東京工芸大学は6月7日(土)まで、故・細江英公氏の追悼写真展「写真への愛と尊敬」を写大ギャラリーで、また6月14日(土)まで同氏の貴重書展示、三島由紀夫生誕100周年 細江英公貴重書展「ORDEAL BY ROSES」を同学中野キャンパス図書館で開催中だ。
入場料はどちらも無料となっている。
テクノロジーとアートの可能性を追求する東京工芸大学
東京工芸大学は1923年に創立した「小西寫眞(写真)専門学校」を前身とし、当初から「テクノロジーとアートを融合した無限大の可能性」を追究し続けてきた。2023年に創立100周年を迎えた。
小西寫眞(写真)専門学校の時代から、日本の写真教育の先駆的な存在として、多くの人材を世に送り出してきた。
写真には、カメラやレンズといった工学的な要素と、テーマや表現というような芸術的な要素があり、同学ではテクノロジーとアートの両方の要素に重きを置いた教育を創立当初から行っている。
三島由紀夫生誕100周年の貴重書展もともに開催
同学芸術学部は、2024年9月16日に91歳で逝去した写真家・細江英公氏(1933～2024)を追悼する写真展「写真への愛と尊敬」を、東京都中野区の同学写大ギャラリーで6月7日(土)まで開催している。
同写真展では、同氏のこれまでの活動資料や記念写真、同ギャラリー・コレクションからは代表作のモノクロ・カラー写真作品など約50点が展示され、写真家としてはもとより、同氏の幅広い活動が改めて紹介されている。
また、同学中野図書館では、同写真展にあわせて細江英公氏に関係の深い貴重書を展示した三島由紀夫生誕100周年 細江英公貴重書展「ORDEAL BY ROSES」が、6月14日(土)まで開催されている。
同展示では、1974年に発刊された写真季刊誌『WORK SHOP』創刊1～8(終刊)号をはじめ、『薔薇刑』の新輯版横尾忠則装幀や二十一世紀版など、貴重な書籍を閲覧できる。同展示は、一般の人も入館時に身分証の提示と所定の用紙に必要事項を記入することで、見学・閲覧ができる。
フリーランスの写真家として活躍した細江英公氏
細江英公氏は、1933年山形生まれ、東京育ち。同氏が18歳のころ、練馬区の米軍家族宿舎「グランドハイツ」で撮影した子どもの写真「ポーディちゃん」が、富士写真フイルム(現在の富士フイルム)主催の「富士フォトコンテスト」の学生の部で最高賞を受賞。
これを機に本格的に写真家を志し、1952年に、当時は東京写真短期大学であった同学に入学。卒業後はフリーランスの写真家として活動した。
1960年代から70年代にかけては、男女の性と肉体をテーマにした「おとこと女」や、小説家の三島由紀夫を被写体とした「薔薇刑」など、写真史に名を残す作品を生み出している。
その後、写真家として活動を続けながら、同学の教授に就任し2003年までの29年間教鞭をとり、写真文化においても功績を高く評価され、2010年には文化功労者に選定、2017年には旭日重光章を受章している。
写真が好きな人は、「写真への愛と尊敬」と「ORDEAL BY ROSES」を訪れよう。
■細江英公追悼写真展「写真への愛と尊敬」詳細
会場：東京工芸大学 写大ギャラリー
住所：東京都中野区本町2丁目4-7
展示期間：4月7日(月)～6月7日(土)
休館日：木曜日・日曜日・祝日
開館時間：10:00～19:00
写大ギャラリーサイト：https://www.shadai.t-kougei.ac.jp/index.html
■三島由紀夫生誕100周年 細江英公貴重書展「ORDEAL BY ROSES」詳細
会場：東京工芸大学 中野図書館
住所：東京都中野区本町2丁目9-5
展示期間：5月19日(月)～6月14日(土)
休館日：日曜日、祝祭日
開館時間：9:00～20:00(平日)、9:00～17:00(土曜日)
東京工芸大学図書館サイト：https://www.t-kougei.ac.jp/library
(佐藤 ひより)
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