【青森県旧三厩村(外ヶ浜町)】龍飛崎のお母さんと、沢木耕太郎さんの訪れた三厩駅と

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青森県旧三厩村(外ヶ浜町)

日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。

今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。

「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。

今回は、青森県旧三厩村(外ヶ浜町)を写真とともに紹介する。

Vol.407/青森県旧三厩村(外ヶ浜町)

旧三厩(みんまや)村でもっともわかりやすいのは、「龍飛崎」があるということだろう。津軽半島最北の地であり、最果ての地とも呼べる龍飛崎。小泊から徐々に坂道を登っていくと、途中からは完全に霧に包まれて、景色が一変した。さすが龍飛崎への道だと思われた。

そして、龍飛崎には知られた人物がいる。「たっぴの母さん」と呼ばれるお母さんだ。赤い服を着た明るい方で、観光客に特産品を売っている。前回の旅でもたっぴの母さんはいらっしゃったけれど、5年ぶりに訪れた今日も、お母さんはいたのだ。

「5年前にもお会いしました!」

と挨拶をして、握手をしてもらった。ぼくが話し込んでいる間に、ゾロゾロとほかの観光客も集まってきて、財布の紐が緩い人たちに、飛ぶように商品が売れていった。お母さんの話術も抜群だった。そしてぼくも1500円分、お土産を買った。

龍飛崎の方だけ日が差しているのかな

龍飛崎下の港

龍飛崎へ

お母さんもご健在で嬉しかった

この地といえば、津軽海峡冬景色である

三厩駅へ

津軽半島最北端の駅だ

もうひとつ、旧三厩村で行きたい場所があった。それは三厩駅だ。旅の道中で沢木耕太郎さんの「旅のつばくろ」という本を読んだ。その中に、三厩駅を訪れたエピソードが収められていたのだ。津軽半島最北端、津軽線の終着駅であり、「終着駅度」という沢木さん独特の表現で描かれた文章に惹かれて記憶に残っていた。その言葉が景色を想像させてくれた。そして、その場所を、自分の目でも見ておきたかった。実際に三厩駅に立ち、周囲に広がる静かな住宅地を眺める。この北には厳しい海が広がるばかり。日本の広さと果てしなさを思う。

(仁科勝介)

写真家プロフィール

仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
仁科勝介公式Twitter:https://twitter.com/katsuo247
仁科勝介公式Instagram:https://www.instagram.com/katsuo247

  

  

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