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青森県旧稲垣村(つがる市)
日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、青森県旧稲垣村(つがる市)を写真とともに紹介する。
Vol.401/青森県旧稲垣村(つがる市)
次にやってきたのは、旧稲垣村だ。東西を岩木川と山田川に挟まれた低湿地の土地だ。かつては氾濫も多かったそうだが、今では広大な米作地域になっていると。すなわち、江戸時代の新田開発で開拓をしてきた人たちがいるということだ。
いくつかのお店や住宅街を巡っていく。建物は古いものも多く、その味わいを見ていると、津軽らしい建物だと感じられる。訪れた時期は夏だから、冬のことも想像しなければならない。厳しい雪と寒風が1年の1/4を占めるわけだ。その厳しさを乗り越えてきた建物の姿には、単なる古さ以上のたくましさがある。
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旧稲垣村へ
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ドラッグストアがあったり
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住宅が並んでいたり
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ひまわりも咲いていた
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一本タモの木
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1000年間、何を見てきたのだろう
また、樹齢千年を越えるという、タモの木も見に行ってみた。木は岩木川のすぐそばで、「樹齢壱千年 市指定文化財 一本タモ」と堂々たる立札もあった。向かいには住宅もいくつか建っている。案内の立札によると、
「弘前藩政期(江戸時代)の新田開発の頃、広大な湿原地帯に立つこの樹は地域の目印であり、いつしか崇拝の対象ともなったと伝えられる」
と。確かに小さな鳥居も建っている。今では想像もつかないけれど、北海道で見られるような一本の木のイメージかなあ。そして、今でもこの木が残っているというのは、やはりすごいことだ。1000年もの間、このタモの木はどんな景色を見てきたのだろう。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
仁科勝介公式Twitter:https://twitter.com/katsuo247
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