【大阪府大阪市】大阪万博ペルー館にて「ナスカ砂漠の秘密」開催、約1500年前のナスカの文化財が来日

歴史的重要性を持つ貴重なナスカの文化財９点が来日公開されているペルー館文化展示コーナー

「大阪・関西万博2025」の「ペルー館」では、「リマ美術館(MALI)」の協力のもと、古代ナスカ文明の象徴世界を紹介する特別展「ナスカ砂漠の秘密」を、8月15日(金)から万博最終日の10月13日(月・祝)まで開催。

「リマ美術館」所蔵の約1500年前のナスカの本物の文化財9点などが来日公開される。

ナスカ文化の遺物9点を特別公開
「リマ美術館」学芸員のコメントも
壺や鉢などの出展作品を紹介
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ナスカ文化の遺物9点を特別公開

神話的祖先を再解釈した映像作品

同展では、精緻な装飾を施した土器、儀式に用いられた楽器、先祖の力と結びつく金製の鼻飾りなど、ペルー南部沿岸の砂漠で栄えたナスカ文化の遺物9点を特別公開する。

さらに、神話的祖先を再解釈した映像作品や、砂漠の風とアンタラ(土器製の儀式用パンフルート)や太鼓の音色を組み合わせた音響演出により、来場者は古代ナスカの儀礼空間を体感することができる。

「リマ美術館」学芸員のコメントも

ナスカの地上絵と土器に描かれた共通モチーフの解説映像

ナスカといえば世界遺産「ナスカの地上絵」が広く知られているが、同展ではその背後に広がる自然観や信仰に光を当てる。

ハチドリが描かれた土器

ハチドリ、クモ、トカゲ、花などを描いた土器や壺、アンタラ(土器製の儀式用パンフルート)、神話的存在を象徴する造形はいずれも、水の循環や生命の再生を象徴するモチーフとして位置づけられ、単なる自然描写を超えて儀礼の中で神聖な力を呼び起こす存在だった。考古学的資料と現代的な演出を組み合わせることで、ナスカ文化の世界観を伝える。

「リマ美術館(MALI)」プレコロンビア美術学芸員のイサベル・コヤソス氏は、「歴史的重要性を持つ貴重なナスカの文化財を、ペルー文化省の正式な許可を経て日本に届けることができました。この機会に、ペルー館で古代ナスカ文化の奥深い精神世界と芸術的表現に触れていただければ幸いです」と語っている。

壺や鉢などの出展作品を紹介

出展作品リストを紹介しよう。

「アンタラ(土器製の儀式用パンフルート) ― 戦士(槍・投石器を持つ)の文様」「鉢(土器) ― 花と輪の文様」「壺(土器) ― 手と階段状三角形の文様」「鉢(土器) ― フラミンゴ(パリワナ)の文様」「壺(土器) ― 鳥と花(蜜を吸う鳥＝ハチドリ)」「皿(土器) ― トカゲの文様」「壺(土器) ― 蛇・蛇に変化したネコ科動物・蜘蛛の文様」「壺(土器) ― 擬人化された神話的存在(ミト的アンソロポモルフォ)」「金製鼻飾り ― ネコ科の口ひげのモチーフ」など。