遂に明日18日に幕を開ける舞台「ろくでなしコーラス2025」
場末のミックスバーを舞台にそれぞれの悩みを抱えた多様なセクシャリティのキャスト達が、ママさんコーラスへの参加を目指す、歌ありダンスあり、爆笑あり涙あり、のエンターテイメント・コメディ作品です。
本番の衣装に身を包んだキャストのみなさんに意気込みや見どころなどをお聞きしました。
◆まずご自身の役柄について教えてください。
古谷大和 「アキラ」役:アキラは義理の娘を “オネエ手”一つで一生懸命育てていますが、アキラが望むような親子関係にはなかなかなれず、その関係をしっかり築くためにママさんコーラスに参加します。
瀬下尚人 「ママ」役:吾輩はママである、名前はまだない…「ママ」です(笑) 従業員に愛情をかけ、彼らの幸せのために日々葛藤しています。自分勝手な考え方なのかもですが、それを自分の幸せだと思っている、とにかく優しい人物です。
グァンス(超新星) 「アンジェ」役:この店のメンバーの中で、アンジェは一番ツンツンしていて近寄りがたいイメージがあります。それは過去のトラウマで心が強く傷つき閉ざしてしまったからで、実はとても優しい人です。最初は尖った部分が前面に出ていますが、仲間に出会い徐々に心を開き、アキラちゃんを通じて自分が叶えられなかった夢を見ながら成長していきます。
チャン・ユジュン(TRITOPS*)「レパード玉鹿」役:玉鹿はとてもエネルギッシュで明るくてテンションも高いのですが、たまに空気が読めないところがあります。でも天然で、このバーの中では一番可愛いキャラだと思うので、それをうまく見せられるようチカラを入れていきたいと思います。
谷田部俊(我が家)「ひろりん」役:ひろりんは普通のサラリーマンですが、いろいろ隠しごとがあります。 その隠しごとのうちの1つ、趣味嗜好から 「とある姿」をお見せします(笑) 「我が家」のコントでもそのような格好をしたこともあるので僕自身免疫はあります!
栗原大河 「コッペ」役:コッペは借金を抱えていて、その返済のためにこのバーに来て面接をしてもらいます。でもバーのみなさんの人柄の温かさに感銘を受けて、ずっと一緒にいたいと思って頑張ろうとする少年です。
田淵累生 「ジュリー」役:何個もバイトをかけもちしながらこの店でも働いているのですが、それはこの店が自分のことを素直に出せるいい環境、いい関係性だからだと思います。ママやアキラさんたちと一緒に働くのが楽しくてこの店にいるのだと思いますが、実は、ジュリーにも1つ大きな秘密があります。
moca 「西島千秋」役:千秋はアキラさんの義理の娘なのですが、繊細で大事にしてもらっているのはわかっているのに100%は受け入れられないもどかしさがあるのだと思います。その中でアキラさんと千秋が紡いでいく成長をこの作品を通して伝えられたらいいなと思っています。
◆今回の舞台はなかなか個性の強いストーリーですが、オファーを受けた時どのように思いましたか?
古谷大和:台本を読ませていただいてとても面白かったので是非出させてほしいとお願いしました。出演が決まって嬉しかったです。実は今までも女装や女性の役、ストリッパーも演じたことがあります。なので女装には抵抗もないですし、役者ならいろんなことに挑戦してみるべきだと考えています。この作品はなんといっても物語が素敵だったので是非出演したいと思いました。
瀬下尚人:まず台本がすごく面白かったというのが大きいです。オファーをいただいたのは去年だったのですが、ちょうどその時、今回の主催でもあるRISEさんの別作品で “ゲイをカミングアウトするお父さん”という役を演じていました。で、今回は女装だと言われ(笑) 台本を読んだところとにかく面白くて、是非やらせていただきたい、自分のハマリ役にしたいと思いました。
グァンス:毎回お芝居をさせていただく度に、すべての役が僕にとっては挑戦です。そんな中でも今回は一番の挑戦になるのではないかと思っています。去年上演された時の映像を拝見したのですが、演出家の安藤さんや脚本の田中さんが求めていらっしゃるプランを邪魔しない範囲内で、僕自身の闘いとしてアンジェをこわしてみたいと思っています。
チャン・ユジュン:前回の上演では僕と同じグループ(TRITOPS*)のウゴン兄さんがアンジェ役をやっていたので、オファーをいただいた時すぐに連絡をしました。何役かを聞かれレパード玉鹿だと言ったら「めちゃ似合う!性格も似てるしお前のまんまだよ」と大オススメされたんです。それで出演を決めたのですが、そのあとウゴンさんから「実はユジュンのドレス姿が見たかった」と言われました(笑) でも本当にいい作品に出演できたと思っています。
谷田部俊:初めて台本を読ませてもらった時、設定や会話のテンポなど、かなりコントに近いなと思いました。でも逆にそれで出演を辞めようかなとも思ったんです。コントって僕の土俵(我が家)でもあるので、もしうまくできなかったら負けたような感じになって立ち直れないなって思ったんです(笑) 実際に参加してみたらみなさんテンポのとりかたとかめちゃくちゃ上手くて、真剣に芝居に取り組むってこういうことなんだなって痛感しました。本当に尊敬のまなざしで日々勉強させてもらっています。
栗原大河:この作品は今まで何回か上演されていたのでSNSなどで雰囲気とかを見たのですが、ちょっと尖った部分や攻めた部分もあってこんな華やかで面白い作品はなかなかないと感じ、是非参加させていただきたいと思いました。
田淵累生:僕も台本を読ませていただいてとても面白かったですし、これまでやったことのないような訳ありの人物役だったのでやってみたいと思いました。あと、主演が古谷大和さんだと聞き、僕は大和さんのお芝居が大好きなので、大和さんが演じるアキラが楽しみでもあり是非出演したいと言いました。
moca:今回3回目の上演ということで長く愛されている作品に出演できるのが嬉しかったですし、キャストのみなさんのお名前を見た時、私もこの中で一緒にお芝居ができることにワクワクしました。
◆古谷さん、グァンスさん、ユジュンさん、瀬下さんに伺います。 ここは他のおネエさんたちには負けないと思うことや美人度をアピールしてください。
古谷大和:ありませんっ!(笑) もうみなさん全員素敵で!今日はここにいないですがボイストレーナーの杏西先生とかも本当に強烈なキャラなんです。オネエだけでなく、出演者全員キャラが立っていて、素敵なところ、プリティなところ、チャーミングなところとかたくさんあります。今回僕は主役でいわば真ん中に立たせていただきますが、みなさんの存在で自然に輝かせていただいてると感じ、本当に感謝しています。このままずっとみなさんが素敵に輝けるように、僕も真ん中に立っていられるようなアキラでいたいといつも思っています。
グァンス:韓国語です(笑)ユジュンにも負けないですよ(笑) あとは…、パフォーマンスのシーンがあるのですが、そこは負けないかな。アンジェのクールさを出しながらお届けしたいと思っています。
チャン・ユジュン:玉鹿がめっちゃ焦るシーンがあるのですが、そういう部分は本来得意なので(笑)上手にできると思います! 子犬みたいな自分を見せるなら負けないと思います(笑)
瀬下尚人:人生の歴史…ですね!(笑) みなさんは本当に綺麗なので、そのへんバランスとりながら(笑) 大和くんが主演で、軸がしっかりしている中で本当に自由にやらせてもらっています。負けないのは歴史、年齢ですね。
◆古谷さんとグァンスさんは以前、レストランのオーナー役とシェフ役という関係で共演し、今回は二人ともオネエさんに変身して共演します。 まったくタイプの違う姿で久しぶりに再会して、お互いいかがでしたか?
古谷大和:びっくりしました!前回ご一緒した芝居では クールでかっこいい部分もあるけれど結構面白おかしく演じる部分が多く、かなり笑わせてくださったので、その時とのギャップにびっくりでした。その時も今回も、稽古場でグァンスさんは本当にストイックで、空いている時間はずっと台本を見ていろいろ書き込んでいらっしゃるんです。その姿を見て、ストイックな方だからこそ面白いことをここまで追求するんだって感じました。あの時の舞台では毎日アドリブのネタを変えたりもしていらっしゃいました。なので今回はまた違う姿を見ることができて、本当に素敵な方だと改めて感じました。
グァンス:前回の共演作では相棒みたいな関係だったんですが、あの時は古谷さんが演じる役がいるからこそ自分の役は存在するんだって思って演じていました。それぐらい大切な存在だった古谷さんなのに、今回はアンジェからケンカを売るようなシーンがあったり、キツキツな関係性になったり。前回の相棒のイメージがあったので、正直なところ最初は少しだけやりづらさを感じたのですが、この作品でもアンジェにとって一番大切な存在はアキラちゃんなんです!この作品でも古谷さんとは素敵な関係でいることができました!
(2ページに続く)