新日本学園での弦楽器教室の様子
エル・システマジャパンは、9月1日(月)～10月31日(金)の期間、「弦楽りぼん・児童養護施設プロジェクト」マンスリーサポーターキャンペーンを実施している。
児童養護施設への音楽支援ボランティア団体
「弦楽りぼん」は、神奈川県平塚市の「田中バイオリン工房」を主宰する田中眞次さんが代表を務める、児童養護施設への音楽支援ボランティア団体。
同団体は、全国から集まった使われなくなったバイオリン・ビオラ・チェロを「田中バイオリン工房」で修繕、児童養護施設に無償で貸与し、ボランティアにより施設内の児童・職員へ演奏指導する活動を2013年から行っている。
2020年までに神奈川県・東京都の6か所の児童養護施設で活動を行い、のべ5000人以上の子どもたちに弦楽器教室を提供した。
「弦楽りぼん・児童養護施設プロジェクト」について
エル・システマジャパンは、コロナ禍で休止していたこの活動を継承。「弦楽りぼん」の一部事業の協働をエル・システマジャパン「弦楽りぼん・児童養護施設プロジェクト」として2023年4月に開始して、2年半が経った。
広尾フレンズでの弦楽器教室の様子
コロナ禍を経て、拡大する子どもの体験格差を埋め、社会的養護下にある子どもたちに豊かな芸術環境を提供することを目指し、2023年4月から川崎市の「新日本学園」、2024年4月から東京都渋谷区の「広尾フレンズ」、2024年11月から横浜市の「高風子供園」で弦楽器教室を再開。スペシャルサポーターとして、バイオリニストの金川真弓さんが参加している。
今年度は、4月時点で、合わせて27人の子どもたちが弦楽器教室に参加。教室は合奏スタイルで行われ、一緒に音楽のゲームをして楽しんだり、教えあったり、励まし合ったりしながら学んでいる。
子どもたちは、施設のクリスマス会で演奏を披露したり、発表会なども年に2～3回行うことができ、日々のバイオリンの練習を楽しんで行っている。
高風子供園での弦楽器教室の様子
子どもたちからは、「バイオリンを弾くことができて楽しい！」「みんなで仲良く演奏できて嬉しい！」などの声が上がっているそう。
同プロジェクトは、これからも子どもたちが充実した活動を行えるように、指導者や指導ボランティア(フェロー)とともに運営し、現在活動休止中の他の施設での弦楽器教室の活動再開も目指している。
マンスリーサポーターキャンペーンでは特典も用意
「弦楽りぼん・児童養護施設プロジェクト」は、現時点で、行政や企業などの支援を受けておらず、支援者の寄付でまかなっている状況だ。楽器を演奏したいと心待ちにしている子どもたちの活動を今後も継続的に実施していくために、マンスリーサポーターキャンペーンを実施している。
キャンペーン期間中にサポーターとして登録した人には、「田中バイオリン工房」の田中眞次さんが作ったミニチュアバイオリンがプレゼントされる。詳細は、Webサイトで確認を。
エル・システマジャパンについて
エル・システマは、1975年、貧困や治安の悪化という問題を抱えていた南米ベネズエラで、子どもたちを守るために始まった音楽教育プログラム。現在では、70以上の国・地域でエル・システマの理念に基づいた音楽教育が実施されている。
日本では、東日本大震災で被災した子どもたちが音楽での経験を通して、自信や尊厳を回復し自分の人生を切り開いていく力を育むことを当初の目的に、2012年よりエル・システマジャパンとして福島県相馬市で開始。2014年から岩手県大槌町、2017年より長野県駒ヶ根市、東京都、10周年を迎えた2022年からは大阪府豊中市、京都府舞鶴市と活動を拡大している。
「弦楽りぼん」との活動においては、家庭の事情にかかわりなく、どんな子どもも音楽に触れられること、皆で奏でるオーケストラやコーラスの形で学んでいくことを大切にし、自己表現の場として、大事な居場所の一つとして、そして音楽が人と人をつなぐことを目指しており、ビジョンとして「誰もが自由で創造性を発揮できる共生社会」を掲げている。
虐待、暴力等、様々な理由により児童養護施設で暮らしていても、質の高い音楽教育を仲間と共に体験できる環境を整備することは、まさに、エル・システマジャパンのミッションだ。
なお、エル・システマジャパンは、2022年国際交流基金地球市民賞を受賞した。
児童養護施設での音楽体験を支援する「弦楽りぼん・児童養護施設プロジェクト」をチェックしてみては。
マンスリーサポーターキャンペーン詳細：https://www.elsistemajapan.org/2025ribbonmonthlycampaign
(Higuchi)
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