
生食用牡蠣『的矢かき』の養殖・販売を手掛ける、三重県志摩市の佐藤養殖場が、牡蠣殻を肥料として活用し、酒米「神の穂」を栽培して、その米で日本酒を醸造する「里海循環プロジェクト」を始動。同プロジェクトは、G7伊勢志摩サミットの乾杯酒を手掛けた三重県伊賀市の大田酒造、および志摩市の稲作農家・前田俊基氏と連携して行うものだ。
プロジェクトの実現に向け、11月7日(金)より、クラウドファンディングプラットフォーム・READYFORにて、300万円を目標とする資金調達がスタートした。
100年の歴史を持つ佐藤養殖場
大正14年の創業以来、美味しくて安全な『的矢かき』づくりに励んできた佐藤養殖場。三重県志摩市の豊かな里海に育まれ、100年にわたり安全で高品質な生食用牡蠣を養殖・販売してきた。その歴史は、常に「海に生かされてきた」という自然環境への感謝と共にあるという。
しかし近年、海の環境変化や地域の過疎化・高齢化に加え、「牡蠣殻の再利用」という課題も抱えていたのだそう。牡蠣殻を更に有効活用し、農業とも連携し海の恵みとして地域に還元できないか。これが「里海循環プロジェクト」の出発点だ。
地域の一次産業と二次産業を連携させる新たな挑戦

伝統の技を守りながらも、時代の変化に応える新たな挑戦として、牡蠣づくりだけでなく、牡蠣殻を肥料に再利用し、酒米栽培や日本酒醸造へとつなぐ「里海循環プロジェクト」は、牡蠣殻を「海のミネラルを豊富に含む肥料」として捉え直し、地域の一次産業(水産・農業)と二次産業(酒造)を連携させる新たな挑戦。
水産業の佐藤養殖場が、牡蠣養殖の過程で発生する牡蠣殻をパウダー状に加工し、肥料として供給。農業の前田俊基氏が、牡蠣殻肥料を漉き込んだ田んぼで、三重県産の酒米「神の穂」を栽培し、海のミネラルが丈夫な稲を育成。酒造業の大田酒造が、収穫された「神の穂」を使い、特別な日本酒を醸造することで、海の栄養が米の味に反映される「海のテロワール」とも言える、これまでにない味わいを目指す。
この取り組みは、単に日本酒という商品を作ることが目的ではないとのこと。この活動を通して海を守り、地域の自然環境を次世代へと引き継ぎ、新たな仕事を生み出すこと。そして、将来にわたって持続可能な産業連携モデルを築くことこそが、佐藤養殖場が目指す“里海循環”の仕組みづくりだ。
大田酒造について
「里海循環プロジェクト」での醸造を担うのは、明治25年創業の大田酒造。代表銘柄「半蔵」は、2016年G7伊勢志摩サミットのワーキングディナーで乾杯酒に選ばれ、世界にも認められた日本酒だ。 七代目蔵元杜氏の大田有輝氏が、「牡蠣殻で育った未知の原料」のポテンシャルを最大限に引き出し、蔵の威信をかけて新たな酒造りに挑む。
佐藤養殖場代表と大田酒造蔵元杜氏の想い
「里海循環プロジェクト」に際し、佐藤養殖場の代表取締役・濱地大規氏は、 「1000年以上続く海女のふるさとである志摩の地で、私たちは海に生かされてきました。海女さんたちが海藻を畑の肥料にする知恵をヒントに、牡蠣殻を活かした里海の循環を創り出せないかと考えました。この挑戦は、水産業と農業、そして日本酒造りの連携という共創の姿です。どうか私たちと共に、次の100年を紡いでいただけたら幸いです」とコメント。
大田酒造の蔵元杜氏・大田有輝氏は、 「G7サミットの乾杯酒を担った蔵元として、品質に一切の妥協はできません。牡蠣殻のミネラルを吸った米は、私たちにとっても『未知の原料』です。しかし、このプロジェクトが持つ『里海循環』の理念に強く共鳴し、酒造りのプロとしてこの未踏のテロワールに挑むことに興奮を覚えています。世界に誇れる『里海の一杯』を必ずや結実させます」と想いを寄せている。
クラウドファンディングは12月25日まで
またREADYFORでは、「海の恵みが、酒になる。三重県志摩の里海循環から生まれる日本酒。」と題し、佐藤養殖場がクラウドファンディングを実行中。募集期間は12月25日(木)までで、集まった資金は酒米「神の穂」の試験栽培費用、牡蠣殻肥料の製造費用、日本酒の醸造委託費用、リターン品の開発・発送費用などに使用される。
水産業から農業、酒造業へと広がる循環型モデルを通じ、海と人、そして地域の未来をつなぐ持続可能なものづくりを目指す日本酒プロジェクトを、応援してみては。
READYFOR:https://readyfor.jp
プロジェクト名:海の恵みが、酒になる。三重県志摩の里海循環から生まれる日本酒。
佐藤養殖場HP:https://seijyoumatoyakaki.com
(佐藤ゆり)
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