
愛知県三河地方で一貫して軍手製造を行ってきた石川メリヤスは、新商品「三河軍手」を開発した。「B格」ワタを再利用した「特紡糸」を使用し、使い捨てのイメージを覆す商品として、中川政七商店「地産地匠アワード2025」にて優秀賞を受賞。10月23日(木)から発売を開始した。
地産地匠アワード受賞「三河軍手」発売!
自動車関連産業が盛んな愛知県三河地方は、かつて繊維産業でも栄えた地域だ。明治時代から繊維を再利用する仕組みが根付いたこの地は、国内最大の繊維リサイクル産地として発展してきた。しかし、1900年代以降、関連企業の廃業が相次ぎ、いまや産地そのものが消滅の危機にあるという。その背景には、繊維リサイクルによって生まれる素材の価値が十分に評価されていないという課題がある。
1957年創業の石川メリヤスは、地域の繊維産業を持続可能なものにすべく、繊維リサイクルの原点といえる糸「特紡糸」に着目。

「B格」とされたワタを糸に紡いだ特紡糸
これは市場に出せない「B格」のワタを再利用して紡がれる糸で、軍手の原料としてこの地で発展してきたもの。ムラのある独特の質感が特徴で、大量生産の糸にはない温かみのある風合いを生み出す。

この特紡糸にデザインの力を加え、軍手を再定義したのが、新商品の「三河軍手」。そして、従来の軍手をアップデートしたこの商品は、実用性とファッション性を兼ね備えた点を評価され、この度、中川政七商店「地産地匠アワード2025」の優秀賞を受賞。現在、中川政七商店各店舗と、石川メリヤス公式オンラインショップで販売中だ。

サイズはS/M/Lの3サイズ展開。Sは、丈18cm・手囲い17~19cmで7~12歳及びレディースSサイズ向け、Mは丈22cm・手囲い19~22cmでレディースM~Lサイズ及びメンズSサイズ向け、Lは丈24cm・手囲い23~26cmでメンズM~Lサイズ向け。各サイズNAVY/GREEN/RED/LIGHT GRAY/CHARCOAL/BROWN/MUSTARDの全7色、価格は1,100円(税込)。
再生の地・三河から生まれた“使い続ける軍手”
「三河軍手」は使い捨てではなく、使い続けることで愛着が生まれる“長く使える軍手”を目指したという。デザインを手がけたのは、三河地方出身・在住のデザイナー・久保田千絵氏。フィット感と保温性を高めるためにポリウレタンを編み込み、さらに7色のカラーネップ糸を用いて選ぶ楽しさとアナログな温もりを表現した。実用品としての機能性に加え、贈答品としても映えるデザイン性を兼ね備えているのも魅力である。
久保田氏は受賞に際し、中川政七商店のインタビューで、「この商品では実用性のある軍手らしさを生かしながらも、作業用という枠を超えていきたいと考えていました。(一部抜粋)」と、デザインの力で軍手に新しい価値を創造する思いを述べた。
また、石川メリヤスの代表取締役・大宮裕美氏は、「もう一度リベンジしたいと思った」と、国内における軍手生産の衰退への悔しさと危機感をバネにしたことを述べ、「従来の軍手にも手首のステッチで色分けしているものはありますが、今回はデザインとして昇華されていて嬉しいですね。(一部抜粋)」と、「三河軍手」のデザイン性の高さを絶賛した。
中川政七商店「地産地匠アワード」とは
「地産地匠アワード」は、地元生産×地元意匠をテーマに、地域に根ざすメーカーとデザイナーがつくる、新たな「暮らしの道具」を募集・表彰するアワード。土地の風土や素材、産地や業界の課題に真摯に向き合い、日本のものづくりを次の世代へつなぐプロダクトを選出している。

9月3日(水)、竹芝ポートスタジオにて行われた授賞式の様子
2025年度は全国から69件の応募があり、一次審査を通過した11点を対象に最終審査を実施。グランプリ1点、準グランプリ1点、優秀賞2点、審査員奨励賞2点が選ばれ、9月3日(水)に授賞発表式が行われた。「三河軍手」をはじめとした優秀賞以上の4商品は、10月下旬より販路支援が行われている。
三河の地で紡がれた糸と思いが詰まった「三河軍手」。使うほどに愛着が増す、三河のものづくりの温もりを、手に取って感じてみては。
■石川メリヤス公式オンラインショップURL:https://ishimeri.net
(Kanako Aida)
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