新横浜ラーメン博物館の30周年を記念し、書籍『ラー博30年 新横浜ラーメン博物館 あの伝説のラーメン店53』1,760円(税込)が、講談社ビーシーより2月20日(木)に発売される。
1994年の開業当時「3年ももたない」と言われながらも、30年で来館者は約3,000万人。「たかがラーメン、されどラーメン」の「されど」を追求した30年の軌跡を、館長の岩岡洋志氏が振り返る。
ラーメンを様々な角度で楽しめる新横浜ラーメン博物館
新横浜ラーメン博物館は「全国各地のラーメンを飛行機に乗らずに食べに行ける」をコンセプトに、国内外から全国選りすぐりの銘店が軒を連ねる、ラーメンのフードアミューズメントパーク。
地下1階~地下2階に広がる「ラーメンと夕焼けの街」は、ラーメンの歴史と昭和の庶民的生活の変わり目となった「昭和33年」の街並みを再現している。
1階にはラーメンの文化と歴史を学ぶ展示コーナーや、伝統的な製麺技法で麺を作る「ラーメン作り体験」(要予約)、自分だけのカップラーメンを作ることができる「ラー博スゴメンラボ」など、ラーメンを食べるだけではなく様々な角度からラーメンを堪能できる施設だ。
「されどラーメン」を追求し続けた30年間
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1994年開業時の行列
1994年3月6日、世界初のラーメンのフードアミューズメントパークとして誕生した新横浜ラーメン博物館。構想段階から誰もが大反対し、「すぐに潰れる」「持って3年」と言われたものの、昨年3月に開業30周年を迎えた。
『ラー博30年 新横浜ラーメン博物館 あの伝説のラーメン店53』著者の岩岡洋志氏によると、当時ラーメンは今のように注目はされていなかったが、食文化としてのラーメンに価値を感じていたとのこと。日本は縦長の島国で、四季や風土・気候によって異なった食文化が存在するが、郷土料理などはその例で、ラーメンも同じように郷土色を持っていると感じたという。
そしてその様々な地域において地元に根付き、その地域で様々な影響を与え、長い間支持されている店を中心に紹介していきたいと思ったそう。
ラーメンの味だけでなくその地域の歴史、店の歴史、そして店主の人間模様に至るまで、至極まじめに向き合い、「たかがラーメン」と言われていたが、新横浜ラーメン博物館は「されどラーメン」を追求し続けた。
店主たちは数々の不安要素を乗り越えて出店
しかし、当時はフードアミューズメントパークという業態が存在しなかったため、先例のない事業に対してなかなか首を縦に振ってくれなかったそう。そんな中、数々の不安要素を乗り越えて出店を決断してくれた店主たちがいたからこそ、こうして30周年を迎えることが出来た。
『ラー博30年 新横浜ラーメン博物館 あの伝説のラーメン店53』は30周年企画として、2022年7月1日~2024年5月12日まで開催された、過去に出店した36店舗の銘店を2年間かけ、リレー形式で出店するプロジェクト「あの銘店をもう一度」に出店した各店のバックストーリーだ。
食のニュースサイト『おとなの週末Web』にて2年余り連載してきたものを加筆・再編集し、さらに出店中のレギュラー店、紹介できなかった店のエピソードも追加し1冊にまとめたものとなっている。
50店舗を超える店の歴史と出店までのドラマを紹介
新横浜ラーメン博物館では、この店と決めたら諦めず何度も通い、多い店は100回以上通って、出店までに25年かかった店もあるとのこと。特に先例のない1994年の創業メンバーからは、「こんな場所に人が来るはずがない!」「誰が入場料を払ってラーメンを食べるんだ!」と厳しい声もあった。
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札幌「すみれ」店主・村中伸宜氏と岩岡館長
『ラー博30年 新横浜ラーメン博物館 あの伝説のラーメン店53』では、そんな50店舗を超える店の歴史と、新横浜ラーメン博物館への出店までのドラマを紹介している。目次は「はじめに」から始まり、第1章は「94年出店 最初の7店」、そして第2章~第5章は「あの銘店」。
ラー博30年 RAMENのLINE UPは、熊本「こむらさき」、山形・赤湯「龍上海本店」、沖縄「琉球新麺通堂」、利尻島「利尻らーめん味楽」、東京「淺草來々軒」など。
『ラー博30年 新横浜ラーメン博物館 あの伝説のラーメン店53』で、岩岡洋志氏が追求した「されどラーメン」に触れよう。
新横浜ラーメン博物館HP:https://www.raumen.co.jp
(佐藤 ひより)