■王妃として、母として、そして一人の女性として。時代を切り拓いた女性・元敬(ウォンギョン)の強さと信念を描く!
本作は、朝鮮王朝第3代王・太宗(テジョン)の正妃であり、世宗(セジョン)大王の母として知られる歴史上の女性・元敬王后の波乱に満ちた人生を描いた歴史大作。王妃という一見華やかな立場にありながら、王宮内の権力闘争、夫との政治的駆け引き、子どもたちの将来への責任といった、数多くの重圧と戦う姿が映し出される。単なる王妃ではなく、知性・胆力・戦略眼を兼ね備えた“政治的パートナー”としての彼女の姿は、現代の女性にも通じる強さと共感を呼び、過酷な現実から逃げることなく、自らの運命を切り開こうとするその姿勢には勇気と感動を覚える。
「六龍が飛ぶ」「太宗イ・バンウォン~龍の国~」など朝鮮時代初期の歴史ドラマでは、これまで主に太宗視点で描かれることが多かったが、妻の元敬視点で物語を再構築したのは本作が初。聡明で美しく、世界を変えるという大志を抱き突き進んだ元敬の一代記から目が離せない! 王位継承を巡る熾烈な争い、元敬が王妃として愛と義務の狭間で揺れる感情、王をはじめ国家を背負う者たちの理想と現実。その中で交差するのは、血のつながりを超えた信頼、友情、嫉妬、そして裏切り。宮廷の陰謀や策略も丁寧に描かれており、散りばめられたサスペンス要素にも息を飲む。元敬という一人の女性を中心に据えながらも彼女の視点だけではなく、朝鮮王朝初期の激動の歴史を背景に、王と王妃、彼らに仕える人々や側室など、複雑に絡み合う人間関係や心の機微を描き出している人間ドラマであることにも注目!
主人公の元敬を演じるのは「ザ・グローリー~輝かしき復讐~」で強烈な印象を残したチャ・ジュヨン。聡明さと人間味を併せ持つ難しい役柄を、時に大胆に、そして繊細に演じり、高い演技力とその眼差しで視聴者の心を掴む。元敬の夫であり、第 3 代王の太宗にはイ・ヒョヌクが抜擢され、静けさの中に隠された憤怒や悲哀、野心など様々な感情を見事に表現している。本作が初の時代劇作品となった二人だが圧倒的な存在感と卓越した演技力で、視聴者を物語の世界へと深く引き込んでいく。また、「おつかれさま」での活躍も記憶に新しいイ・ジュニョンがのちの世宗大王として特別出演したことも話題に。豪華な衣装やセット、時代考証に基づいた細部へのこだわりも必見で、ストーリー・演出・演技の三拍子が揃った本作は、歴史ドラマの醍醐味を存分に味わえる極上の一作となっている。
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