【東京都】江戸川区に、カフェ併設の多機能型事業所「ひげぞーおもいでファクトリー」オープン

江戸川区を拠点に在宅医療を展開している、しろひげファミリー「しろひげ在宅診療所」は、10月1日(水)、東京都江戸川区江戸川6丁目にて多機能型事業所(就労継続支援B型事業所/就労移行支援事業所)となる「ひげぞーおもいでファクトリー」を開所した。

同施設は、つぼやきいもとコーヒーにこだわったレトロなカフェ「ひげぞ～のおいもとコーヒーファクトリー」も併設しており、世代や社会的背景に関係なく、地域の人たちが社会とつながる居場所にもなっているという。

「ひげぞーおもいでファクトリー」の開所背景を紹介
お芋やコーヒー好きも満足できる商品を用意
しろひげファミリーについて

「ひげぞーおもいでファクトリー」の開所背景を紹介

しろひげファミリーは、2018年の開院以来、年間1,500名を超える患者様の診療を行ってきたが、終末期を自宅で迎える患者だけでなく、ひきこもり状態や不登校など自宅から出られない若年層の患者の割合が年々増えており、現在では全患者数のうち約2割ほどが精神科の診療となっているという。

こうした現状より、しろひげファミリーでは、地域に根差した社会貢献活動の拠点「しろひげ・べーす」や中間就労支援など、医療・福祉の社会制度にはまらない人たちへの「居場所」づくりも行ってきた。

今回、医療法人で培ったノウハウを活かし、地域の誰もが集まってホッとできる「居場所」かつ、こころに障がいがある人や就労困難者が働き、頑張りを実感として得られる「居場所」としてカフェ兼就労施設「ひげぞーおもいでファクトリー」をオープンすることになったという。

お芋やコーヒー好きも満足できる商品を用意

地上3階建ての「ひげぞーおもいでファクトリー」は、1階がカフェスペース、2階がB型作業所の作業スペース、3階が就労移行支援事業の作業スペースになっている。

1階の店舗スペースは、B型事業所の通所者が商品の調理・販売・接客を通じた店舗運営を行い、その売り上げが毎月の工賃として利用者へ配分されるため、頑張った分だけ自身の成長としての実感や賃金として返ってくる仕組みとなっているそう。

カフェ「ひげぞ～のおいもとコーヒーファクトリー」は、メニューにもこだわっており、独自の配合をしたコーヒー「ケニアブレンド」や、産地から厳選したさつまいも「紅はるか」「シルクスイート」の壺による焼き上げなど、一般の消費者をはじめ、お芋やコーヒー好きも満足できる商品を用意している。

つぼやきいもとコーヒーを味わってみよう。

3階の就労移行支援では、医療の専門職者による講義や、在宅診療所での実際の業務を活用した実習を提供し、就職に向けた強み・弱みなどの理解を進めていく。医療機関で就労体験をするため、障がいに理解がある職員のもとで適切なサポートを受けながら作業をすることができる。

施設開所にあたり、初日となる10月1日(水)には内覧会と開所式を開催。内覧会では、1階のカフェスペースだけでなく普段は入れない2階の作業エリア・3階の就労移行エリアまでを開放し、働くことを通じた居場所を実際に見学してもらった。

また、施設開所を記念した開所式では、関係者を招き、しろひげファミリー理事長・山中光茂氏のあいさつや施設紹介、同事業所で実際に働く予定の利用者を紹介。地域の人々も見守る中、和やかで明るい雰囲気でテープカットも行われた。

しろひげファミリーについて

しろひげファミリーは、江戸川区を中心に浦安市、市川市、葛飾区、江東区などの“江戸川エリア”で、24時間365日体制の在宅医療を展開する「しろひげ在宅診療所」を中心に、常勤スタッフによる医療・看護・介護を手掛けている。

また、同法人では心療内科・精神科として、ひきこもりの人々や精神疾患を持つ人々の医療的サポートを提供。ひきこもり患者の居場所づくりとして、江戸川区と連携したひきこもり支援事業も行っている。

理事長の山中氏は、慶応義塾大学法学部法律学科、群馬大学医学部医学科卒業。アフリカ各地域で医師として孤児支援や医療支援に従事し、2009年には、当時、全国最年少市長として松阪市長に就任した。2期市長を務めた後、いしが在宅ケアクリニックにおいて、重度の末期がんの患者を中心とした「看取り」までの在宅医療に携わる。また、地域づくりや地域包括ケアなど全国各地で講演や自治体研修なども行う。2018年より、しろひげファミリー理事長を務める。