キム・ゴウン(『破墓/パミョ』、「トッケビ〜君がくれた愛しい日々~」)ノ・サンヒョン(「Pachinko パチンコ」)が出演し、韓国で数々の賞を受賞した話題の映画『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』(配給:日活/KDDI)が、6月13日(金)に全国拡大公開。
6月5日には、キム・ゴウン、ノ・サンヒョン、そしてイ・オニ監督が来日し話題を集めた。そしていよいよ6月13日には公開を迎えるが、劇中ぜひ見逃さないで欲しいのが、キム・ゴウン演じるジェヒのファッション。そして、“涙なしには見られない!”と熱い感想が続出のラストシーンを飾るK-POPのヒット曲miss Aの「Bad Girl Good Girl」だ。これらに込められた意図について、来日中のイ・オニ監督に直撃した。
国内外で大絶賛され絶大な共感を集めた話題作が、ついに日本に上陸!
“普通に馴染めない”二人が見つけた、最強の関係
他人の目を気にせず自由奔放に生きるジェヒと、ゲイであることを隠し孤独に生きるフンス。正反対の二人が出会い、同居したことから始まる、「自分らしい生き方」を見つける物語。
主人公のジェヒを演じるのは、大ヒット作『破墓/パミョ』で高く評価され、「百想芸術大賞」映画部門女性最優秀演技賞を受賞したキム・ゴウン。フンスには国際的に注目された壮大なドラマシリーズ「Pachinko パチンコ」に出演し、傑出した存在感とリアリティ溢れる演技力で世界から“発見”された、新鋭俳優ノ・サンヒョン。原作は世界三大文学賞「国際ブッカー賞」や「ダブリン文学賞」にノミネートされた、パク・サンヨンのベストセラー小説。監督を務めるのは、『アメノナカノ青空』『女は冷たい嘘をつく』『探偵なふたり:リターンズ』のイ・オニ。
ジェヒのカラー “赤” は “代わりのきかない色”
ジェヒの自由奔放で恋愛に猪突猛進な姿は時に世間の誤解をよぶ。それを危惧したフンスが「恋愛は赤い服みたいなもんだ、一度着ただけで“赤い服の女”と呼ばれ続ける」と語るように、“赤”は強烈なインパクトを残す色である。ポスターにもなっているキム・ゴウン演じるジェヒの真っ白なウエディングドレス姿に対しての【赤いコンバース】が“ジェヒらしさ”を象徴するように、劇中では、この“赤”の小物が印象的に登場する。
ゲイであることを知られるのを恐れ、目立たないよう、孤独に生きていたフンスの前に颯爽と現れたのは、動き出したバスを強引に止め、時間ギリギリにも関わらず堂々と乗り込んでくるジェヒ。バス停まで彼女が乗ってくるのは“赤”のスクーターだ。そして、冒頭のフンスのセリフを聞いたジェヒが試着室から出てくるときに身につけているのはこれも“赤”のミニスカート。彼女“らしさ”を表現するときには赤色の小物が差し込まれている。
「赤というのは“代わりのきかない色”でもあります」と教えてくれたイ・オニ監督。「人目につく、際立つものとしてジェヒを表現できる色はないのかと、“色”を探していたんですね。その結果“赤”というのがジェヒのカラーになりました。言葉で伝えるよりも映像でパッと見た時にそのキャラクターがスッと入ってくるような表現を模索しましたね」と語っている。
そんなジェヒが社会人になり、周りに馴染もう、そのために妥協していこうとする中で、“ジェヒの色”が消えていき、そしてあることをきっかけにそれを取り戻す。一方フンスは、学校ではグレートーンのファッションだが、自分を解放できるクラブに行くと違う色味のファッションに身を包む。本作においてこうした“色彩”は演出の大きなポイントとなっている。
シャネルのグローバルアンバサダーを務めるなど、ファッショニスタとしても知られるキム・ゴウンはジェヒを表現する際、「意図していないところで肌が見える衣装になるようにしました」と語っており、色彩に加え、ジェヒの性格のディテールをビジュアル面で表現。こうしたセリフでは語られない細かい心情やキャラクター性がファッションや色彩に表れているところもぜひ注目してほしい。
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