「こども宅食応援団」が、佐賀市で「こども宅食赤ちゃん便」をスタートする。「こども宅食応援団」が2025年に調べた結果によると、これは全国初の取り組み。定期的に家庭を訪問し交流することで、産後うつや児童虐待などの早期発見するとも狙いとしている。
「こども宅食赤ちゃん便」とは
「こども宅食赤ちゃん便」は、妊娠期からつながりを持ち、お母さんの妊娠・出産・子育てに関する不安や悩みを聞き、寄り添い、見守りながら支援を行う取り組み。実際にそれぞれの家庭を訪問することで、お母さんの孤立感を軽減し、安心して妊娠、出産、育児ができるようサポートを行っていくのが目的だ。
対象となる世帯は、特定妊婦や、暮らしに困りごとを抱える世帯。訪問時には、オムツやミルク、肌着などのベビー用品と食品を持参する。1時間ほど、お母さんと対話の時間を持つことで、抱えている困りごとを把握し、必要な支援へとつなげていく。また、訪問時以外もLINEでつながるなど、身近なママ友のような感覚で親子に寄り添い、見守りを行っていく。
4月に「佐賀市こども家庭センター」が開所
「こども家庭センター」は、全ての妊産婦、子育て世帯、こどもを対象に、母子保健と児童福祉が一体となって相談支援を行う機関だ。妊娠期から学童期まで、切れ目なく支援を行うことを目的として設置されている。
「佐賀市こども家庭センター」は、2025年4月に開所した。「佐賀市見守り活動等推進事業」として、「スチューデント・サポート・フェイス」、「児童家庭支援センター絆」、「こども宅食応援団」の3者で委託を受け運用を行っていく。

佐賀市こども家庭センター「佐賀市見守り活動等推進事業」のイメージ
このうち「こども宅食応援団」が担うのは、妊娠期から乳幼児期の親子の見守り活動だ。佐賀市と連携しながら見守りが必要な家庭を訪問し、家庭が抱える不安や悩みを聞き取り、実状に沿った継続的なサポートに繋げていく。身近に対話できる関係性を築くことで、育児の孤立を防ぐなど、虐待リスクの高まりを未然に防ぐことを目的としている。また、「こども宅食赤ちゃん便」を実施する団体の立ち上げ支援や伴走支援、赤ちゃん便で届ける物資の提供も行う予定とのことだ。
官民連携で「切れ目のない支援」を行う
妊娠・出産期は、精神的にも身体的にもバランスが崩れやすく辛い時期。「赤ちゃんとどう向き合えばいいのかわからない」といった不安や経済的困窮、病気など、複数の問題を抱えるなか、身近に相談できる知人もなく社会的に孤立してしまうことも少なくないのだそう。こうした現状は行政も把握はしている。だが、支援を届けたくても「自分の子育てを否定されるのではないか」「行政には相談したくない」など、支援を受けることに対して拒否感や警戒感を抱くお母さんも一定数いるのだそうだ。
「佐賀市こども家庭センター」で「こども宅食赤ちゃん便」が行われるのは、こうした課題解決への大きな一歩。行政と民間が、それぞれの特長を活かし連携することで、身近な存在として、親子を見守ることができるのではないか。また、官民合同でケース会議を行うことで、専門的な支援へスムーズにつなげることも可能になるのではないかと期待されている。また、定期的な訪問で、産後うつや児童虐待などの兆しにも、いち早く気づくことができる。そして、適切な支援につなぎ、切れ目なく見守ることができるようになるとのこと。
「こども宅食赤ちゃん便」の取り組みを全国へ
2025年4月。埼玉県で生後4ケ月の赤ちゃんが犠牲になる悲しい事件がおこった。逮捕された母親は、その理由に「産後うつが辛かった」と語っている。誰かに頼ることができていたら、悲しい事件は防げていたのかも知れない。こうした事件を繰り返さないために、今こそ、親子のSOSを早期に発見し予防的に支援することが必要と、「こども宅食応援団」は考える。佐賀県で始まる「こども宅食赤ちゃん便」の取り組みを通して得た学びを元に、今後さらに全国への普及を目指し、活動を続けていくとのことだ。
「こども宅食応援団」とは
「こども宅食」は生活の厳しい子育て家庭に定期的に食品を届ける取り組み。「こども宅食応援団」は、食品を届けることをきっかけにつながりをつくり、見守りながら、食品以外の様々な支援につなげていくのが狙い。「こども宅食応援団」は、この「こども宅食」の仕組みを、日本中に広げていくため、こども宅食事業に取り組む自治体やNPO等に対して活動資金やノウハウの提供、事業推進のための伴走支援、広報活動を行っている。また、フローレンスグループとも連携して、こども宅食の全国普及に取り組んでいる。
気になる人は「こども宅食赤ちゃん便」をチェックしてみて。
こども宅食応援団 公式サイト:https://hiromare-takushoku.jp
(熊田明日良)
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