SixTONESの田中樹が、舞台単独初主演を果たす舞台『ぼくらの七日間戦争 2025』。8月の東京公演を皮切りに、大阪、京都、愛知、熊本を巡回し、11月には東京へ凱旋する。本作の制作記者発表が6月25日(水)に神楽座で開催され、キャスト陣がそれぞれの熱い思いを語った。

原作は、1985年に宗田理が発表した同名小説。舞台は東京の下町にある中学校。理不尽な大人たちに立ち向かうべく、生徒たちが廃工場に立てこもり、「大人への反乱」を掲げて七日間の自由な生活を始める――という物語だ。1988年に実写映画化され、2019年にはアニメ映画・コミカライズとしても展開された名作であり、世代を超えて愛され続けている。
記者発表には、田中樹、上遠野太洸、佐野ひなこ、中山莉子、二瓶有加、山崎裕太、金子昇、大林素子、伊藤かずえ、比企理恵、野々村真の11名が登壇。主人公・菊地英治を演じる田中は、「舞台でのお芝居も数年ぶりですし、普段から演技の仕事が多いわけではないので、かなりプレッシャーはあります」と、単独初主演の率直な心境を吐露。その一方で「今日は皆さんとほぼ初対面なんですけど、すごくリラックスできている自分がいて。いいチームになる予感がして、今はワクワクしています」と笑顔を見せた。
演じる役については「中学生という設定なので、どうやったら中学生に見えるのかが、僕の課題。今、いろいろ考えているところです」と話した。自身の中学生時代を問われると、「中学1年の4月に事務所に入ったので、いわゆる“中学生らしいこと”はあまりできなかったですね」と回想。「30歳になりたてほやほやで、“中学生”を取り戻したいと思っています」と前向きに語った。
英治の母・菊地詩乃をWキャストで演じる伊藤かずえと比企理恵は、詩乃というキャラクターについて「責任感が強く、正義感もある女性」と口を揃える。その中で、伊藤は「息子を大切に思う気持ちの強さを表現できれば」、比企は「息子の気持ちに寄り添う姿を丁寧に描きたい」とそれぞれの思いを語った。
“七日間戦争”を企てるリーダー・相原徹を演じる上遠野は、「みんなのリーダー格なので、キャラクターたちがどんな人物かを稽古を通じて探っていきたい」と意欲を見せる。「このメンバーだからこそ生まれる感情や空気を大切にして、作品ならではの世界観と、僕らの関係性を築き上げるリーダーになりたい」と力強く語った。
また、風間トオルとWキャストで浮浪者・瀬川卓蔵を演じる野々村は、「中学生たちが対立する“大人”の中で、唯一の味方となる存在」と役どころを説明。「大人だけど、精神年齢は子どもたちと同じ。それが瀬川だと思っています。皆の力、拠りどころになりながら戦う姿を通して、皆様に何かを届けられたら」と、作品への想いを語った。
本作は8月から11月まで続く長丁場の公演の為、中山と二瓶が、立てこもりの計画を知ってしまう生徒の橋口純子役、山崎と金子が生徒に厳しく接する体育教師・酒井敦役を、それぞれWキャストで務める。
山崎は「Wキャストとはいえ、やることは同じ。ただ、“この人の芝居だと、こう変わるんだ”という点をお客様に楽しんでいただけたら」とコメント。「『ぼくらの七日間戦争』ってタイトルだけど、僕たち4か月近く一緒にいるので、実質“120日戦争”になるんじゃないかな(笑)。お客様に満足していただけるように頑張ります」と、ユーモアを交えながら意気込みを語った。
京都・熊本・東京凱旋公演に出演する金子は、「山崎裕太のいいところだけ、全部盗もうと思ってます!」と宣言。一方不安もあるようで「僕が演じる酒井は、“理不尽オブ理不尽”な人物。どう成敗されるかで、お客様にスッキリしてもらうような存在。でも、プライベートでは“良い人オブ良い人”な僕が、“理不尽オブ理不尽”をどこまで出せるか…今、自分の中で戦ってます」と苦笑い。これに田中がすかさず「自分でそれ(“良い人オブ良い人”)を前面に押し出す方、あんまりいないですけどね」と冷静にツッコミ、笑いを誘った。
「同じ作品でも日によって変化があるのがWキャストの魅力」と語ったのは中山。「私は“私立恵比寿中学”、略して“えびちゅう”というグループで活動していて、普段から“永遠に中学生”をテーマに活動しているので、24歳になった今でも青春まっただ中。怖いものはないです!」と自信たっぷりに語った。
田中と同じく30歳の二瓶は、「私も純子たちと同じように、大人や世間に対する反抗心はいまだに残っていて。それを毎日、YouTubeのコメント欄に向かって爆発させているような女なんです(笑)」とコメント。続けて、「その鬱憤を良いエネルギーに変えられたら」と作品への思いを語った。さらに中山とWキャストで演じる喜びについても触れ、「舞台は毎回全く同じものにならないのが魅力。そこに“二瓶有加ならでは”のスパイスを加えていけたらと思っています」と前向きな姿勢を見せた。
東京・大阪・京都・愛知・熊本の5都市を巡る今回の公演。記者発表では、地方公演に向けて楽しみにしていることにも話題が及んだ。
2024年の10〜11月、時代劇の撮影で京都に滞在していた田中は「京都のおいしいご飯屋さんにまた行きたい」と声を弾ませる。熊本の馬刺しを楽しみにしているという佐野が「ホルモンがあるらしくて…」と言いかけると、すかさず「馬のホルモンね!」(金子)、「たてがみもあるよ」(比企)と、後列のベテラン陣が即フォロー。「フォローいただきました(笑)。やっぱり新鮮なものは現地で食べたいです」と、佐野も笑顔を見せた。
元アスリートでもある大林は「長丁場の公演だからこそ、座組の健康を応援団として支えたい」と語った上で、「個人的には、ちっちゃいときから関わりのあった樹君とこうしてまたご一緒できることが本当にうれしい。子どもたちを元気に盛り上げていけるよう頑張ります」と座長・田中への思いも口にした。
最後に、公演を楽しみにしている観客へのメッセージ。
佐野「中山ひとみはすごく真っすぐで、信念のある女の子だと思っております。自分の10代の頃を考えたとき、やりたいことをやってたなぁ、すごい自由な子だったなと。そういうところを思い出しながら、演じていきたいなと思いました」
上遠野「これだけの方々と、そしてこの場にはいらっしゃいませんが、他にも大勢の素敵なキャスト、スタッフの皆さんがいて、全員で必死に考えて作る作品は、きっととても素晴らしいものになると思います。僕らが作るぼくらの『七日間戦争』を、どうか楽しみにしていただけたらと思います」
中山「来てくださる皆さんに楽しんでいただけるよう頑張りますので、皆さんよろしくお願いします」
二瓶「このような歴史ある作品に自分が携わらせていただけると思ってなかったので、本当に光栄に思っております。私の初舞台が池袋の東京建物 Brillia HALLで、いつかここに戻ってきたいというのが1個の目標で、頑張ってきた部分もあるので、今回その目標を達成できて嬉しいですし、中山莉子ちゃんとも一緒に稽古期間も頑張っていきたいと思います。皆さん、ぜひ会場に足を運んでください」
山崎「若者役の人たちがすごくいいこと言ってくれたので、もう以下同文って感じなんですけど。さっき、熊本の話とかたくさんしてましたけど、僕は行かないので(山崎は東京・大阪・京都公演の出演)。みんな楽しそうだなとか思いながら話聞いてたんですけど。その前に7月、ドラマで京都行ってるんで、いろいろ情報を樹にメールしようかなと思ってます」
金子「僕が子どもの頃から知っている作品。子どもの頃に見て、理不尽な大人たちにどう対応していくかっていう目線でしか見ていなかった作品に、まさか“理不尽”のほうで入るとは思わなかったので、ちょっと残念ではあるんですが(笑)。思いっきり理不尽さを発揮して、皆さんにすっきりして帰っていただきたいと思います」
大林「個人的に出ると聞いたときに、中1の自分を思い出しまして。あの頃はバレーボールしかやっていなかったんですけれども、あまりに部活がきつくて、しんどくて、ひとりでボイコットをしてたんですよ。要するにサボるという。そして家の中に立てこもっていた時期を思い出しながら…救ってくれたのがチームメイトだったりしたので、そういった自分自身の淡い思い出を思い出しながら、これを観た人たちが、元気や勇気や、自分に重ねて、大人も夢とロマンを持って生きていいんだぞ、という気持ちになっていただけたらいいなと思います。皆さん、ぜひ楽しみにしていてください」
伊藤「30年ぶりなんですよ、舞台が。私1回しかやったことがなくて、それも昔ミュージカルだったんですけど。ちょっと緊張もしてるんですけれども、皆さんに助けていただきながら頑張っていこうと思いますので、ぜひご覧くださいませ」
比企「この作品は、3年前にも再演を拝見しておりまして、今の社会風刺にぴったりだと思うんですね。そういう意味でも、前回観たよりも、今年ご覧になった方のほうが『なるほど、今の私たちの社会を表現してるな』っていう感じが絶対すると思うので、よろしければ皆さん、ぜひ足をお運びいただければと思います」
野々村「僕61歳なんですけれども、この瀬川卓蔵という役は僕より10歳年上。今まで年下とか自分と同じ年齢の役ばっかりで、自分の10歳上ってどう演じたらいいのかな、と今からちょっとドキドキしています。どういうふうに演じるのか、そして若者たちをどう引っ張っていくのかを楽しんで観ていただけるように、1か月ぐらいの稽古を頑張りたいと思います」
田中「僕は初単独主演ということで、座長をやらせていただきます。いろいろ想像するだけでちょっと緊張したり、プレッシャーを感じたりもして。皆さんが想像するような頼もしい座長をできるか分からないですけども、僕なりに一生懸命、菊地英治、そしてこの作品に向き合って、観に来てくださった方々に届けたいなと思ってますので、ぜひ楽しみに来ていただけたらなと思います」
それぞれのアツい想いが会場を埋めたところで、「最後、ちょっと謝罪したいんですけど」と田中から申し出が。「すいません、僕、“中学15年生”じゃなくて、“中学18年生”でした。誤った情報を発信してしまって申し訳ありませんでした。さっき指で数えたら18でした、すいません」。作品に真摯に向き合いながらも、ユーモアは忘れない。そんな田中の“座長像”が垣間見える会見となった。
<あらすじ>
中学1年生の生徒たちは、大人たちの理不尽な管理や押しつけに反発し、夏休み初日に突如姿を消す。彼らが立てこもったのは、廃工場。そこで「大人への反乱」を掲げ、七日間にわたる自由な生活を始める。やがて学校や親たちが騒ぎ始め、マスコミや警察も巻き込んだ騒動に発展。仲間との絆や自分たちの信念、大人との対立を通じて、子どもたちは成長していくー
大人社会への痛烈なメッセージと少年少女の冒険心が光る青春群像劇が、舞台でよみがえる!
<公演概要>
舞台「ぼくらの七日間戦争2025」
原作:宗田理『ぼくらの七日間戦争』(角川文庫/角川つばさ文庫 刊)
脚本・演出:伊勢直弘
出演:
菊地英治 田中樹
相原徹 上遠野太洸
佐竹哲郎 大平峻也/きたつとむ/吉田知央(トリプルキャスト)
立石剛 松永有紘
安永宏 田中彪
中尾和人 縣豪紀/羽田将大(Wキャスト)
宇野秀明 澤邊寧央/堀田竜成(Wキャスト)
天野司郎 五十嵐角度
谷本聡 氏家蓮
柿沼直樹 北村悠
秋元尚也 皆藤空良
中山ひとみ 佐野ひなこ
橋口純子 中山莉子/二瓶有加(Wキャスト)
堀場久美子 島ゆいか
酒井敦 山崎裕太/金子昇(Wキャスト)
西脇由布子 太田奈緒/須藤茉麻(Wキャスト)
佐竹紀子 南園みちな/伊藤あいみ(Wキャスト)
宇野千佳子 福好まゆか
矢場勇 晃映ヒロ
田中康弘 おばらよしお/橋本直也(Wキャスト)
堀場千吉 宮本大誠
橋口暁子 緒月遠麻
柿沼奈津子 月影瞳
相原園子 大林素子
菊地詩乃 伊藤かずえ/比企理恵(Wキャスト)
丹羽満 遠山俊也
瀬川卓蔵 風間トオル/野々村真(Wキャスト)
※キャストの出演日程は公式HPをご参照ください。
<東京公演>
日程:2025年8月24日(日)~9月2日(火)
会場:東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
<大阪公演>
日程:2025年9月10日(水)~18日(木)
会場:東京建物 Brillia HALL 箕面(箕面市立文化芸能劇場) 大ホール
<京都公演>
日程:2025年9月24日(水)~28日(日)
会場:京都劇場
<愛知公演>
日程:2025年10月2日(木)~3日(金)
会場:東海市芸術劇場 大ホール
<熊本公演>
日程:2025年10月24日(金)~28日(火)
会場:熊本城ホール メインホール
<東京凱旋公演>
日程:2025年11月7日(金)~9日(日)
会場:東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
チケット(全席指定・税込):11,000円
一般発売日:
東京公演 7/12(土) 11:00~
大阪公演 8/2(土) 11:00~
京都公演・愛知公演 8/16(土) 11:00~
熊本公演 9/13(土) 11:00~
東京凱旋公演 9/27(土) 11:00~
お問合せ:https://stage-sevendays-war.com/contact
公式サイト:https://stage-sevendays-war.com
公式X:https://x.com/s_sevendays_war
公式Instagram:https://www.instagram.com/stage_sevendays_war
主催:舞台「ぼくらの七日間戦争2025」製作委員会
企画・制作:キョードーファクトリー/T-gene
宣伝:キョードーメディアス