【北海道旧音別町(釧路市)】釧路市の飛び地のまちでツルを見る

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北海道旧音別町(釧路市)

日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。

今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。

「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。

今回は、北海道旧音別町(釧路市)を写真とともに紹介する。

Vol.442/北海道旧音別町(釧路市)

朝8時過ぎまで、雨が止むのを待つ。9月に入り、外に出ると十分に涼しくて、空は霧が混じったような分厚い雲で覆われている。

道中、生い茂る木々に囲まれていたり、広大な畑が広がっていたり、牛が放牧されていたり、ほとんどウインカーを出すこともなく、一本の国道をさまざまな景色が流れていく。

旧音別(おんべつ)町へ訪れた。釧路市の飛び地のまちだ。あいだに白糠町を挟んで、釧路市の市街地まで40kmほど離れている。釧路市ではあるけれど、旧音別町で独立している。

丘の上から市街地を見てみると、低い丘が長細く広がっていた。その手前に広がる集落の姿は、景色もあいまって違う国に来たようにも感じられるけれど、紛れもなく北海道なのだと。

旧音別町へ

根室本線だ

交流館のおんぽーと

音別の和紙、富貴紙

技名っぽい

おじさんが、ツルを見ていて、ぼくも見つけた

観光交流施設の「ルート38 音別館おんぽーと」では、富貴紙の存在を知った。富貴紙は蕗の皮を原料につくる、音別地域の和紙。展示された紙を見ると、蕗の繊維が紙の中に残っていて、若干の凹凸もあり、独特の味を感じた。

市街地の中心を流れる音別川の写真を撮ろうと思って、橋を訪れる。そこに、ひとりのおじいさんが自転車を停めて、川の上流を眺めていた。目が合ったので、何を見ているのですかと尋ねたら、「ツルだよ」と。

えっ、ツルが川上にいる? 目を凝らすと300mほど上流に、タンチョウヅルと思われる姿が3羽いた。すごい! おじいさんがいなければ、まったく気が付かなかっただろう。それに、9月でもツルがいるんだ。もっと厳冬期の頃だと思っていた。「おん、たまにいるんだよ」とおじいさんは言った。

(仁科勝介)

写真家プロフィール

仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
仁科勝介公式X:https://twitter.com/katsuo247
仁科勝介公式Instagram:https://www.instagram.com/katsuo247

  

  

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