不登校の課題に向き合う「トーキョーコーヒー」がグッドデザイン賞&キッズデザイン賞

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アトリエe.f.t.が取り組むソーシャルデザイン事業「トーキョーコーヒー」が、10月15日(水)、グッドデザイン賞を受賞。審査員の新山直弘氏により「私の選んだ一品」にも選出された。

また、9月17日(水)には、第19回キッズデザイン賞にて奨励賞とキッズデザイン協議会会長賞も受賞している。

大人と子どもが安心できる居場所を作るプロジェクト

アトリエe.f.t.は、不登校の原因は子ども自身ではなく、大人や社会の側にあると考えている。この考え方から生まれたのが「トーキョーコーヒー」だ。



このプロジェクトでは、大人と子どもが安心して楽しめる居場所を全国に作り、活動を通して「より豊かな生き方や社会」につながる教育についての対話を促すことを目的としている。

名前は「登校拒否(トーコーキョヒ)」という言葉の文字を入れ替えたアナグラムから付けられ、2022年8月8日にスタート。「世界一たのしい教育革命」を掲げ、大人が楽しみながら語り合い、教育システムを進化させていくムーブメントとして広がっている。

立ち上げから3年間の実績



「トーキョーコーヒー」は、2022年8月から約3年間で全都道府県に1つ以上の拠点を設立。全国に約415か所ある拠点では、大人が好きなことに夢中で取り組み笑顔で過ごしており、その姿は、子どもたちに安心感を与え、自信や意欲を取り戻すきっかけになっているそう。

拠点活動への参加者はのべ29,000人以上、過去7回のカンファレンス参加者はのべ857人に上る。オンラインサロンは計36回開催しており、月に平均100名が参加している。

また、24時間365日使用できるメタバースの居場所「トーキョーコーヒーラテ」を2024年4月から運営しており、登録者数は大人280名、子ども90名となっている。

さらに、全国146の小学校で、「トーキョーコーヒー」の拠点活動への参加が出席扱いとなったことも実績のひとつ。そのほか、代表の吉田田タカシ氏が第70回PTA全国大会で登壇するなど、精力的に活動している。

プロジェクトが生まれた背景

多くの不登校対策が子どもへの支援を中心に展開される中、アトリエe.f.t.では「本質的な課題の解決には、大人へのアプローチが不可欠である」と考えてきた。教育とは社会の価値観を反映して形づくられるものであり、その変革にはまず大人の意識のアップデートが求められるからだ。

また、不登校の子どもたちが“支援対象者”として扱われることで自己肯定感を持ちにくくなったり、悩む保護者の姿を見て子どもが自責の念にかられたりするケースも少なくないという。

そうした背景から、アトリエe.f.t.は「大人自身のための居場所」の必要性にも着目。これらを鑑み、トーキョーコーヒーでは、不登校の課題の本質的な解決のために「大人のケア・意識変容」と「子どもにとっての本質的な居場所の生成」を同時に成立させる拠点づくりを始めた。

アートスクール アトリエe.f.t.について

アートスクール アトリエe.f.t.は、1998年に設立され、大阪上本町校と奈良生駒校の2校に4歳から大人まで約200名のメンバーが通っている(障害者支援含む)。

「つくるを通していきるを学ぶ」を教育の基本方針とし、アートやデザインから派生する様々な創造的体験のプロセスから自分の独自性を磨き、楽しく社会と関わりながら、豊かな人生を切り拓いていくスキルを身につける事を目的とした団体だ。

また、ソーシャル事業や企業・行政・教員・PTA研修などにも力を入れている。なお、アトリエe.f.t.は2027年4月、天理市御経野に統合移転を予定している。

代表の吉田田タカシ氏は、教育者、ミュージシャン、クリエイティブディレクター。放課後デイサービス「bamboo」を手掛ける、たのしいにいのちがけの代表取締役でもある。

2022年「まほうのだがしやチロル堂」がグッドデザイン賞大賞を受賞(内閣総理大臣賞)。2024年には、第72回日本PTA全国研究大会(関東ブロック)に登壇し、約3,000人の教育関係者にむけて講演を行った。バンド「DOBERMAN」のボーカル作詞担当で、フジロックなどの大型フェスに多数出演している。

不登校の本質的課題に向き合う「トーキョーコーヒー」の活動に注目したい。

アトリエe.f.t. 公式HP:https://eft-art.jp

(Higuchi)

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