兵庫県鞄工業組合ならびに兵庫県豊岡市が、2025年度グッドデザイン賞を受賞した。
今回の受賞は、豊岡市を代表する地域認証ブランド「豊岡鞄」が培ってきた、地域と職人の誇りを未来へ繋げる約3年間の活動・取り組みを対象としたものだそう。
11月1日(土)〜5日(水)に東京・六本木の東京ミッドタウンで開催される「2025年度グッドデザイン賞」の全受賞作を紹介するイベント「GOOD DESIGN EXHIBITION 2025」にて、受賞した取り組みについて展示される。
鞄の街・豊岡の「豊岡鞄」
「鞄の街 豊岡」は、奈良時代から始まる柳細工が起源とされ、江戸時代に柳行李生産の隆盛をむかえたそう。大正以降は、その伝統技術と流通経路を基盤に、新素材への挑戦とミシン縫製技術の導入により鞄の生産地となったのだとか。
今日では、トータルファッションの重要アイテムとしての鞄・バッグの産地、「日本製の鞄」を生産する拠点として全国から注目を集めている。
豊岡市で作られた鞄は、「豊岡産」「豊岡製」「日本製」などと呼ぶことができる。それら豊岡産の鞄の中でも、兵庫県鞄工業組合が定めた基準を満たす企業によって生産され 、審査に合格した製品が「豊岡鞄」と認定されている。
取り組みの概要とその成果
兵庫県鞄工業組合ならびに兵庫県豊岡市は、地域事業者やステークホルダーを巻き込み、参加型ワークショップにて自分たちの将来ビジョンを共有・言語化してきた。
また、地域産業として長い歴史の中で培われてきた技術や誇りなどを伝えるmクリエイティブアセット(ステートメント、ビジュアルアイデンティティ等)を開発・活用している。
さらに、次世代の担い手減少、高齢化、職人・地域プライド醸成という課題に対し、自分たちの強みを活かしたPR活動を実施してきた。
結果、webサイトのPVやユニークユーザー数、SNSフォロワー、指名検索数、EC売上、ふるさと納税額などが顕著に伸長したという。そして、地域ブランドの価値向上と経済的成果の両立を実現している。
評価ポイント
今回の受賞においては、多岐にわたる関係者間における相互理解・ビジョンの協議・共有により抽出された価値から品質にこだわる世界観を構築し、高齢化や人材不足、消費者との関係希薄化といった課題と向き合い、地域と職人の誇りを基盤に認知・価値向上と経済的成果の両立を実現した点が評価されたそう。
審査員は、「全国の地域産業が衰退傾向にある中、未来への『前向きさ』をデザインした点が高く評価された。多岐にわたる関係者の合意形成を図り、ワークショップで将来ビジョンを策定し、やるべきことを明確にしたことは特筆すべきである。
この粘り強い取り組みと地域全体を巻き込む手法は、日本のものづくり再興に向けた優れたモデルケースとなるだろう。特に『夢のかばん』プロジェクトは、単なるPR活動に留まらず、職人たちの誇りを再認識させ、地域にシビックプライドを深く醸成した。文化的価値と経済的成果を見事に両立させた、未来に続く力強いデザイン活動である。」と評価している。
兵庫県鞄工業組合理事長のコメント
兵庫県鞄工業組合理事長 衣川英生氏は、「豊岡の鞄づくりは1200年を超えるとされる長い歴史を持ち、日本一の鞄の生産地であるにも関わらず、この豊岡という地名が皆さんに知れ渡っていないという現状がありました。
この3年間の取り組みを通じて、日本全国の小さいお子様から年配の方々まで、非常に多くの皆様と触れ合い、知名度の拡大とともに豊岡鞄として大きく成長することができました。
この3年間の取り組みで得られた学びを活かし、日本のものづくりを支える一つの団体として、業界並びに社会の発展のためにますます切磋琢磨しながら、地域と職人の誇りを未来へ繋いでいくため、これからも邁進していきたいと考えています。」とコメントしている。
、日本のものづくり再興に向けた優れたモデルケースとなるであろう、「豊岡鞄」の取り組みに注目してみては。
「豊岡鞄」公式HP:https://toyooka-kaban.jp
「GOOD DESIGN EXHIBITION 2025」詳細:https://www.jidp.or.jp/ja/2025/10/02/gde2025news?query=tagNames%3DNEWS%26categoryCodes%3Daward
※「豊岡鞄」は、2006年11月10日に特許庁に地域団体商標として認定された兵庫県鞄工業組合の登録商標です。
(Higuchi)
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