日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、青森県旧碇ヶ関村(平川市)を写真とともに紹介する。
Vol.393/青森県旧碇ヶ関村(平川市)
平川市街地から南へ進み、旧碇ヶ関村へ。広がっていた平野も、大鰐町辺りでゆるやかな山々が近づき、雰囲気が変わっていった。そして、「道の駅いかりがせき」に到着。ゆったりした道の駅で駐車場も広い。その南側に、「高麗門」という門が建っている。藩政時代、かつてこの地域には碇ヶ関関所が設置されていた。交通の要衝かつ、他藩との関係性や地形上からも重要視された関所で、警備も固かったという。その門が高麗門というわけだ。今は道の駅に門があり、周囲は遮るものもなく、右からでも左からでも自由にくぐれるわけだが、もし、ほんとうに江戸時代にこの門に出会うと、ものすごい迫力なのだろうと。
また、碇ヶ関総合支所の周辺も散策した。市街地は平川沿いに広がっており、住宅も集まっている。橋を渡ると平川の流れもとても綺麗に眺めることができた。やはり県境付近のまちなので、周囲の山もやや険しくなり、緑に包まれている感じがする。ちなみに、道の駅も含めて地域にはいくつかの温泉施設があり、それをたのしむことも旅のよろこびだろう。青森県は温泉が多いし、今はどうか分からないが入浴料も安い気がする。さらに、泉質はもちろんいい。旅の疲れを癒すには、もってこいである。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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