【京都府京都市】祇園祭の歴史を未来へつなぐ。特別展「祇園祭 いま・むかし」開催中

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京都で生まれ育ったライター・紫原が地元にまつわる情報をお届けする。日ごと暑さが増すなか、京都の夏の風物詩といえば、「祇園祭」を思い浮かべる方も多いのでは。そこで今回注目したのが、京都市上京区にある京都市歴史資料館で6月14日(土)より開催中の特別展「祇園祭 いま・むかし」だ。

祇園祭とは?

日本三大祭のひとつに数えられる祇園祭は、7月1日から31日まで1か月にわたって続く八坂神社の祭礼。その起源は平安時代まで遡り、疫病・災厄の退散を祈願した祇園御霊会が始まりといわれている。

祇園祭の期間中はさまざまな神事や行事が行われるが、なかでも見どころなのが山鉾巡行だ。豪華な懸装品で飾られた全34基の山鉾は見応え抜群で、“動く美術館”とも称される。

山鉾巡行は室町時代の応仁の乱で一時途絶えるも町衆の手で再興され、以降も数々の困難を乗り越えながら現代まで受け継がれてきた。2014年からは、前祭(さきまつり)の17日と後祭(あとまつり)の24日に分かれる形が復活している。

また、山鉾巡行の3日前・前々日・前日にあたる宵山は例年多くの人で賑わい、祇園祭ならではの情緒を味わえるだろう。

京都市歴史資料館について

京都市歴史資料館は京都の歴史に関する資料の保存と活用を図り、市民の文化の向上及び発展に役立てることを目的として、1982(昭和57)年11月に開館。前身である京都市史編さん所に蓄積された史料を引き継ぎ、さらなる収集と調査研究を進めるとともにその成果を発信している。

館内の第一展示室では、一年を通じてテーマ展や特別展を開催。京都の歴史を物語る古文書や絵図といった歴史資料を展示している。また、第二展示室にてパネル展示やDVD放映を実施。

さらに、資料閲覧室では専門書や所蔵資料を閲覧できるほか、一般的な京都の歴史についての相談や図書・資料の紹介にも対応している。

祇園祭の今と昔をつなぐ特別展


そんな京都市歴史資料館で、祇園祭をテーマにした特別展「祇園祭 いま・むかし」が始まっている。

本展は、館蔵資料を通じて祇園祭の江戸時代までの様子と明治以降の様子を見比べながら、現在に至るまでの変遷を追いかけるという構成。

「京都祇園会図会」(明治27年)


主な展示品としては、明治から昭和にかけての祇園祭の変化がわかる山鉾連合会の事務日誌。御旅所の管理をしていた錦天満宮の宮司「大和家」所蔵の史料。そして、祇園祭の様子を描いた屏風や祇園祭の紙芝居も。

明治維新後の近代化にはじまり、戦後の民主化や高度経済成長期以降の合理化など社会が大きく変容する中で、祇園祭は京都の人々によってどのように守られ、伝えられてきたのか。

その歴史に触れながら、祇園祭そのものはもちろん、関連する文化財や資料を未来へつないでいくことの大切さについて改めて考えてみたい。

そして、会期中には展示担当の歴史調査員によるギャラリートークが開催される。スケジュールは7月3日(木)と7月13日(日)の14時からで、いずれも所要時間は40分ほど。申込や参加費も不要なので、ぜひ詳しい解説を聞いてみて。

展示概要

特別展「祇園祭 いま・むかし」の開催期間は6月14日(土)から8月10日(日)までで、9時から17時まで見学できる。入館料も無料だ。

ただし、月曜日と祝休日は休館なので要注意。また、会期中には一部展示替えを行うとのこと。

会場へのアクセスについては、専用駐車場がないため、市バスや電車など公共交通機関の利用が推奨されている。

市バスなら「河原町丸太町」にて下車後、徒歩5分ほどで到着。電車の場合、市営地下鉄の烏丸線「丸太町駅」か東西線「京都市役所前駅」、京阪電鉄「神宮丸太町駅」よりいずれも徒歩約10分。

車で行く方は、歴史資料館西側にある寺町通の御所東駐車場など有料の駐車場を利用しよう。

7月から1か月間、京都の夏を彩る祇園祭についてより深く学ぶ機会として、地元の方はもちろん観光客も資料館を訪れてみては。

■特別展「祇園祭 いま・むかし」
会場:京都市歴史資料館 1階展示室
住所:京都府京都市上京区寺町通荒神口下る松蔭町138番地の1

詳細ページ:https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000341292.html
京都市歴史資料館 公式X:https://x.com/kyoto_rekishi

ライタープロフィール

紫原もこ
生まれも育ちも京都のWebライター。とはいえ京都についてはまだまだ勉強中。趣味は観劇、美術館・神社仏閣巡り。

   

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