フィスアールエスは、JR勝川駅前のネクシティパレッタ1階COMEET内に、新刊＋古本＋シェア型書店みんなでつくる本屋「Port Books(ポートブックス)」を、6月27日(金)にオープンした。
暮らしと育ちを彩る本を選書
勝川駅周辺は、幼児や小学生のいる若いファミリー層が多く住んでいるそう。「Port Books」がオープンしたCOMEET内には、ハンドメイド雑貨のレンタルボックス店、コワーキングスペース、子ども塾、美容サロン、フィットネスジムが入居しており、30～40代が利用者の中心だ。
そこで同店は、主に若いファミリー層やCOMEETに入居する店舗の利用者に向けて、生きかた・働きかた・読み物・衣食住・子どもの5ジャンルで棚を構成。新刊と古本から選書した本を取り扱う。
また同社は、これまで15年間売場づくりのコンサルをしてきた経験を活かし、選びやすい見せ方、読まれるPOPを取り入れ、週替わりのテーマ棚を設けるなど、店内演出も行っている。
2種類の会員制度による委託販売
「Port Books」は、店の選書に偏らず、多彩な本に触れられるよう、会員が本を持ち寄り委託販売するシェア型書店形式の棚も設けている。
隣り合う棚でもオーナーが違うと、全く違う顔を持つ。来店者が「この本を並べたのはどんな人だろう」「この棚の人とは話が合いそう」などと、思わず想像してしまう楽しみもある。本を持ち寄り楽しむ、これが「みんなでつくる本屋」「みんなの本屋さん」の由来だ。
会員制度は2種類あり、「わたしの本箱」会員になると、月額3,300円(税込)の会費で、棚のひと枠約35㎝×35㎝×29cmをレンタルできる。会員はレンタルしたひと枠を自由に装飾し、個々のオリジナリティあふれる世界観とともに、本を販売可能だ。著者が自著を紹介したり、手づくり小冊子(ZINE)を販売したりもできる。事業者は、自社事業に関する本とチラシを置いて、宣伝利用も可能だ。
「みんなの本棚」会員になると、月額1,650円(税込)の会費で「Port Books」共同の棚で本を15冊まで委託販売できる。
いずれの会員も本の値付け、入れ替えは自由。本が売れたときは110円(税込)の販売手数料の支払いが生じる。
オリジナルのスリップ(管理票)
本の管理には、オリジナルのスリップを用いる。スリップには会員が販売価格を記入するとともに、本の購入者へのメッセージを任意で書き込めるスペースも。メッセージは、レジで会計する際、管理表と切り離して購入者に渡される。
購入者が返事を書きたい場合は、レジで専用の用紙をもらって書き込んで店に預ければ、後日、会員に届けてくれる。単なる本の売り買いではなく、自分のお気に入りを譲る、手から手へと渡す、温かみのある交わりを感じてもらうのが狙いだ。
各種イベントでゆるいコミュニティを醸成
「Port Books」は、親子読み聞かせ会、読書会、ひと箱古本市などを定期開催し、ゆるいコミュニティの醸成を図る予定だ。
また同店は、会員による「寄り合い」を設け、アイデアを取り入れるなど、みんなでつくる本屋として柔軟な運営を目指している。
「暮らしと育ちを彩る本」を揃えた本屋
日本出版インフラセンターのデータによると、この10年で書店は3割以上減ったといわれている。勝川駅前もかつては書店があったが、ひとつはコンビニになり、その後できた書店も今は保育園になっているそう。
今の時代、欲しい本はすぐに買えて、家に届けてもらうこともできる。けれど子どもたちには、知らない本に会って、知らない言葉、知らない世界にも触れて楽しんでほしい。そこで、「暮らしと育ちを彩る本」を揃えた本屋としてオープンしたのが「Port Books」だ。
同店は、「まずは、お母さんが暮らしの本を手にしてくれて、お母さんと子どもがいっしょに本を見に来てくれて、いつか、子どもが自分の本を選びに来てくれたらいいなと考えています。」と話す。
店内には小さなベンチがあり、座って本を読むこともできる。親子で、友人同士で、本をはさんでの会話がはずむだろう。
広さ約5坪(16㎡)のスペースに本とふれあう楽しさが満ちた、「Port Books」に足を運んでみては。
■Port Books
住所：愛知県春日井市勝川町7-37 ネクシティパレッタ1階「Port Books」
営業時間：金・土・日 9:30～17:00
Instagram：＠portbooks2025
HP：https://note.com/portbooks2025
(オガワユウコ)
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