
佐賀県嬉野市の吉田エリアでは、400年の伝統を持つ肥前吉田焼を生産している。
今回、肥前吉田焼の窯元の一つである精成舎の「uzra(うづら)」は、「2025年グッドデザイン賞・グッドフォーカス賞[技術・伝承デザイン]」を受賞した。
400年の伝統を持つ肥前吉田焼の新たな取組

肥前吉田焼は、今後の100年に向けてさまざまな取組にチャレンジしている。

脱炭素による持続可能なものづくりシステム構築に関する取組では、二酸化炭素排出を大幅に削減する陶土の開発や焼成方法の構築、商品開発を推進してきた。

この取組により生まれた精成舎の「uzra」が、日本デザイン振興会が主催する「2025年グッドデザイン賞・グッドフォーカス賞[技術・伝承デザイン]」を受賞した。

年を重ねるごとに、全国&世界から、肥前吉田焼の関係人口は増加しているという。また、アーティストinレジデンスで海外からアーティストが滞在して作品を作ったり、九州大学の学生とのコラボプロダクトが生まれたりしてきた。
一方で、産地独自のマーケティング部を立ち上げたり、「磁器x3Dプリンティング」のデザインコンペティションを開催したり、さまざまな取組がスタートしている。
新素材・晟土を用いてCO2削減と良品率を向上

「uzra」は、二酸化炭素排出量の削減と良品率の向上を目指して開発された、新素材「晟土(せいど)」を用いたプロダクト。名前には、「これからの吉田焼を明るく照らしてほしい」という願いが込められている。
デザイナーは安積伸氏。晟土の持つやわらかな質感と、使う人の暮らしに自然と溶け込むフォルムが評価され、受賞につながったという。
環境に配慮したものづくりが評価される

精成舎を運営する224の代表・辻諭氏は、受賞にあたって「名誉ある賞に選んでいただき、心より嬉しく思います。この受賞をきっかけに、吉田焼の新しい可能性がさらに多くの方へ広がっていくことを願っています」とコメントを寄せた。
また、「2025年グッドデザイン賞・グッドフォーカス賞」審査員は、「陶磁器産業は高温焼成や資源消費により環境負荷が大きいとされるが、本製品は釉薬を必要としない新素材『晟土』を用い、鉄粉による斑点を意匠として受け入れることで、工程や製造ロスを削減し、CO2排出量を従来比で約40%抑えた点が革新的である。
通常は不良とされる要素をあえて素材段階から肯定し、良品率99%を実現したことも大きな成果といえる。器の静かで凛とした佇まいには、この製法ならではの偶発的な表情が感じられ、暮らしに自然と馴染む実用性と美しさを両立している。
さらに吉田焼の他窯元への展開を視野に入れ、環境に配慮したものづくりを産地全体に広げようとする姿勢も、未来への大きな可能性を示しており、高く評価できる」とコメントしている。
400年という長い伝統を持ちながら、未来に向けて新たな取組に力を入れる肥前吉田焼。この機会に「uzra」シリーズをチェックしてみては。
(淺野 陽介)
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