
神奈川県川崎市の老舗居酒屋「戸田ヤ」の店先で生まれた半円型の暖簾「扇暖簾(おうぎのれん)」が、京都デザイン賞2025に入選した。
入口の体験を変えるために生まれた、半円の暖簾

2:1(横幅:長さ)が標準比率
「扇暖簾」とは、“入口の体験を変えるために生まれた、半円の暖簾”。従来の暖簾は長方形が一般的だが、扇暖簾は半円形の曲線という独自形状で構成されており、角を持たない半円が、入店時の心理的ハードルをやわらげるという。
さらに、半円のカーブが視線をやさしく遮りながら、空間へと誘導。設置するだけで空間の印象が変わり、静かに、かつ印象的な形状が店舗や住居に新しい表情を与えてくれる。
「扇暖簾」は、従来の暖簾同様、棒に通すだけで使用可能。ホテル、結婚式場、個人宅など、和洋問わず馴染むミニマルな造形になっているのも特徴だ。
古来より末広がり、繁栄、吉兆を表す“扇”。「扇暖簾」は、扇が仰ぐようにやさしく動き、尖らずも埋もれず、ほんの少し視界に残るデザインとなっている。
「扇暖簾」の標準サイズはW1800×H900mmだが、その他多様なサイズにも対応。価格は標準サイズ31,000円〜で、受注製作となっている。
「扇暖簾」の原点は、家族経営の居酒屋「戸田ヤ」

「扇暖簾」の着想源は、川崎区にある家族経営の居酒屋「戸田ヤ」。戦前の1940年代に酒屋として創業し、1985年に酒屋の角打ちから発展して現在の居酒屋スタイルに移行した。
地域の人が集うアットホームな店で、現在は3代目姉妹が切り盛りしている同店。「戸田ヤ」の3代目の息子であり、デザイナーである川畑健人氏(THE NORENMAKER)は、初めて店を訪れる人が、扉を開ける瞬間の緊張や、中の様子が見えない不安を抱えていることを、家族の営業を間近で見ながら感じていたという。
「この入口の負担を、デザインで少しでも軽くできないか。」その問いが、「扇暖簾」の原点だ。
「扇暖簾」が、京都デザイン賞2025に入選

今回、「THE NORENMAKER」が制作する「扇暖簾」が、京都デザイン賞2025にて入選。建築・プロダクト・ファッション・グラフィックなど多様な分野から審査員が選ぶ同賞において「扇暖簾」が選出され、その特有の形状が評価された。
11月22日(土)には、京都府庁旧本館・旧議場にて京都デザイン賞2025授賞式、講評会を実施。
「THE NORENMAKER」は、地域に根づく一軒の小さな居酒屋から誕生したデザインが、京都という文化の中心地で評価されたことは大きな意義があると考えている。
デザイナー・川畑健人氏の想い

「THE NORENMAKER」デザイナーの川畑健人氏は、「この度、京都という伝統と革新の地で扇暖簾を評価いただき、大変光栄です。扇暖簾は、小さな居酒屋の入口から生まれました。
“緊張をやわらげる入口のデザイン”というささやかな願いが形になり、こうして全国に届いたことを嬉しく思います。今後は住宅、飲食店、ホテル、イベントスペースなど、より多くの空間へ扇暖簾という新しい選択肢を広げていきたいと考えています」とコメント。
この機会に、京都デザイン賞2025に入選した、川崎の老舗居酒屋発「扇暖簾」をチェックしてみては。
■戸田ヤ
住所:神奈川県川崎市川崎区浅田3-8-1
Instagram:https://www.instagram.com/toda_ya
THE NORENMAKER公式サイト:https://rzzl6817.wixsite.com/-site-2
(佐藤ゆり)
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