【東大阪】“特別じゃない大阪”暮らしに寄り添う串カツに見つけた優しさ。【串カツ たかぼう】

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お好み焼きでもない、たこ焼きでもない、もうひとつの“大阪の顔”。衣をまとってカラリと揚がる、あの「串カツ」だ。

居酒屋で、そして家族の団らんにも。大阪の暮らしのなかに、いつだって寄り添ってきた味。布施の高架沿いにある「たかぼう」は、その原風景みたいな一軒だ。

布施駅の高架下に、灯るやさしさ。

ガタンゴトンと電車の音を背に、布施駅から歩いてすぐ。ふと顔を上げると、さりげない看板に「串カツ たかぼう」の文字が見える。

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中に入ると、思ったより広い。カウンターがL字に伸びていて、ガラスの柵越しに大将が丁寧に串を揚げている。テーブル席もいくつか。子ども連れでも居心地がよさそうな、明るく清潔な空間だ。

ソースだけじゃない、選ぶ楽しさ。

注文は、紙に書いて出すスタイル。

牛串、玉ねぎ、うずら……定番もあるし、ちょっと変わり種も揃っている。えびパン、牛肉山芋トロロ、レンコンの肉詰め。うん、これは迷う。

「お好きなようにどうぞ」小皿にソース、ポン酢、塩など、調味料を入れるのが地元流。

たかぼうのソースは、とろみがなく、軽やか。くどくなくて、口の中に余韻が残る。

衣は薄めでサクサク。重たさを感じさせないから、ついもう一本、もう一本と手が進んでしまう。

大将と奥さん、ふたりが作る安心感。

厨房に立つのは、大将。少し寡黙で、職人気質にも見えるけれど、話してみるとじんわりあたたかい人。

「いらっしゃい」も「ありがとう」も、ゆっくり、まっすぐ届いてくる。奥さんも、ホールを行き来しながら気配りを忘れない。

「家族連れの方が多いですね」と話す大将の顔は、どこかうれしそうだった。

「うちは夫婦でやってるから、そういうお客様も来やすいんやと思います」

できあがりを待つ時間が、心地いい

創業は2005年。大将の目の前に並ぶ串の種類は増えたかもしれないけれど、その一本一本にかける丁寧さは、20年前から変わっていない。

串カツが特別な料理かと言われると、そうじゃない気もする。

でも、今日も明日も、誰かの「おいしかった」をそっと受け止めてくれる。そんな役目を、たかぼうは果たしている。

ライター紹介

SEKAI HOTEL Deep Osaka Experience(SEKAI HOTEL 大阪布施)
東大阪・布施商店街の空きテナントを客室にリノベーションし、近隣の飲食店や銭湯での”日常”を旅の一部として楽しむ「まちごとホテル」。観光地では味わえない、まちの日常の魅力を発信しています。
公式HP:https://www.sekaihotel.jp/area/fuse
Instagram:https://www.instagram.com/sekaihotel

    

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