千葉県船橋市にある「ふなばし三番瀬海浜公園」と「ふなばし三番瀬環境学習館」は、家族連れや友人同士でのちょっとしたお出かけにぴったりの施設だ。
そんな2施設の見所を、地元在住ライターの筆者がまるっとご紹介しよう。
船橋市民の憩いの場
千葉県船橋市に位置する三番瀬は、東京湾の最奥部にあたる約1,800haの干潟・浅海域だ。その自然豊かな地にあるのが、「ふなばし三番瀬海浜公園」と「ふなばし三番瀬環境学習館」。
春には潮干狩り、秋と冬にはダイヤモンド富士など、四季折々の海の恵みと自然を満喫できて、屋内でも三番瀬を楽しみながら学べるのが最大の特徴であり魅力だ。
市内の全小学校が校外学習などで一度は利用するとあって、船橋市民ならおなじみの場所でもある。毎年4月~5月に開催される“都心から一番近い潮干狩り場”があるところ、といえば知っている人が多いかもしれない。
筆者が最後に行ったのは去年の10月。そうだ久々に行ってみよう、と思い立ったわけで、ダイヤモンド富士が望める冬晴れの日にカメラを片手に行ってきた。
三番瀬の自然を肌で感じる
現地へのアクセスは、JR船橋駅・京成船橋駅近くの京成バスシステム・臨港線バス停「京成船橋駅」から約25分。終点が目的地となる。
JR船橋駅南口を出て直進、右手に京成船橋駅とダイソーを目印にすれば、案内看板付きのバス停が見えてくる。
バス停目の前には、地上6階建てのダイソーギガ船橋店があるので、忘れ物をしても安心。大抵のものはここでそろうはず。同ビル1階には豆腐工場直売所「三代目 茂蔵豆腐」も併設しており、ここではお弁当も販売している。つまり、船橋駅まで来て、バスに乗る前にレジャーグッズとお弁当を購入、なんてプランも可能というわけだ。
さて、バスに揺られること約25分。「ふなばし三番瀬海浜公園」北側のバス停に到着。テニスコートを右手に進むと、「噴水広場」と「芝生広場」がある。
周囲を木造風デッキで整備した「噴水広場」は、夏には水遊び場として子どもたちに人気のスポット。
隣接する「芝生広場」ではボール遊び・たこ揚げなど、さまざまな屋外アクティビティを楽しめる。バスケットコートと3か所のストレッチパークもあり、大人から子どもまで楽しめる設備がそろっているのもうれしい。

3月31日(月)までは改装工事中
忙しない毎日を過ごすなか、ふと心と目を休めたい。そんなときにおすすめしたいのが、2階建て高さ約10mの「展望デッキ」。

展望デッキからは一面に広がる海を見渡せる。晴れた日には青空とのコントラストも見事
屋上・テラスからは三番瀬の干潟と東京湾を一望できる。
3月31日(月)までは改装工事中だが、春になったら目前に広がる海と流れる雲を眺めながら潮風に耳を澄ませる、なんてひとときを過ごしてみるのはいかが。

ふなばし三番瀬海浜公園の干潟から望むダイヤモンド富士。こんなにきれいに見えたのは数年ぶりだったそう
さらに特別な体験をしたい人は、干潟から「ダイヤモンド富士」を望める日を選んでみて。毎年、10月下旬と2月中旬ごろ、気候条件が良ければ「展望デッキ」や干潟から、富士山の山頂に太陽が重なる神秘的な光景を望むことができる。
海風を感じながら楽しむBBQエリアも。食材付きセットプラン・片付け不要のプランなど、都合に合わせてプランを選べる。BBQのネックである、重い荷物の持ち運び・設営・片付けの手間を解消してくれるので、お出かけ時の重い腰まで軽くなりそう。家族や仲間同士での思い出作りにもおすすめ。

潮干狩りシーズンは毎年4月中旬~5月下旬ごろ。最新の開催日時などの情報は公式サイトで確認可能
海辺ならではの楽しみ方として、潮干狩りシーズンにBBQとセットで利用する、というのも一興だ。
創造と学びの楽しさを知る
三番瀬の自然をさらに深く学ぶなら「ふなばし三番瀬環境学習館」に訪れてみて。「知る」「考える」「学ぶ」の3つのゾーンから成る同施設では、干潟に生息している生き物や生態系の学習が可能だ。
館内に入ると、まず目に入るのは、三番瀬にまつわるさまざまな数字が壁一面に投影されているコーナー「いち・に・さんばんぜ」。

シンボルタワーに再現されたジオラマで三番瀬の生き物の特徴などを観察してみて
その奥には三番瀬をイメージしたシンボルタワー。干潟にいる生き物の巨大なオブジェがあり、細部までをじっくり観察して学ぶことができる。
筆者の個人的推しゾーンは、まるで干潟の上にいるかのような空間を体験できる「そうぞうシアター」。30分毎に三番瀬の歴史や生き物の営みを紹介する約5分間の動画を、清々しい波間のなかに佇んでいるような心地で視聴できる。

三番瀬の生き物や流木などを撮影して作るオリジナルキャラクター
シアター内では、隣接コーナー「そうぞうスタジオ」で流木や貝などを撮影して作るオリジナルキャラクターと遊ぶことも可能なので、こちらもぜひ試してみて。

「考えるゾーン」にある「干潟の中は…」。ロープを引いて、干潟の砂や泥の中にいる生き物の巣穴を観察できる
体を使って楽しむなら「考える」ゾーン。

「おしりコレクション」で生き物のお尻にピタッと自分のお尻を合わせて、記念撮影をパシャリ!
画面に映し出される生き物の特徴をまねる「まねっこ三番瀬」や、三番瀬の生き物のお尻に自分のお尻を合わせて違いを実感する「おしりコレクション」など、動いて遊んで楽しみながら記念撮影もできる。
ちなみに、江戸時代の三番瀬へタイムトラベルをして曳き網漁を体験できるゲーム「三番瀬タイムトラベル」は、対戦要素もあって特に子どもたちに人気高いのだとか。

画像は「学校給食を作ろう」開催時の様子
館内にある「キッチンスタジオ」では、各種イベントを開催。船橋産の食材や三番瀬の海の恵みを使用して作る調理プログラムや、生き物の仕組みを解体して学べるワークショップなど、毎月趣向を凝らした、親子で楽しめる企画がもりだくさん。

左上から、二枚貝「オキシジミ」、二枚貝「シオフキ」、片方のハサミが大きいのが特徴のエビ「ニホンスナモグリ」
公園や浜辺を探索して楽しめる「三番瀬探検隊」も定期的に実施。

丸みを帯びてコロッとした貝の一種「シオフキ」。砂の上に置くと潜っていく様子が見れるかも
干潟の生き物・植物・野鳥観察などでは、三番瀬を知り尽くしたフレンドリーなスタッフが、素朴な疑問にもピンポイントで答えてくれる。
街中からは少し離れているけれど、だからこそ清々しく広大な自然に触れあえる。さまざまな体験ができる船橋の憩いの場で、胸に刻む思い出を作ってみて。
■ふなばし三番瀬海浜公園・ふなばし三番瀬環境学習館
住所:千葉県船橋市潮見町40
営業時間:9:00~17:00
定休日: 12月29日~1月3日、環境学習館は原則毎週月曜日(祝・休日の場合は翌平日)
詳細:https://www.sambanze.jp/
(Kanako Aida)