の通りカレーの匂いが花から立ち昇ること。料理の香り付けや臭み消しに利用されるこの花は、特徴的な香りから社会科見学に訪れる小学生にも人気の種類なのだとか。

指で触れて香りを体感できる「ミントコーナー」
「ハーブ園」というからには、ハーブの代表格ともいえるミントの香りも楽しみたいところ。「佐倉ハーブ園」のミントコーナーでは、さまざまなミントがプランター栽培されており、実際に指で撫でて付いた香りを体験することができる。

フレッシュなストロベリーのような香りがする「ストロベリーミント」
ガーデナーに話を伺うと、人気があるのは「ストロベリー・ミント」。その名の通り、甘やかなストロベリーのような香りがするミントだ。

柑橘系のさわやかな香りがする「ミントオレンジ」
同じくフルーツの香りがする「ミントオレンジ」も、オレンジのような柑橘系の香りがさわやかに広がる。

さっぱりとした清涼感あふれる香りの「イエル・バブエナ」
「イエル・バブエナ」は、「モヒートミント」の通称で親しまれるミントだ。触れて指先から香りを嗅ぐと、モヒートカクテルを飲んだ時のあの爽やかな香りが鼻腔に広がっていった。気温が上がって暑くなってくるこれからの季節に、ふと清涼感を与えてくれそうな香りは個人的に一番好みだった。
ハーブ園内には、ベリー類の木も植栽されている。毎年7月~8月頃には、「ブルーベリーフェア」でブルーベリー摘み取りを行う。ちなみに昨年開催時には、1パック1,000円(税込)で約30分のブルーベリー摘み取りを楽しめた。
倉庫をリノベしたナチュラルな雰囲気の食堂

「sakuraヘルシーテラス」の内観
「佐倉ハーブ園」の向かいにある「sakuraヘルシーテラス」は、元倉庫をリノベーションして作ったナチュラルな雰囲気の内装の施設。常磐植物化学研究所の社員食堂だが、一般客も利用可能なランチタイムには、管理栄養士が考えた健康的な日替わりメニューとサラダバーが提供される。

ペットと一緒に過ごせるテラスでパシャリ
テラス席は、ペット同伴可能なので愛犬と一緒に一息つけるのも嬉しい。

テラス席の柱に完備されているリードフック
柱にリードフックが備えられているので、食事中もゆっくりと安心して過ごせる。

日替わりランチの一例

サラダはサラダバーで好きな野菜を選んで盛りつけられる
訪れた日のメニューは、白湯ラーメンと春巻き。クリーミーで濃厚な味わいは、かといって濃すぎず程よい塩梅でスルスル食べ進められる。分量も多すぎず少なすぎず、程よい。日替わりメニューは、sakuraヘルシーテラスの公式Instagramで確認できるので、気になるランチの日を狙って、愛犬の散歩がてらに訪れるのもありかも。
平日のランチタイム以外と休日・祝日には、ワンドリンク制でワーキングスペース・休憩所として利用可能。

食堂に隣接するキッズスペース
キッズスペース、授乳室も完備しているので小さな子ども連れでも安心して過ごすことができる。

授乳室は礼拝室としても利用可能
授乳室は、礼拝室を兼ねており、もともとは常磐植物化学研究所の礼拝を必要とする社員のために設置したものだそう。現在は、一般利用者用に開放している。
外出中の休憩やちょっとした隙間時間の作業などに利用して、疲れたときには向かいのハーブ園で気分転換、なんて時間の過ごし方はいかが。
建物内には常磐植物化学研究所のグループ会社で、ハーブを使用した加工食品・健康食品を販売する日本サーナが手掛ける商品が並ぶショップも。
一番人気は「ハーブソース」。自然派志向のソースは、ハンバーグや揚げ物のソースとして使えば、料理を格上げするのにぴったり。愛好者も多く、「ハーブソース」目当てにショップを訪れる人もいるのだとか。
屋外の「芝生広場」はブランコやボール遊びなどの軽運動が楽しめる。こちらもペット可エリアなので、わんちゃんの足にも優しい芝の上で食事の後の腹ごなしをかねたお散歩タイム、という過ごし方も。遊具レンタルは100円/30分。手ぶらで来ても気軽に遊べるサービスもぜひ活用してみて。
バラエティ豊かな出店が並ぶマルシェも開催
「sakuraヘルシーテラス」では、定期的にマルシェも開催している。6月7日(土)に開催5回目を迎えるマルシェには、64店舗が出店する。開催時間は10:00~15:00。雨天の場合は、翌8日(日)に開催。
マルシェ当日は、キッチンカーグルメ、ハンドメイドグッズ、サロンやワークショップなど、さまざまな出店がずらりと並ぶ。出店の詳細は、公式Instagramで確認できるのでどんなお店があるのか、気になる人は要チェック!
ウェルビーイングで地域と人をつなぐ
2024年4月にオープンした「sakuraヘルシーテラス」は、隣接する「佐倉ハーブ園」「SAKURAスポーツパーク」ともに、常磐植物化学研究所がウェルビーイング社会の実現を目的に運営する施設だ。
「sakuraヘルシーテラス」は、「もともとは、社員が健康になるような昼食を出す社員食堂になる予定だった」と語るのは同社の管理本部 副本部長・川上英治氏。
「社員食堂を開くことはオーナーの思いだったんですが、それだけではもったいない。他に何ができるかと考えたときに、観光資源が少ない佐倉市南部で地域の人たちが触れ合える環境を作ろう、という案が持ち上がって、今の『sakuraヘルシーテラス』が生まれました」(川上氏)
6月7日(土)に開催するマルシェも、この取り組みのひとつだ。60店を超える出店が集まるマルシェになるまでには、近隣へのポスティングやメディアを介した告知、別の場所で開催されているマルシェで参加者とのつながり作り、などの地道な努力があったそう。
川上氏は、「人の縁を活かして多くの人々が集う場所にし、ハンドメイドの作家さんたちが、佐倉市の南部地域で活動するにあたって自分の作品をお披露目する場所となるよう環境を整えていきたいです」と、今後の展望を熱く語った。
一方、常磐植物化学研究所の事業は健康食品や薬品の原料の製造販売でありながら、BtoB事業であるために一般の人達とのコミュニケーションが希薄だという問題意識もあったそう。
同社営業本部 営業部リーダー・染野かなで氏は、「一般のお客様との接点がなかなか得られない事業を行う中で、このようなウェルビーイング施設を通じて、コミュニケーションを行い、つながりを作り続けていきたいです」と述べた。

一般利用もできる「SAKURAスポーツパーク」
「『佐倉ハーブ園』は心の癒し、『ヘルシーテラス』は食による健康、『スポーツパーク』は身体の健康を養える場所です。心と食と身体の健康が一体となって叶えられる施設だよ、という3施設の価値について地域の方々と共有していけたら嬉しいです」(染野氏)
また、常磐植物化学研究所は、新たにオリンピック新競技となったラクロスを応援するとともに、地域活性化を目指すとし、市内のジュニアラクロスクラブ「ビーグルス」のメインスポンサーも行っている。主な活動は、「SAKURAスポーツパーク」を練習場所として提供、年に数回、海外からジュニアチームを招致して試合を行っている。これらの活動を通じて、佐倉市発のラクロス日本代表選手の育成に貢献していくことを目指す。
「実は、社長の立﨑が学生時代にラクロスをやってたんですよ。思い入れが深いこともあって、『ビーグルス』のサポートには力を入れてます」(染野氏)
そして、「佐倉ハーブ園」「sakuraヘルシーテラス」「SAKURAスポーツパーク」とともに歩んでいきたい未来予想図について尋ねると、川上氏と染野氏は「今後は、四季を感じられる風景を取り入れることを模索しつつ、植物の価値、そしてウェルビーイングによって育まれるつながりを大切にしていきたい」と締めくくった。
ハーブ園で癒され、食堂で体内を整える。「佐倉ハーブ園」「sakuraヘルシーテラス」では、大切な家族とも、ペットとも過ごせる、そんなウェルビーイングなひとときがきっと過ごせるはずだ。
■佐倉ハーブ園
住所:千葉県佐倉市木野子158
開園時間:10:00〜16:00 ※不定休
入場料:無料
詳細:https://sakura-herben.tokiwaph.co.jp
公式Instagram:https://www.instagram.com/sakura_herb_en
■sakuraヘルシーテラス
営業時間:平日/土日 10:00~16:00、ランチ 平日11:30~13:30
詳細:https://www.tokiwaph.co.jp/sakura-healthy-terrace-2
公式Instagram:https://www.instagram.com/sakura_healthy_terrace
(Kanako Aida)
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