NCT 127が5月22日(木)、東京ドームにて「NCT 127 4TH TOUR’NEO CITY : JAPAN – THE MOMENTUM’」を開催。NCT 127は今年1月にソウル公演を皮切りに、アメリカやアジア15か国24公演を重ね、ついに東京でファイナル公演を迎えた。
ツアータイトルの「THE MOMENTUM」には、ワンチームとして強い推進力と一体感を持って進んでいくという意味が込められている。メンバーだけではなくシズニ(ファン)との一体感はオープニング前から感じられた。
開演直前、場内の明かりが薄暗くなると、「Walk」が流れ、客席は一斉にグリーンの海に染まる。リズムに合わせてペンライトが波打ち、ファンの掛け声も高まっていく。開演時間ぴったりに曲の音量が一気に上がると、音楽をかき消すほどの歓声とファンのカウントダウンが始まった。
オープニング映像では、メンバーがとある目的地へ突入するために銃撃戦を繰り広げ、手榴弾を投入後にガスマスクを装着して前進する様子が描かれた。敵の壁を乗り越え、突破したメンバーたちがガスマスクを外すと、会場の大型ビジョンにメンバーのクローズアップが映し出された。
ステージ中央にSWAT風スタイルに身を包んだ6人が現れると、まるで会場全体が揺れるかのような歓声が響き渡った。ジャニーの重厚なボイスで「Gas Gas・・・」と始まると同時に、マークのキレと抜け感のあるフロウで観客を引き込み、ジョンウやヘチャンといったボーカルラインが、滑らかで繊細な歌声で空間を包み込む。ステージが瞬く間にスモークで覆われ、メンバーの姿が見えなくなる中、歌声だけが会場に響き渡った。そしてスモークの中から、次々に姿を現すメンバーたちは、1曲目に「Gas」を披露。NCT 127の躊躇なく前進する強い志を、鋭い眼差しと力強いパフォーマンスで会場を一気に熱くする。
「Faster(Short Ver.)」のステージでは、ダイナミックで歪みの効いたビートが響く中、ゆったりとした動きでありながらも力強いエネルギーが感じられるパフォーマンスを展開。冷たくざらついたノイジーサウンドが空間を支配すると、ユウタが「行こうぜ東京!」とファンを煽り、そのまま「Bring The Noize」へ。荒々しいラップとエモーショナルなボーカルが交錯しながら、メンバーが客席中央に続く花道の方へ少しずつ前進していき、メンバーとシズニとの距離が近づくにつれ、歓声はさらに大きくなった。
続いて、「一緒に歌って!」と呼びかけると、「2 Baddies」のステージがスタート。シズニの掛け声は一層熱を帯び、ヘチャンは早くもジャケットを脱ぎ捨て、全身全霊でパフォーマンスに挑む。
4曲をノンストップで駆け抜けた後、ビジョンにはメンバーがエレベーターに乗り込む映像が映し出され、物語は次のステージへ。しかし、彼らの前に待ち構えていたのは、真っ赤な無数のレーザー。まるで彼らを捉えるようとするかのように押し寄せ、逃げ場のない状況に。緊迫感が最高潮に達した瞬間、映像が終わると、会場にも赤いレーザーが一斉に広がる。再び姿を現したメンバーがセンターステージに立ち、ジャニーが「Put your hands up!」と叫び、ファンに手を挙げるよう呼びかけると、「Skyscraper」のステージへ。うねるようなステージの上でパフォーマンスが繰り広げられ、マークはベストを脱ぎ捨て、畳み掛けるようなラップで会場のボルテージを一気に引き上げる。続く「Chain」では、シズニが「Chain!」と力強くコールし、シズニとメンバーとの強い“繋がり”を見せた。
立て続けのパフォーマンスのあとはMCタイムへ。ジャニーが「皆さん準備してください。僕は『とう』、皆さんは『きょう』」と呼びかけると、「とう!」、「きょう!」「とう!」「きょう!」と息ぴったりに応じるシズニ。ヘチャンは「暑いです・・・」と呟きながら、「生放送があるのですが今日来られない人たちが嫉妬するくらい楽しんでもらえれば嬉しいです。東京準備できてますか!」とシズニを煽る。マークは「昨日の公演もとても幸せだったのですが、今日も多くのシズニのみなさんに来てもらえたのでとても幸せです」と笑顔で語り、「よく見えますか?(日本語)」とステージから遠い席のファンにも呼びかける。「今日は最後までよろしくお願いします。頑張ります」と意気込んだ。ユウタは「元気か? ついにツアーファイナル来ました。今日は生中継されています。シズニじゃない人ももしかしたら見てるかも。おじいちゃんとかおばあちゃんもいるかもしれないから、俺たちの力を見せつけてやろうぜ! やれるか東京。やっちまうか。誰一人置いてかないかんな」とシズニに向けて手を伸ばし、一体感を伝えた。ジョンウは「今日は最後の日なので、すべてを出し尽くしたいと思います。公演は皆さんと一緒に作るものなので、みなさんも一緒に楽しんで歌ってくれたら嬉しいです」と微笑み、ドヨンは手を振りながら「みなさん、ドヨンです。みんな、僕たちよく見えますか? 3階のみんなもよく見えますか? 僕たちがちょっと小さいですよね。大丈夫? きょうが最後の日ですが、みんなのエネルギーがいりますよね。みんな、準備ができてますか?」と日本語で呼びかけた。
するとジャニーが「何してるの?」と不満そうにドヨンに突っかかる。するとドヨンは「もういいかい?」とシズニに問いかけ、シズニは「まーだどよん!」と元気よく返して、ジャニーも満足気。続けてマークは「ありがとうございマークです」とあいさつし、さらに「みなさん、ほしいですか?」と煽ると、シズニの大きな声援に応えて「マークあん」をして愛嬌を振りまいた。ジャニーはさらにヘチャンに「へーちゃんです」って可愛くやってと促すと、ヘチャンが「僕はへチャンです」とキュートに披露して会場は大盛り上がり。愛嬌祭はまだまだ続き、ドヨンがユウタに「ユウタさんは、何が好きですか?」と尋ねると、ユウタはミニハートを見せ、ジョンウにも「ジョンウさーん! 何が好き〜?」と投げかけるが、ジョンウは「何が好き?」の意図がうまく掴めず、代わりにヘチャンが「チョコミントよりもあ、な、た」と答えて、シズニをメロメロにした。
愛嬌タイムを終えてからは、ジャニーが「最後の日なので、締めくくりが大事なことはご存知ですよね。僕たちのコンサートに来たことある方? わかっていますよね。NCT 127、ウリチルのコンサートは一緒に作らなければなりません。生放送をご覧のみなさんは4Dで感じて貰えれば嬉しいです。皆さんが一緒に歌う声がここまで届けば良いと思います。皆さんの足音も聞こえたらいいですね。できますか?」と語りかける。その言葉にシズニも大きな声で応える。
そして、「次の曲は何ですか?」というドヨンの問いに、ジョンウが自信たっぷりに「Designer」と紹介し、次のステージがスタート。ステージに衣装を着たマネキンやハンガーラックが準備されると、メンバーが四方八方に散らばり、歌いながら衣装を変えていく。繊細で煌びやかなメロディと軽快に弾むパーカッションに、メンバーの甘い歌声が重なると、手を左右に揺らしながら音楽に乗る中、投げキッスをしたり、メンバー同士でハートを作ったりと、仲睦まじい姿に会場からは思わず黄色い歓声が沸き上がり、シズニは笑顔でその瞬間を楽しんでいた。
続く「Orange Seoul」では、軽やかなサックスの音色が心地良く響き渡り、会場全体が温かみのあるオレンジ色のライトに包まれる。自然と体が横に揺れる「Touch(Japanese Ver.)」では、客席に大きなバルーンが放たれ、シズニはバルーンを押し上げながら楽しんでいた。メインステージにメンバーが集まると、肩を組み合って楽しそうにステップを踏み、最後に「みんな大好き!」とマークが叫ぶと、会場には満面の笑顔に包まれた。
エネルギッシュな姿やキュートな姿を見せてファンを魅了したかと思えば、さっきまでの雰囲気とはまた違った、セクシーで落ち着いた雰囲気の魅力を放ち始めるメンバーたち。
ジャジーなナンバー「No Clue」では、ビジョンにフォーカスされたメンバーの色気漂うクールな表情が映し出され、そのたびに会場は歓声に包まれる。クールなアーバンポップの「Pricey」、ラテンリズムが印象的な「Regular(Korean Ver.)」と続くと、ヘチャンがすでに上着を脱いで、白シャツに腕まくりというスタイルに。アンニュイな空気と色気を纏ったクールなパフォーマンスに、シズニはただただ酔いしれていく。
情熱的なステージが続くにつれ、メンバーも次々と上着を脱いでパフォーマンス。メンバー同士、目を合わせるたびにニヤリと笑い、この瞬間を全身で楽しんでいる様子が伝わってくる。
会場が真っ赤なライトに染まり、独特なホイッスルサウンドが鳴り響くと、「Sticker」のステージへ。「待ってました!」と言わんばかりに会場から大きなどよめきが広がり、シズニの掛け声にも一層熱がこもる。
ドヨンが「楽しんでますか?」と呼びかけると、客席のグリーンのライトが波のように揺れ、シズニの思いが一体となって応える。ここで、これまでの楽曲やコンサートを振り返る時間へ。ビジョンには写真が映し出され、思い出話に花が咲く。今回のツアーには、兵役中で参加できなかったテヨンとジェヒョンも写っている写真を見ながら、後で同じポーズで写真を撮ることを提案していた。
衣装の話になると、メンバーの背中のチャックを下げたりしてふざけるメンバーたち。ツアーが始まった当初は、衣装もしっかり着てパフォーマンスしていたが、ジャニーは「公演が進むにつれて、一人ずつ脱ぎ始めたよね」と明かす。一番最初に脱ぎ始めたのはヘチャンだと明かされると、ヘチャンは「服より公演の方が大事だと思うので」と常に全身全霊でエネルギーを注ぐ姿に、会場から大きな拍手が送られた。
メンバーが2人不在であるにも関わらず、その存在を感じさせる演出が施され、シズニたちの心を深く打った。「Lemonade」ではジェヒョンの姿が映像で登場し、柔らかく色気のある滑らかな声で「Lemonade」と歌う瞬間、客席からは喜びの声が上がった。続く「Rain Drop」では、傘を使った幻想的な演出がステージを彩り、淡いピンクのライトで会場を優しく包み込む中、「Can’t Help Myself」が披露される。そして、海と星空をバックに繰り広げられた「Gold Dust」では、NCT 127にとってシズニがまさに黄金色の道を照らす存在であることを、繊細で優しく包み込んでくれるような甘い歌声で表現。シズニに寄り添うようなステージに、会場は静かな感動に包まれた。
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