島根県美郷町で「安全かつ効率的なレベル4自動運転に資する通信システム等検証」を開始

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島根県邑智郡美郷町では、「安全かつ効率的なレベル4自動運転に資する通信システム等検証」を12月16日(火)〜22日(月)と、2026年1月22日(木)〜28日(水)に実施する。

地域課題解決を目指した自動運転の実証実験

同事業は、NTT西日本 島根支店、NTTビジネスソリューションズ 島根ビジネス営業部、マクニカの3社によるコンソーシアムが、総務省「地域社会DX推進パッケージ事業(自動運転レベル4検証タイプ)」に採択されたことによるもの。協力機関である美郷町と島根県、中国経済連合会情報通信委員会、島根大学が連携して実施される。

運転手の高齢化や担い手不足が顕著な美郷町で、安全かつ効率的なレベル4自動運転に役立つ通信システム等の検証を行う。

美郷町とNTT西日本 島根支店は、2020年12月に「ICTを活用した地域活性化に関する連携協定」を締結している。これまでも、さまざまな地域課題の解決に向け、相互に連携してきた。コンソーシアムが、総務省の事業に採択されたことにより、自動運転技術の活用による公共交通網の維持・継続に目指し、地域課題解決におけるノウハウとNTTグループが持つICTを生かすことになった。

実験区間は粕渕と比之宮の2ルート

事業では、セルラー通信の帯域確保が難しい区間に、中・長距離に適したWi-Fi規格・商品や低軌道衛星通信サービスを活用した、安価かつ簡易的に構築可能な通信を整備する。そして、協調型インフラ基盤を用い、中山間地域におけるデマンド型レベル4自動運転を実現するために必要な通信システム要件、デマンド型自動運転の有効性について検証を行う。

自動運転の実証実験を行う区間は、「粕渕ルート」と「比之宮ルート」の2ルートの予定。粕渕ルートは、交通結節点で住民が最も多い美郷町役場がある石見銀山街道で、片道約2.7km。比之宮ルートは交通量が少なく、山間部が多いエリア。セルラー回線の電波が圏外になる箇所がある県道で、距離は片道約3.6kmだ。

コンソーシアムを構成する3社は、それぞれ役割を分担。NTT西日本は実証運行の運営、進捗管理、行政対応等を担う。NTTビジネスソリューションズはリスクアセスメント、自動運転用マップ作成、自動運転車両調律、遠隔監視システムの構築・保守・運用、予約アプリの提供、実証運行支援等。マクニカは、自動運転EVバスおよび遠隔運行管理システムの提供、自動運転EVバスエンジニアリングおよびサポート、運行体制の構築等を担当する。

実験結果を自動運転の実用化に活用

今後、今回の実証を通じて得られる「通信環境整備が不十分な中山間地域での通信品質の確保」や「携帯電話不感地帯での長距離通信Wi-Fiを活用した通信環境の整備」に関する知見やノウハウが、自動運転の実用化に活用されていく予定だ。同様の課題を抱える中山間地域の自治体においても、レベル4自動運転の社会実装を加速させていくことを目指している。

日本各地の山間地域・過疎地域の課題を解決するかもしれない、自動運転の実用化に向けた実証実験に注目だ。

■美郷町 安全かつ効率的なレベル4自動運転に資する通信システム等検証
実施区間:粕渕ルート、比之宮ルート
期間:粕渕ルート 12月16日(火)〜22日(月)、比之宮ルート 2026年1月22日(木)〜28日(水)
使用予定車両:Navya Mobility社製 自動運転EVバス車両 EVO(エヴォ)

(淺野 陽介)

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