【東京都台東区】梨木香歩氏×「リサとガスパール」の画家による、国立西洋美術館がテーマの絵本が発売

出版社のブルーシープは、作家の梨木香歩氏と画家のゲオルグ・ハレンスレーベン氏が手掛けた、「国立西洋美術館」を題材にした絵本『森のはずれの美術館の話』2,200円(税込)を、8月5日(火)に国立西洋美術館にて、8月20日(水)に全国の書店にて発売する。

東京にある西洋美術専門の美術館

「国立西洋美術館」は、東京・上野公園内に位置する、西洋美術専門の美術館。

フランス政府より寄贈返還された「松方コレクション」を基礎に、主にルネサンスから20世紀半ばまでの西洋の絵画、彫刻、版画、素描などを所蔵。ルノワールやピカソなど一度は耳にしたことのある作家の作品が並び、西洋美術の流れを展望できる。

そんな「国立西洋美術館」を題材とした新しい絵本『森のはずれの美術館の話』。

文を紡いだのは小説『西の魔女が死んだ』などで知られる作家の梨木香歩氏、絵は絵本「リサとガスパール」シリーズでお馴染みの画家ゲオルグ・ハレンスレーベン氏が手掛けた。

国立西洋美術館は、東洋に現れた「西洋への窓」。数奇な運命を辿ってやってきたコレクションは、森のはずれの美術館で「西洋のかけら」としてきらめき、そこでは“東”と“西”が静かに見つめ合っている。

そんな特別な場所で、人が絵と結ばれることの喜び、そして大切なものを見出すことの幸せを、二人の名手が静かな力強さで描き出す。

絵本の内容を簡単に紹介しよう。

絵本は2部構成。

第1部は「電車に乗って美術館にきたある母子の話」だ。ある日、美術館にきた男の子がお母さんとはぐれてしまうところから物語ははじまる。

男の子が出会ったあひると印象的な瞳の女の子、謎めいた紳士は誰なのか？彼らに導かれ、やがて男の子は一枚の絵と出会い、不思議な交わりを体験することになる。

第2部「西洋美術館クロニクル」は、大人の読者に向けたエピローグとして楽しめる、数年後の未来を舞台にした物語。

遥か東の国に、西洋絵画を展示する美術館が生まれるまでの歴史を、ファンタジーと現実が交錯する詩的な語り口で描く。

その眼差しは、建築家の矜持、西洋の誇りと脅威を象徴する“竜”の存在、そして絵を見る人、絵を守る人々へと向けられていく。

著者からのメッセージが寄せられている。

文を担当した梨木香歩氏は、「この物語創りに着手する前に考えていたことは、収蔵作品の最初のコレクターや戦時中それを守り通した人、さらに確固たる伝統芸術がすでに根付いているこの国に、西洋美術の殿堂となる建物を依頼された建築家の意気込みと自負……

多くの人びとの思いが畳み込まれた美術館の物語であるとともに、絵を見るためにやってきた、たった一人の物語でもなくてはならない、ということでした。」とコメントしている。

絵を担当したゲオルグ・ハレンスレーベン氏は、「最初にこの本のプロジェクトのことを聞き、梨木香歩さんの素晴らしい文章を送ってもらったとき、とてもわくわくしました。

すぐに制作に取りかかると、国立西洋美術館の写真やビデオ、資料をもとに、たくさんのドローイングを描きました。見たものすべてがすばらしく、とりわけきらきら光る床とそこに映る深い反射に心を奪われました。

まるでジヴェルニーのモネの池に映る風景のようで、その向こうに広がる魔法の世界へ誘われるようでした。子どもの頃、父と訪れて以来、美術館は私にとっていつも魔法のような場所でした。

この本の絵で、そうした魔法の一端を表現することができていたら、とてもしあわせです。いつか、この素晴らしい美術館を訪ねてみたいです」とコメントを寄せている。

森岡書店　外観

絵本は、8月4日(月)に銀座・森岡書店にて最速先行販売を行う。

同店では、8月4日(月)～8日(金)の期間、出版記念展も開催。会場では、ゲオルグ・ハレンスレーベン氏による原画・スケッチを特別展示するほか、サイン入り書籍や、ゲオルグ氏の絵の販売も実施。

続いて、8月5日(火)に国立西洋美術館ミュージアムショップにて先行販売を開始し、8月20日(水)に全国の一般書店で発売を開始する予定だ。

西洋美術館の限定特典として、表紙「夜」版に加え、特別仕様の「昼」版も販売するそう。

絵本や美術に興味がある人、作者のファンは手にとってみてはいかが。

ブルーシープ書籍ページ：https://bluesheep.jp/projects/ morinohazure
国立西洋美術館ウェブサイト：https://www.nmwa.go.jp/jp

(鈴木京)