【千葉県千葉市】海と緑に包まれる「稲毛海浜公園」。海辺・美術館・日本庭園など、家族でくつろぐひととき

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和風庭園を歩ける「浜の池」

千葉県千葉市美浜区の東京湾沿岸に位置する「稲毛海浜公園」は、国内初の人工海浜「いなげの浜」をはじめ、芝生広場、回遊式の日本庭園、五感を生かした体験型アートを楽しめる「BOTANICA MUSEUM(ボタニカミュージアム)」など、多彩な施設を有する総合公園だ。

四季を通して友人や家族とくつろぎの時間を過ごすのにぴったりな「稲毛海浜公園」の魅力について、地元在住ライターの筆者が紹介しよう。

四季の自然に囲まれる園内

忙しい日々の中で、ふと時間ができた日。そんな日には自然の中でゆっくり時間を過ごしたいな、と思うことがある。都会の喧騒から離れていて自然が多い場所、見所も多いとの嬉しい。そんな場所について思いを巡らせるとき、筆者が思い浮かべるのは「稲毛海浜公園」。面積約83ヘクタールの広大な園内は、海も緑もアクティビティも充実!

2025年3月には「花の美術館」が「BOTANICA MUSEUM」としてリニューアルオープンしたと聞いてから、気になっていたし、夏らしく海辺に行って過ごしてみるのもよさそう。ということで、青空が広がる平日に訪れてみた。

「稲毛海浜公園」は、JR総武線「稲毛駅」から約15分、JR京葉線「稲毛海岸駅」から約10分のところにある。いずれも駅前からバスが出ているので、駅からの移動も便利。今回はJR稲毛駅から向かったので、西口を出て右側のロータリーを進んだところにあるバス停から、京成バス千葉セントラル「稲毛海浜公園プール」行きに乗車した。

降りる際には、園内の目的地に合わせてバス停を変えると移動しやすい。例えば、目的地が「稲毛海浜公園プール」ならそのまま終点まで乗っていけばよいし、「BOTANICA MUSEUM」なら「花の美術館」、「稲毛記念館」周辺なら「高浜南団地」が最寄りのバス停になる。


筆者は「高浜南団地」で下車して、まず日本庭園を目指した。「稲毛記念館」に隣接した「海星庵」は回遊式庭園を併設した茶室で、四季折々の自然を静かに楽しめる、落ち着いた空間が広がる。園内には、石畳の小道や池、植栽などがあり、歩くたびに風景が移り変わる。


茶室では、日本文化をより深く感じる体験もできる。潮風が吹き抜ける回遊式日本庭園は、歩くだけで心も体もほどけていくのを感じる。「稲毛海浜公園」を訪れるならぜひ歩いてみてほしいスポットだ。


展望を楽しむなら、隣接の「稲毛記念館」3階の展望室がおすすめ。館内エレベーターで直通、総ガラス張りの展望室からは視野300度に広がる景色を眺めることができる。


眼下には「海星庵」の日本庭園、


遠くには東京湾から市原の工場コンビナートまでを見渡せる。散策の合間にひと息つくにもぴったり。ただし、空調設備がないので真夏の利用は気を付けて。個人的には、冬の午後がおすすめだ。以前に訪れた際、日光がぽかぽかと差し込む展望室は、なんとも心地よかったのを覚えている。


ちなみに、公園中心に位置する「浜の池」でも開放的な和風庭園を楽しめる。


池の周りをぐるりと囲うように芝生広場と散歩道があり、ちょっと一息つけるベンチも配置されている。緑と水を感じながらほんのひととき安らぎを味わう過ごし方を楽しんでみては。


行楽日和にピクニックや屋外アクティビティを楽しめるのは「芝生広場」。その名の通り、一面に芝生が広がる広々とした場所で、家族連れやグループが思い思いの時間を過ごせる。

「芝生広場」の一角にある森の中の散歩道

その一角には、木々に囲まれた散歩道も。自然の中でノスタルジックな空気も感じられる道は、夏の日差しを枝葉がやわらげてくれる。歩くたび木漏れ日が揺れ、ふと吹き抜ける風が暑い季節でも心地よい涼しさを与えてくれた。

多種多様な木々に包まれる「想い出の森」

森の中を歩くなら「想い出の森」もおすすめ。野外音楽堂手前にあるこのエリアは、約3,300人の市民によりタブノキ、ヤマモモ、シロダモ、ヤブニッケイなどの木が約1万2,600本を植えて作られている。木々が生い茂る小道は、木々と土の匂い、セミの鳴き声などに満ちている。まるで深い森の中に迷い込んだような感覚に、奥には何か秘密があるのでは?という子供の頃のわくわくした気持ちも思い起こさせてくれる場所だ。


自然を堪能するのもいいけど、アクティブに過ごしたい!という人は、「パルコース」に訪れてみて。広場のシンボル的存在の巨大なザイルクライムや、ブランコ、滑り台、健康遊具などがそろっており、子どもから大人まで楽しみながら運動できる。

青と白のコントラストが美しい海浜

「海浜公園」という名の通り、やはり海の存在がこの公園の大きな魅力のひとつだ。緑あふれる空間で過ごした後は、自然と海へと足が向く。


海浜沿いに続く「磯の松原」は、千葉市民約6千人の手で植えられた約6万本のクロマツが並ぶ。


たくましく育ったクロマツの間から海に臨む景色も風情がある。


「いなげの浜」は、元々は遠浅の海岸で海水浴や潮干狩りが楽しめる場として地元住民に親しまれていた。その後埋め立てられた海岸を、1976年に国内初の人工浜として整備、復活させたという。

全長約1,2kmの海浜を輝かせるのは、ホワイトサンド。2019年に。西オーストラリア州アルバニー産の白砂を使用して改修し、今では白い砂浜として生まれ変わった。きらきら輝く青い海と白い砂の美しいコントラストを楽しめるここでは、まるでリゾートのような非日常感を味わえる。

「海へ延びるウッドデッキ」から眺める夕日

さらにリゾート気分を満喫できるのが、「いなげの浜」の中心部にあるメインストリートから海に向けてある「海へ延びるウッドデッキ」だ。全長90m、幅10mのピア(桟橋)から眺めるサンセットはなんとも美しい。ウッドデッキの営業時間は6:00~22:00、入場無料。シーズン・天候により営業時間は変動の可能性があるので、最新の営業情報をチェックしてから向かうと安心だ。海の上で潮風に吹かれながら過ごすのなら、ぜひ訪れてみて。

五感すべてで感じる体験型ミュージアム


屋外で自然をたっぷり味わった後は、アートと自然が融合した空間へ。2025年3月に「花の美術館」を改装してリニューアルオープンした「BOTANICA MUSEUM」は、世界で活躍するフラワーアーティスト・HIKARU SEINOが全面プロデュースした、五感を生かした体験型アートを楽しめる美術館。「自然という奇跡を思い出す場所」をコンセプトに、「視覚」「聴覚」「嗅覚」「触覚」「味覚」による唯一無二の体験ができる。視覚から情緒へ、聴覚から心身へ、嗅覚から記憶へ、多彩なオブジェクトは人間の生活や心を豊かにするヒントを考えるきっかけを与えてくれる。


「MICRO KIDS(ミクロキッズ)」は、子どものような純粋な気持ちで自然と触れ合うことを思い出させてくれる作品。


「MOSSMOSS(モス・モス)」は、自然環境の維持における苔の重要性を、地球の血管として表現した作品。苔をまとった枝が這うように広がる光景は圧巻だ。


未知の生物のようなたたずまいを見せるこちらは「BOTANICALIEN(ボタニカリアン)」。「人の個性=人生」と「植物の個性=植生」を照らし合わせた作品だ。互いの個性が作用しあう自然界の動きから、人間が気づくべきことを表現しているそう。


「視覚」「嗅覚」「聴覚」から同時に感じる「BOTA Hz(ボタヘルツ)」。花と緑に包まれた円筒状の巨大なオブジェクトに、反響する音と漂う香り、すべてが融合する空間では、忙しない現実世界のことをひととき忘れて過ごせる。

作品解説パネル。二次元バーコードを読み込むと、未知なる架空生物の生態などを知れる

これらの作品は、架空のエイリアンとしても存在しているもの。各アート作品前のパネルにある二次元バーコードをスマートフォンで読み込むと、生息地や生態などの詳細を知ることもできるのでぜひ試してみて。


館内の回路の先は、熱帯や亜熱帯地域の植物が集められたボタニカリウム(温室)になっている。

そびえたつガジュマルの木

鮮やかな花弁が目を引く「ハイビスカス コキオ」。ハワイ語で「ハイビスカスの原種」の意味を持つ

ハイビスカスやガジュマルなどの木花が、異国情緒あふれる空間を作り出している。


温室中央には、滝が流れる岩場。その上には、ロープが張られた橋の通路がある。ジャングルの中を歩くような冒険心を刺激してくれる空間は、家族連れが楽しそうに回遊する姿も多く見られた。

バンブルビーガーデン(中庭)も見逃せないスポットだ。館内のスロープ近くにあるドアを抜けると、そこには回遊式の中庭がある。併設されたレストランからはこの中庭を眺めながら食事を楽しむことができるのもポイント。ベンチも配置されているので散歩の途中の休憩にもうってつけだ。

中庭の階段ベンチから眺める景色

特におすすめしたいのが、中庭の右奥にある階段式のベンチ。中庭を一望できる隠れた絶景スポットなので、「BOTANICA MUSEUM」に訪れたらぜひ立ち寄ってみてほしい。庭園を眺めながら心身を休める時間が、日常生活で忘れていた自然と人間とのあり方を思い出させてくれる。

開園時間は、館内・火~木曜10:00~16:00(最終入館15:30)、金曜~日曜・祝日10:00~16:00(最終入館15:30)/17:00~21:00(最終入館20:30)。屋外開放時間は火~木曜9:45~16:30、金曜~日曜・祝日9:45~21:30。前庭・脇庭・後庭を含む定休日は月曜日、祝日の場合は翌平日が休み。

入場料は、昼の部は、中学生以上の大人1,000円/4歳~小学生の子ども500円/3歳以下は無料。夜の部は、同順で2,000円/1,000円。2026年3月まではオープン価格として、200円~800円お得に入場できる。通常時でも3歳以下は無料と、小さな子ども連れの家族にはうれしいサービスだ。

夏季限定の複合型プール

「稲毛海浜公園プール」の様子

ここまで「稲毛海浜公園」のさまざまなエリアを紹介してきたが、夏季限定でプールも営業しているので紹介しよう。

2022年7月にリニューアルオープンした「稲毛海浜公園プール」のコンセプトは“レトロモダン”。開設以来、長年親しまれてきた従来のプールコンテンツに、ウォータースライダーやエア遊具などが加わった。

DIAMONDシート

子どもが楽しめるだけでなく、大人がくつろいだ時間を過ごせる席も。テーブル・ソファ・パーテーション完備の「DIAMONDシート」、ファミリー向けでテーブル・ソファ付きの「GOLDシート」、カジュアルに使用できるテーブル・ベンチ付き「INAPOOシート」または「PAIRシート」の4種類を用意。場所取りせず快適に1日を過ごしたいときには、有料シートサービスを活用して損はないはず。

エリア内では、レストランに加えてキッチンカーも並ぶ。今年の夏は、フード店舗数を昨年の約3倍の15店舗まで大幅拡大。“フード万博”として和・洋・アジア・スイーツまで、世界の料理を楽しめる。

四季の自然と海辺の風景が調和する「稲毛海浜公園」は、訪れるたびに新たな魅力に触れることができる。

気軽な散歩にも、ゆっくりと家族で過ごす休日にも、特別な思い出作りにも。忙しない毎日につかれたとき、“ちょっと特別な時間”が詰まった「稲毛海浜公園」に訪れれば、きっと心と身体をほぐす1日が過ごせるはず。

■稲毛海浜公園
住所:千葉県千葉市美浜区高浜7-2-1
駐車場営業時間:6:00~22:00
※公園内には24時間立ち入り可能
休園日:無休
入場料:無料
※休園日、入場料は施設ごとに異なる。
詳細:https://www.city.chiba.jp/toshi/koenryokuchi/kanri/chuo-mihama/inagekaihinkoen.html

■BOTANICA MUSEUM
詳細:https://sunsetbeachpark.jp/botanicamuseum

■稲毛海浜公園プール/The SUNSET Pier & Café/海へ延びるデッキ
詳細:https://sunsetbeachpark.jp

 

(Kanako Aida)

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