有楽町朝日ホールにて三島由紀夫氏作品の朗読公演が決定！
『近代能楽集』より、『邯鄲(かんたん)』と『葵上(あおいのうえ)』が、大河内直子氏の演出で上演される。
公演日程は、5月13日(火)18時、14日(水)13時・17時だ。
『近代能楽集』を新たに現代劇として読み解く
2025年は三島由紀夫氏の生誕100年にあたる。三島氏の言葉は、日本の文化遺産。遺されたさまざまな作品群から戯曲を取り上げ、日本語の美しさと、演劇の生み出す虚構の魅力を朗読シリーズとして届ける。
『近代能楽集』は、三島氏が能の謡曲に設定を借り近代劇として翻案したもので、世界各地で上演されている名作。1950年に『邯鄲』を発表。以後1956年までに『綾の鼓』『卒塔婆小町』『葵上』『班女』『道成寺』『熊野』『弱法師』の計8作が発表された。
演出の大河内直子氏は演出家の故蜷川幸雄氏の演出助手を長くつとめ、蜷川氏演出の「近代能楽集」にも携わってきた。その経験も踏まえ、新たに現代劇として読み解く。
朝海ひかる氏や多和田任益氏らが出演
(上段左より)多和田任益氏、朝海ひかる氏、中尾暢樹氏、(下段左より)田野聖子氏、今拓哉氏、青山達三氏
それぞれの作品を紹介しよう。
まずは、1950年発表の『邯鄲』から。
次郎は、かつての乳母・菊が邯鄲の里からきたという不思議な枕を持っていると聞き、10年ぶりに菊を訪ねる。それは菊の家の宝物で、その枕で寝て夢から目覚めると何もかもが馬鹿らしく虚しくなってしまうという。18歳ですでに人生が虚しいと感じている次郎は、その枕で眠りについてみる。夢の中で次郎は美女や踊り子たち、秘書と老国手たちと出会い不思議な問答をする。そして目覚めた次郎は…。
朝海ひかる氏、多和田任益氏、田野聖子氏、今拓哉氏、青山達三氏、尾上菜摘氏、合田くるみ氏、千葉紅花氏、溝口悟光氏らが出演する。
続いて、1954年発表の『葵上』。
深夜の病室。夜中になると苦しむ奇病で入院する葵のもとへ美貌の夫・若林光がやってくる。看護婦によるとブルジョワの中年女性が毎夜、見舞いにくるという。黒い手袋をしたその中年女性は、光とかつて恋仲だった六条康子だった。葵を苦しめていたのは康子の生霊だったのだ。
光と再会した康子は幸福だった昔の思い出を語り出す。その不思議な魔力に引き込まれそうになる光だが、葵の声で我に返り、康子を拒絶する。康子が消えた後、光は康子の家に電話をかける。康子は電話に出てずっと家にいたという。その時、病室のドアの外から「忘れた黒い手袋をとって」と声がする。受話器からも康子の声が響く中、突然、葵が苦しみ出し…。
朝海ひかる氏、中尾暢樹氏、田野聖子氏らが出演する。
大河内直子氏について
演出家の大河内直子氏は、1994年、日本人で初めてROYAL ACADEMY OF DRAMATIC ART(英国王立演劇学校)を卒業。
英国滞在中に演出家・蜷川幸雄氏と出会い、蜷川氏の演出助手を2016年まで務める。蜷川氏演出作品では『夏の夜の夢』『身毒丸』『コースト・オブ・ユートピア』『ムサシ(ロンドン・NY バージョン)』『マクベス』『尺には尺を』『海辺のカフカ』などに演出助手として参加。海外公演も多数担当する。
2017年、プロデューサーの田窪桜子氏と演劇ユニット「unrato」を結成。unratoではミュージカル『I DO! IDO!』『THE LAST FLAPPER』『BLOODY POETRY』『受取人不明 ADDRESS UNKNOWN』『メアリー・ステュアート』のほか、木下順二氏作『冬の時代』、清水邦夫氏作『楽屋』、三島由紀夫氏作『薔薇と海賊』、ダグラス・マックスウェル氏作『Our Bad Magnet』、チェーホフ氏作『三人姉妹』、松田正隆氏作『月の岬』を上演。
最新作、ローレン・ガンダーソン氏作『Silent Sky』(2024年、日本初演)にて第32回読売演劇大賞優秀作品賞を受賞した。
朗読公演の入場料は、指定席で一般8,800円(税込)／学生5,500円(税込)。4月19日(土)に一般発売開始となり、チケットぴあ、イープラスで購入できる。
『近代能楽集』の『邯鄲』『葵上』の朗読公演に足を運び、作品の世界を楽しんでみては。
■『近代能楽集』の『邯鄲』と『葵上』朗読公演
日程：5月13日(火)18時、14日(水)13時・17時
会場：有楽町朝日ホール
住所：東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン11F
詳細：https://ae-on.co.jp/news/1359
(ソルトピーチ)
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